「ビアホール」は、銀座ライオン、YONA YONA BEER WORKS、キリンシティなどに代表される、ビールを中心に提供する飲食店です。
昨年春以降、緊急事態宣言や外出自粛の影響で、飲食店の中でも特に、ビアホールなどの酒類をメインで扱う飲食店は厳しい状況を余儀なくされています。
しかし一方で、世界的なクラフトビールブームが近年勢いを増しており、今後もしばらく続くとされているなど明るい兆しもあります。ビアホールはその波に乗り遅れないためにも、状況が落ち着いた時にしっかり集客できるよう、今のうちに準備しておく必要があります
本記事では近年消費者に重視される「口コミ」に焦点を当てた集客方法について、実施すべき理由やツール、実施する上でのポイントについて解説します。
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ビアホールが口コミ集客を行うべき理由とは
ビアホールが口コミ集客を実施するメリットは大きく2つあります。1. 少ない販促・広告コストで集客ができる
店舗経営をする上で、広告や宣伝活動は不可欠ですが、費用や準備にかける時間は負担にもなりえます。
口コミ集客は、顧客の自発的な口コミを集めてそれを宣伝効果につなげるものであり、店舗は多大なコストを支払うことなく良質な評判を広げられる点が大きなメリットです。
たとえば、ユーザーがGoogle 検索やGoogle マップでビアホールを検索すると、店舗情報ページで口コミを見ることができます。
口コミ部分の上部には、以下のようにピックアップされたいくつかの口コミが表示され、ユーザーはその店舗の特徴を一目で知ることができます。
また、その下の口コミを一つ一つ見ていくと、「恵比寿のクラフトビールのお店と言ったらここですね!」「スタッフもみんな活気があってお店の雰囲気は良いです。」などの好意的な口コミや、「検温やメニューが自分のスマホで見れたりテーブルの中にしっかりカトラリーがあったりと対策もバッチリ!」と新型コロナ対策に対する口コミなども寄せられています。
これらの口コミを見たユーザーはただ店舗のWebサイトを見るよりも、店舗に対して抱く印象を向上させ、来店する可能性が高くなるでしょう。
口コミを集めることで、第三者からの評価によって情報に説得力が増し、店舗の魅力を訴求したり宣伝したりする効果を高めることができます。
2. リピーターを獲得しやすい
ビアホールにおける口コミ集客の効果は、新規顧客の開拓にとどまらず、リピーターの獲得にも寄与します。前提として、口コミを見て来店する顧客は、店舗に魅力を感じた上で来店します。そのため、店舗で受けられるサービスについて好意的であり、実際に期待どおりの魅力を実感できれば、リピーターになる確率は高いといえます。
また、以下のような高評価の口コミでは、投稿したユーザーは店舗での良い体験を思い出しながら文章にしています。
このような場合、口コミを投稿する作業の中で、ユーザーは店舗の良さを再認識するため、お店に愛着がわきやすく、再来店する可能性が高いといえるでしょう。
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ビアホールの口コミ集客ツール3選
ビアホールが口コミ集客を実践するにあたり、活用できるツールの選択肢は複数存在しています。
以下の3つのツールは、いずれも独自の特色を有しています。個々の違いを把握し、自店の特色に適したツールを選ぶことが重要です。
1. グルメサイト
飲食店の口コミ情報といえば、代表的なものに「グルメサイト」が挙げられます。TableCheckが2019年の11月から12月にかけて実施した「第1回グルメサイトに関するユーザー&飲食店意識調査」によると、ユーザーの68%がグルメサイトを飲食店選びの参考にしていると答えており、ユーザーからグルメサイトは根強い人気があることがうかがえます。
グルメサイトを利用する理由としては、店舗、顧客ともに多くが、飲食店情報が集約されていて予約まで行えるという「利便性の高さ」を挙げています。
しかし一方で、店舗側は高額な掲載料や手数料などをデメリットに挙げる人も多く、グルメサイトの評価を気にしない、信用しないと答えた店舗は7割近くにもなりました。
また、ユーザー側からも店舗の評価基準の不透明性を理由に、グルメサイトを信頼していないと答えた人が26%にも及んだほか、ユーザーの利用頻度も以前に比べて減少していることが明らかになりました。
グルメサイトは現在も多くのユーザーから利用されていますが、店舗が活用する上では上記のような世間の認識の移り変わりがあることも把握しておく必要があります。
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2. Google マイビジネス
飲食店検索の手段に、グルメサイトを選ぶ人が減少している一方で、代わりに利用者が増えているのがGoogle 検索やGoogle マップです。
たとえば、Google 検索で店舗名を検索すると、検索結果の右側に以下のような店舗情報が表示されます。
店舗は「Google マイビジネス」に登録して「オーナー確認」を済ませることで、Google 検索やGoogle マップに表示される上記のような店舗情報を編集、管理でき、自店のページに投稿される口コミへの返信ができます。
無料で利用できる点や、自店のページの閲覧数や検索数、検索キーワード、ページ上でとった行動などを分析できるツールも備えている点がメリットです。ただし、検索結果の上位に表示されるためには、SEOなどの専用の施策が必要です。
Google上で口コミを増やすことはその一つの手で、顧客からの信頼性が高まるだけでなくGoogleからの評価も上がり、上位に表示されやすくなるといわれています。
3. SNS
SNSも口コミ集客ツールの一つです。代表的なSNSはFacebook、Twitter、Instagramであり、いずれも情報の拡散力、画像による視認性の高さなどの面で優れています。ただし、それぞれのSNSには異なる特徴や強みがあります。
たとえばFacebookは顔出し実名のアカウントが大多数であることが特徴で、載せられる情報量が多いことからWebサイトの代用として運用できるメリットがあります。Twiiterは匿名文化が広く浸透しており、情報が拡散されやすいことが特徴です。
また、Instagramは画像や写真を主体としていて、文章の構成を練る必要がないため、SNSの初心者にも運用しやすいことが特徴です。
Instagramは、料理や店舗の内観が写真で伝わりやすく、飲食業と特に相性の良いSNSといえます。
コントラストのはっきりした写真や、食欲をそそるような魅力的な写真を公開すれば、ユーザーがシェアし、そのユーザーの周囲にも情報が拡散されることも期待できます。
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ビアホールの口コミ集客の3つのポイント
ビアホールが口コミ集客を実践するにあたって、押さえておくべき3つのポイントがあります。
これらは口コミ集客の効果を高めるだけでなく、想定外のマイナスの評判を受けることを避けるためにも重要です。
1. 口コミに対する返信をする
どの口コミサイトを活用するにしても、書かれた口コミに対して誠実な返信をすることで、顧客の満足度を向上させ、良い評判につながります。口コミが良い内容である場合はもちろん、悪い内容であったとしても、真摯に受け止めて対応する姿勢を見せれば、それを見た他の顧客からの信頼度も高くなります。
たとえば以下の口コミは、Google マップの店舗情報に寄せられた口コミです。店舗でのサービスに困惑し、不満を抱いたことが表現されています。
こうした口コミは、店舗情報を検索する顧客の目に留まり、店舗への評価を下げることにつながってしまいます。
事実である場合、まず店舗は口コミの返信を通じて謝罪や改善を表明し、口コミを投稿した顧客を失わないように努めるべきでしょう。こうした姿勢は口コミを投稿したユーザー以外にも見られることになり、店舗が顧客を大切にしていることが伝わります。
ただし口コミが根拠のないクレームのような場合には、謝罪をして物事をおさめようとすることで、かえってネガティブな結果をもたらすことになります。
口コミへの返信で謝罪することは、事実でないことを肯定することになり、悪評の通りのサービスであると受け取られてまいます。
このような場合には口コミサイトを運営する企業に削除の依頼が出せる場合は出し、すぐに削除されない場合には事実無根であることを口コミの返信の形で主張するべきでしょう。
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2. 店舗情報や看板メニューをわかりやすく記載
口コミを集めるためには、顧客に店舗の情報をわかりやすく伝え、印象に残す必要があります。伝えたいことやこだわっている要素が複数あったとしても、Webサイトなどで公式が提供する情報はシンプルであるのが理想です。店内のメニューにおいても、看板メニューや注目してほしいサービスは際立ててアピールし、正しく伝えることが重要です。
そうすることで、顧客の中では店舗についてのイメージが散らかることなく、いくつかのポイントに絞られたユニークな印象が残ります。そして、印象がまとまっているため、顧客にとって話題にしやすい、口コミにつなげやすいということになります。
3. ステルスマーケティングは行わない
ビアホールに限らず、口コミ集客における注意点として、ステルスマーケティングがあります。
これは店舗の関係者が無関係な顧客を装い、口コミサイト、掲示板、ブログ、SNSなどに店舗に都合の良いことを書き込む行為を指します。
口コミとは、あくまでも顧客の中での有益な情報共有です。その行為が店舗によって仕組まれたものだと顧客に発覚すれば、店舗は信頼を失います。
たとえステルスマーケティングではないとしても、そう誤解させるようなアクションやプロモーションは避けるのが賢明です。
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口コミを集めて集客につなげる
口コミ集客は無料で行えるほか、高い確率でリピーターの獲得も見込めるため、ビアホールにとって有用な集客手段になりえます。従来、飲食店の口コミ集客ツールとして中心的存在だったのはグルメサイトですが、昨今では低コストで高効果を見込めるGoogle マイビジネスやSNSなどのツールが存在感を増しています。用途や客層に合わせて、これらのツールを使い分ける必要があります。
また、口コミ集客をする上で、店舗は口コミに一つ一つ返信をしたりと誠実に向き合うことで、その振る舞いが良い評判につながります。逆に、ステルスマーケティングなどを行ってしまうと、たちまち信頼を失う点には注意が必要です。
口コミは誰でもアクセスできる、店舗の評判を反映した情報です。店舗は口コミに対して適切な施策を講じることで、知らない所で不当に評判を落とされないようにすることが不可欠といえます。
<参照>
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PR TImes:グルメサイト評価、「信頼していない」「気にしない」飲食店7割近く。信頼性低下、ツール多様化で進む〝グルメサイト離れ〟
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※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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