2月8日、ファミリーレストラン大手・デニーズが、テレワークの利用者に対する専用席を試験的に提供することを発表しました。
自宅での作業は集中できないというビジネスマンのニーズに応えられる施策であり、店舗側にとっても空席を活用できるというメリットがあります。
本記事ではデニーズのテレワーク専用席についての解説のほか、飲食店の空き時間を活用する新たなサービス4選について紹介します。
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デニーズが「テレワーク」専用席を試験提供開始
レストランチェーン「デニーズ」を運営するセブン&アイ・フードシステムズは2月8日、一部のデニーズ店舗で、テレワーク向けの専用スペースを提供する実証実験を開始したと発表しました。
試験導入が始まっているのは東京都墨田区のデニーズ錦糸町駅前店および台東区のデニーズ浅草雷門店です。利用時間は平日の14時〜18時で、利用料はドリンクバー付きで600円です。
各席はパーテーションで仕切られており、電源やWi-Fiの利用も可能となっています。
予約は不要で、テレワーク・テクノロジーズ株式会社が提供するテレワークスペース検索サービス「テレスペ」のLINEアカウントから空席状況を確認できます。
セブン&アイ・フードシステムズは、まず2店舗での実証実験を行った後、利用店舗を拡大していく予定だということです。
※参考 デニーズ公式サイト:デニーズでテレワーク!
店舗の空き時間を活用するサービスまとめ
デニーズの他にも、コロナ禍での需要に応えるとともに、店舗の空き時間を有効活用するための試みを行っている企業や自治体があります。
ここでは、店舗の空き時間を活用しているサービスの事例4つを紹介します。
1. 神戸市がテレワーク用に空席を提供
兵庫県神戸市では、市の支援により飲食店の空席を1時間100円で貸し出す実証実験「KOBE Work Space Share」が行われています。
会議室や公共施設のシェアサービスを展開する「スペースマーケット」と連携したもので、通常は30%である同社のサービス手数料を実証事業中では15%とし、その半額を市が負担します。
インターネット環境の配備が登録の条件で、この実証実験のためにWi-Fi環境を整備した店舗もあるようです。対象店舗は約1万1,000店舗となっています。
- スペースマーケット公式サイト:神戸市×スペースマーケット「KOBE Work Space Share」
2. シェアオフィスとして活用
株式会社REBRANDINGが運営する「anywhere」は、飲食店の空き時間をシェアオフィスとして貸し借りするためのサービスです。
人数に応じた月額料金で飲食店の空き時間が使えるようになるサービスで、東京都心・駅から徒歩5分以内の店舗が使い放題になるということです。
現在、利用会員と加盟店の募集を行っています。3. 社食として活用
福岡市のGigi株式会社は、企業が地域の飲食店を社食として利用できる「びずめし」を展開しています。
このサービスは企業の福利厚生の一環として利用されることを想定したもので、スマホアプリから登録店舗の「社食チケット」を購入し、会計時にスマホでチケットを提示することで支払いが完了する仕組みです。
利用者にとっては飲食店を社食としてお得に利用できるようになります。店舗にとっては、コロナ禍での需要補填につながるとともに、地域の外食を活性化できることがメリットです。
登録店舗数は約14,000店舗で、通販大手の株式会社ジャパネットホールディングスが導入を決めるなど、広がりを見せています。
4. 飲食店を開業したい人に貸し出し
飲食店を開業したいという人に向けて、空き時間などに店舗を貸し出すサービスもあります。
飲食店の開業希望者向けのコンサルティング業務を行っている「飲食マッチ.COM」では、空き時間に店舗を貸し出したいオーナーと、飲食店の開業希望者をつなげるマッチングサービスを行っています。
店舗側は営業していない時間を有効活用でき、開業希望者は大きなリスクを取らずにテスト営業ができるという双方へのメリットが特徴です。
他にも、「シェアリングフランチャイズ」という形式として、すでにある飲食店の空き時間をそのまま利用するビジネスも生まれています。
バナナジュース専門店の「まがりDEバナナ」は、クラブや居酒屋、焼肉屋などすでにある店舗を「間借り」することで出店コストを抑えたビジネスを展開しており、コロナ禍での店舗の空き時間活用として注目されています。家賃は売上の一部から支払われるということです。
飲食店の売上を補填する試み、続々と
コロナ禍で落ち込んだ飲食店の売上を補填するべく、新たなビジネスモデルが続々と誕生しています。
高まるテレワーク需要に応えるもののほか、「シェアリングフランチャイズ」など、飲食店の空き時間を活用するためのユニークな試みもあることがわかりました。
飲食業界は今後しばらく苦戦を強いられることが予想されますが、これらの試みはコロナ禍での需要を掘り起こすための有効な施策だといえるでしょう。
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