ECサイトを通じた買い物が当たり前の時代になりつつある現代において、ECサイト市場は右肩上がりで市場規模を拡大しています。
そこで、以前まではオフラインの自店舗で売上を伸ばしていた事業者の方も、ECサイトの高まる影響力からECサイト市場への出店や出品を考える方が増えてきています。
この記事ではECサイトの出店・出品にあたり、押さえておくべき注意点とECサイトのメリットについて解説していきます。
EC市場の現在
ECサイトにおける商取引は、スマートフォンの普及率が上昇していることに伴い順調に成長しています。
ECサイトの利用が普及する中で、ECサイトの運営方法が「モール型ECサイト」「自社ECサイト」の2つの形態に分かれるようになってきました。
これからECサイトへの出店・出品を考える上で必要な費用や集客力は押さえておくべき概念になりますので、特徴を紹介します。
成長著しいEC市場
経済産業省が国内の BtoC-EC(消費者向け電子商取引)における電子商取引の市場規模を調査した結果によると、2010年には7兆7,880億円だった市場規模が8年後の2018年には17兆9,845億円に倍増していることがわかっています。
その中でも、成長分野として注目を集めているのが、「物販系分野」で9兆2,992億円、「サービス系分野」で6兆6,471億円となっており、どちらも2017年の前年比10%前後の成長率です。
今日のECサイト2大分類「モール型」「自社ECサイト」
ECサイトは現在Amazonや楽天などが代表的なサービスとなっている「モール型ECサイト」と自社で独自に運営する「自社ECサイト」の2つに分けることができます。
モール型ECサイトの特徴は、自社だけでなく、多くの事業者がそれぞれの商材を出店・出品するショッピングサイトです。
仮想商店街という実態から、サイバーモールという表現で呼ばれることもあります。
自社ECサイトは、企業や個人が単独で自社の商品を扱うショッピングサイトです。
モール型にも2形態「テナント型」「マーケットプレイス型」
「モール型ECサイト」は、そこからさらに「テナント型」と「マーケットプレイス型」の2つのタイプに分類することができます。
1つ目の「テナント型」の代表例は楽天市場やYahoo!ショッピングです。「テナント型」のECサイトは、インターネット上にあるモールへ出店したい事業者にスペース貸し出します。
つまり、現実世界の商店街や商業施設内の一区画を借り受ける「テナント」と同じ仕組みになるため、「出店料」を払うことになります。
2つ目の「マーケットプレイス型」の代表例はAmazonになります。
「マーケットプレイス型」のECサイトは、「出店」ではなく「出品」という概念になります。店舗を保有するという概念は「テナント型」よりも薄れます。
「出店料」ではなく、売上に応じて手数料がかかるシステムになります。
モール型ECサイトに出店するメリット
すでに自社のECサイトを保有されている方も、「モール型ECサイト」との併用は販売チャネルの多角化につながります。
今回は「モール型ECサイト」に出店するメリットについて、詳しく解説していきます。
モール型ECサイトの高い集客力が活用できる
「モール型ECサイト」の最大のメリットは高い「集客力」です。モールを運営するAmazonや楽天の利用者は国内最大級のユーザー利用者を誇ります。
すでに購買意欲が高いユーザで溢れる場所に自社の商品を出品したり、テナントを出店できる点は売上につながりやすい環境です。
自社ECサイトの場合であれば、広告やマーケティングなどで0から集客をしなければいけないため、その工数と手間を考えると非常に魅力的なメリットになります。
モール型ECサイトが持つ利用者の強い信頼
ECサイトで買い物をする際は、住所やクレジットカードデータ、購買履歴など個人情報が蓄積されていきます。
個人情報の流出が問題としてニュースに取り上げられる昨今、楽天やAmazonという誰もが知ってるブランドに対する安心は個人ECサイトと比較すると相対的に大きくなりやすくなります。
ですので、信頼性をモールの運営者が担保をしてくれる点も、大きなメリットにつながります。
ネットサービス運営の初心者が始めやすい
モール型ECでは既存のプラットフォームを利用して商品を販売します。
ウェブサイトを開設するために必要なサーバーの契約、ドメインの取得といったプロセスや、サイトのデザインを工夫するといった研究や経験により磨かれるスキルも基本的には必要ありません。
購入者のアクセスについて解析する機能が付いている場合もあります。専門的な知識がなくても、開設したページを分析して売上を伸ばすことも可能となります。
反対に言えば、自社ECサイトの場合はこうした手続きや管理が必要になります。
モール型ECサイト出店時に気をつけるべきこと
ここまでメリットについて、解説してきましたが、一方でモール型ECサイトの出店時に注意するべき事項はあります。
継続的に利益をもたらすためには、出店や出品する際にかかる費用や商品の価格設定は必ず押さえておくべき事項です。その点を詳しく説明していきます。
出店費用や手数料の確認
出店や出品するモール型ECサイトの規模が大きほど、かかる費用は割高になります。
出店に必要な費用は大まかに「初期費用」「月額費用」「販売時の手数料」があります。モール型ECサイトの手数料は売上によっても変わります。
楽天市場では固定費でかかる「月額出店料」や月の売上金額にかかる「システム利用料」、その他にも様々なシステムサービス利用料金が存在します。
Amazonで商品を販売する場合には月額の固定費である「基本料」と、出品した商品が売れた際の「配送料」、そして売上に応じて発生する「販売手数料」の支払いが発生します。
同業他社との激しい価格競争
モール型ECサイトでは、同業他社が類似している商品をたくさん出品しています。
一方で、各社ECサイトのデザインを大幅に変更することができないため、類似商品の差別化が難しくなります。
そこで最終的には価格競争に発展しやすく、値崩れが起きやすい環境となってしまうケースがあります。利益率の低下は避けたい事象ですので、価格設定には注意が必要です。
主要なモール型ECサイトへの出店・出品方法
ここまで「モール型ECサイト」への出店・出品のメリットと、一方で注意すべきデメリットについて解説してきました。その上で、今後「モール型ECサイト」への出店を検討する場合のために、国内において代表的なモール型ECサイトである「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」の3社への出店・出品方法について説明していきます。
楽天市場への出店
楽天市場へ出店する場合は、2つのステップを踏むことで出店ができます。
- 出店申込
- 利用開始
「出店申込」では、出店にあたり必要な情報を記入します。こちらの手続きが完了後、楽天市場の店舗運営システム「RMS」の操作が可能になり、決済や発送の準備作業をすることができます。
この楽天市場にお店を構える準備段階までで、おおよそ2週間から1ヶ月ほど時間がかかります。
その後、オープンにあたり審査を通過すると楽天市場でお店が開店となります。
RMSの利用開始から開店まででおおよそ2週間から1ヶ月ほど時間がかかるため、出店申込をしてから出店するまでに最短でも4週間は時間が必要です。
Yahoo!ショッピングへの出店
Yahoo!ショッピングへの出店は、楽天市場への出店とおおよそ同じフローになります。
出店にあたり用意するものは以下になります。
- Yahoo! JAPAN ID
- クレジットカード情報
- 会社情報
- 代表者情報
- 銀行口座情報
- 開業届け写し
- 住民税の納税証明書写し
- 出店予定商材情報
これらの書類を用意し、お申し込みをおこない、審査に通過次第、開店準備となります。そして、開店準備が整い、開店審査に合格すると無事開店となり、ECサイトへの出品ができるようになります。
Yahoo!ショッピングへの出店は、4週間~5週間ほどの時間が出店までにかかります。
Amazonへの出品
Amazonへは出店ではなく、出品となります。以下の4つの段階を経て、出品となります。
- アカウントの登録
- 初期設定
- 商品登録
まず、「アカウントの登録」では、出品者情報とクレジットカード情報などを登録します。
つぎに「初期設定」として、販売管理画面「セラーセントラル」で代金引換、ギフト注文の受付可否や配送料金の設定をおこないます。
その後、「商品登録」をします。すでにAmazonで出品されている商品は、製品コードや商品の名前で検索をすることができます。出品されていない商品であれば、JANコードと商品画像、そして商品名や説明文などを登録画面に入力することで登録ができます。
商品が売れた場合、個人で発送するか、Amazonが代行して発送するサービスを利用できます。この設定は、アカウントの登録時に設定をします。
経営目的に合わせモール型ECサイトへの出店を検討
外出しなくても気軽に買い物ができるECサイトの需要は今後も盛り上がりを見せていくことが予測できます。
また、モール型のECサイトを通じた販売経路の確保は、集客の面で負担が軽く、また個人情報の管理が重要になっている昨今において信頼を得やすいという面で、利用していく価値が高まっていきます。
出店や出品の際は、各ECサイトで様々なプランが用意されているため、店舗経営者各自の判断が必要です。自社にとっての最適なプランを選択することが重要でしょう。
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