商業施設とは、大型スーパーマーケットやアウトレットモール、百貨店などの、さまざまな店舗が集まって営業している施設のことを指します。
比較的、中~大規模な複合施設が多く、テーマパーク併設のものや、アミューズメント施設などを含む場合もあります。
商業施設の中に飲食店を出店することは集客における大きな効果が見込めます。その反面、制約なども存在します。
この記事では、飲食店の商業施設出店で想定されるメリットとデメリットについて紹介します。
商業施設に飲食店を出店するメリット
商業施設にはさまざまな種類の店舗が含まれていることが多いため、それだけ多くの顧客が足を運ぶ場所です。実際に集客に対してどんな効果があるのか、飲食店が商業施設に出店するメリットを5つ紹介します。
1. 集客力が高く、足を運んでもらいやすい
商業施設は、駅の近くにあったり、大きな駐車場が準備されていたり、基本的にアクセスがいいという特徴があります。遠方からの顧客でも気軽に足を運ぶことができるため、顧客の母数が大きいというのが1つのメリットです。また、さまざまな店舗が含まれているため、客層が限定されず、幅広い年齢層の人が訪れます。
ショッピングはもちろんのこと、映画鑑賞などのついでに飲食店に立ち寄る顧客もいるため、独立店舗よりも集客のチャンスが広がります。
商業施設自体が大型で有名な場合、飲食店として出店すること自体が認知度のアップにもなるでしょう。
2. 天候に左右されずに集客できる
商業施設の特徴の1つに、雨などの天候の変化があっても客足が遠のきにくいという点が挙げられます。駅直結や、駅近の立地であったり、屋内駐車場の完備がされていたりする商業施設が多いため、天候に左右されずにコンスタントな集客数を見込むことができます。路面店の場合、天気が悪いと店舗に訪れる顧客の数が減少し、収益が不安定になる可能性があります。
3. 宣伝を商業施設が行うため、宣伝費用を抑えられる
商業施設に出店すると、宣伝費用を抑えることができるというメリットもあります。一般的に商業施設は、新聞広告やWeb広告などを通して施設の宣伝をしたり、イベント開催やセールの際には公式サイトなどを通じて情報発信したりするため、出店している店舗は客足を増やすための宣伝に費用をかける必要がありません。
SNSなどを通じて自店舗をする紹介ことは大切ですが、コストを抑えた集客宣伝が実現できます。
4. 客層やかき入れ時がわかりやすくアプローチしやすい
商業施設は幅広い層への集客が見込めるものの、施設によって集まる客層の傾向を絞ることができます。たとえば、ファッションビルには比較的若者が多く、百貨店には経済的な余裕のある中高年層や家族連れが集まりやすいなどといった傾向が挙げられます。ターゲットに合わせて店舗で展開するメニューの価格帯や内容を選定することで、効果的なアプローチができます。
セールやキャンペーン開催時には多くの顧客が集まることが予想されるため、繁忙期の想定ができスタッフの増員などあらかじめ準備をすることが可能です。
ilities-2-5">5. 購買・消費意欲が高い顧客が訪れる
商業施設を訪れる顧客の特徴として、消費意欲の高さが挙げられます。複数の店舗を何度も行き来できる商業施設では、買い物をしたいと考えて足を運んでいる人が多く、消費に対する意欲が高い傾向にあります。そのため、買い物の途中や買い物後に飲食店に足を運び、食事を済ませる顧客が多く、自然な集客を見込むことができます。
独立店舗の場合と比べ、購買意欲の高い顧客をより高確率で呼び込むことができます。
商業施設に飲食店を出店するデメリット
集客に手間をかけずに済むことや、ターゲットに合わせたメニュー構成がしやすいなど、商業施設に飲食店が出店をすることで得られるメリットはたくさんあります。一方で、出店を検討する際には注意すべきデメリットもあります。こちらも5つの点から解説します。
1. 家賃などの負担金額が高い
路面店などの独立店舗でもお店を展開するための家賃はかかりますが、商業施設内に出店する場合にはより高額な負担が発生する可能性があります。商業施設によっては、賃貸料が店舗の売上げに応じて増減する契約をしている場合もあり、集客ができて売上げがアップしても、お店の収益はそこまで高くないという事態も想定されます。
また、商業施設によっては、有料駐車場利用者に対してのサービス金額分を店舗で負担しなければならないこともあり、必要経費として支出が増えるというデメリットがあります。
2. 商業施設が決めた営業日や営業時間に従う必要がある
商業施設内で展開する店舗である以上、商業施設全体のルールに則って営業することが原則的な条件となります。具体的には、商業施設全体の営業時間に従う必要があったり、施設の営業日に応じて店舗を運営しなければならなかったりします。新型コロナウィルスの影響などで、商業施設が時短営業や休業などの対応を決めた際には、決定に従って営業時間を変更する必要があります。
そのため、イレギュラーな休みなどを設けることができず、独立店舗に比べると自由度が低いという点が挙げられます。
ilities-3-3">3. 路面店舗と比べて自由度が低い
自由度が低いのは、営業時間や営業日に関してだけではありません。イベントを商業施設が開催する場合は参加する必要があり、イベントに関するサービス品などの準備が求められることもあります。自社がイベント参加に乗り気でなかったとしても参加が義務であったり、費用負担が発生したり、商業施設全体の決定に従うことが基本条件となります。
また、商業施設全体のコンセプトの統一のため、内装やデザインも画一的なものを選択せざるをない場合もあり、自社のカラーを出すことが難しい可能性もあります。
4. 売上金がすぐには入らない
商業施設での店舗運営のその他のデメリットに、売上金が入るまでのタイムタグが挙げられます。通常、商業施設に展開する店舗は、売上金を施設に一度送ったのち、経費などを差し引いた額を再度入金するシステムを採用しているところが多いです。
そのため、独立店舗に比べると売上金が入るまで時間がかかり、資金繰りの計画を立てる際に問題になる場合もあります。
5. 競合店舗が多い
商業施設には多くの人が集まることはメリットである一方、施設内に多くの店舗があることで、たくさんの競合を持つことになるというデメリットも発生します。百貨店などの場合、飲食店は通常1つのエリアに集中して展開されるため、顧客は多くの選択肢の中からお店を選択することになります。
ジャンルが分かれていれば食事のカテゴリーで選んでもらえるチャンスがありますが、同ジャンルの飲食店が近くに店舗を構えている場合、顧客の取り合いになる可能性があります。
メリット・デメリットを把握し、自店舗の利益になるような選択をする
商業施設に飲食店を出店することは、商業施設の影響力を活かして集客につなげることができ、低コストで顧客を増やすことができます。一方で、商業施設で営業をする以上、施設のルールやコンセプトに従う必要があるため、営業日や営業時間、内装などを基本的なことだけでなく、イベント開催なども施設の指示に従う必要があります。
集客力や商業施設のネームバリューを活用したい場合には、出店には大きなメリットがありますが、独自のブランドや特徴を守りたい場合には、商業施設出店は適切でないといえます。
商業施設への出店を検討する際には、自社の営業スタイルやブランドを的確に把握し、どのような路線で店舗展開をしていきたいかを考えることが重要です。
集客増加、売上げ増加などが見込める一方で、固定経費の増加など支出面での負担や売上金入金までのタイムラグなども制約もあるというメリットとデメリットを理解し、自社のスタイルに商業施設への出店が即しているかを見極めることが大切です。
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※ここでの「MEO」とは、Google上の店舗・施設情報の露出回数を増やしたり、来店行動につなげたりすることで、Google経由の集客を最大化させる施策を指します。
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