日本のコンビニが五輪関係者から大好評/阪急阪神百貨店、オンライン接客で月間1億円売上【小売業界動向まとめ2021年7月】

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7月はオリンピックが開幕となり、各国のオリンピック関係者が入国してきたことが小売業にも影響を与えています。

一方でコロナウイルスの感染拡大が顕著となり、小売業ではそのための対応が進められています。

この記事では小売業における業態別の7月の動向と、EC領域の取り組みや注目ニュース、および関連データについて解説します。

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コンビニ・スーパー/在宅需要引き続き・客単価も向上

コンビニ各社は4月頃から売上高で前年を上回るところが多く、おおむね好調な売り上げを維持しています。

7月においてもそれは同様で、新型コロナウイルスの拡大により中食や家飲みに対する需要が高まったことに伴い、アルコール類や冷凍食品の販売が好調となり、客単価も向上しています。

日本のコンビニがオリンピック関係者から大好評

東京オリンピックが開催されるにあたり、各国から選手や各報道機関のスタッフなどを含む、オリンピック関係者が来日しています。こうした人々にコンビニの商品が人気であることが話題になっています。

人気が高いのはお弁当やスナック、お菓子などで、いずれも価格が安くクオリティが高いことがその理由となっています。

海外のメディア関係者がSNS上にコンビニエンスストアを絶賛する旨の投稿をしたり、Googleマップ上の口コミに外国語によるものが見られるようになっています。

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百貨店とスーパーが連携、異業態との競争をみすえる

スーパー業界では、百貨店との提携を開始する動きが見られています。

たとえば関西エリアで食品スーパーを展開する万代は、阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー・リテイリングと包括業務提携を結び、商品の調達やプライベートブランド商品の開発、物流などの面で協力していくことを発表しました。

このような提携には、ドラッグストアやコンビニなどの業態への対抗のために競争力を高める狙いがあります。

買い物するのが難しい高齢者を支える移動式スーパー

スーパー業態でのユニークな取り組みとして、「移動スーパー」が見られるようになっています。

淡路市では自治体とスーパーマーケットが協力し、過疎地で買い物に出かけるのが難しい高齢者を支えるサービスとして、トラックで商品を運ぶ移動スーパー「とくし丸」が稼働し始めました。これは商品を届けるだけではなく、異変を発見した場合に地域包括支援センターに連絡するなどの役割も担っており、利用者に歓迎されています。

このような取り組みは高齢化社会に適合した、DXや機械化に頼らない社会問題の解決策といえます。

百貨店/インバウンドの苦境・ECは好調

高島屋や三越伊勢丹を含む百貨店大手5社は、そろって7月の売り上げにおいて対前年比で増加したものの、対前々年比では14〜20%減となりました。インバウンドによる来客、売り上げが戻っていないことが大きく響いています。

そんな中、各社はお中元のギフトECなどオンラインを活用した販売チャネルを構築することにより売り上げをカバーする動きを見せており、ECの売り上げを大きく伸ばしています。

オンライン接客サービスが好調、月間1億円を売り上げる(阪急阪神百貨店)

阪急阪神百貨店では、オンラインの接客サービスによって客数や売り上げの確保に努めており、好調です。

実際に商品を顧客に送り、オンラインでじっくり説明するなどの工夫はもとより、オンラインでは弱くなりがちな商品の手触りや雰囲気などをより明確に顧客に伝えています。

このような手法は高級品の購入に対して特に大きな成果を挙げ、2020年の末にはオンライン販売だけで月間1億円ほどの売り上げを達成しました。

30〜50代の男性富裕層「ニューリッチ」にフォーカス(大丸松坂屋百貨店)

大丸松坂屋百貨店では、「ニューリッチ」と呼ばれる30〜50代の男性富裕層をターゲットにした発信を強めています。具体的には富裕層向けのウェブメディアである「J PRIME」を男性向けにリニューアルするなどの取り組みを行なっています。

これは各ブランドが近年男性向けラインナップに力を入れていることや、コロナ禍によって海外旅行に出られなくなった男性富裕層を新たな顧客として取り込むための戦略といえます。

また、コロナが収束した後に来店が予想されるアジアの富裕層を見込んでの取り組みも兼ねています。

ドラッグストア/解熱剤が伸び率ランキング1位・食品強化型にニーズ

ドラッグストア業態では、インバウンドによる需要が取り込めなくなった地域では低調が続いています。

こうした中、ワクチンの接種者が増えていることに伴い、副作用として現れる発熱を抑えるための解熱剤の需要が大きく伸びる現象がみられています。

コロナ禍による巣ごもり需要をうまく取り込んだ総合型のドラッグストアでは、売り上げが伸びているところもあります。生活消費財だけでなく、食品をドラッグストアで購入したいという客層のニーズをうまくつかんだ形です。

これらの食品強化型店の顧客は、共働きで忙しく、なるべく買い物を手早く済ませたい主婦層などです。時間がない主婦にとって、気軽に入れて他の店に行く時間も節約できる食品強化型ドラッグストアはありがたい存在となっています。

食料品などに力を入れ、ドラッグストアとしては初めて自社流通で生鮮食料品売り場を展開しているゲンキーは、前年比で大きく売り上げを伸ばしています。

小売ECの注目トピック

コロナ禍以降、対面接客や販売が感染リスクの高いものとして捉えられるようになったことで、小売業は大きく変革を迫られました。

それまで来店してもらうことを前提としていたシステムを、どのように直接的な接客が伴わないものに置き換えていくのかということが課題となりました。

そんな中で注目を集めているのが、ECを活用した販売です。商品説明やPRをインターネットを通して行い、また購入までがネット上で完結するECが大きく注目されるようになりました。

Yahoo!ショッピングで「LINEギフト」出店促進

Yahoo! ショッピングは、ポータル内に出店している加盟店の「LINEギフト」出店促進を目的に、LINEとの連携を強化しています。

LINEギフトはLINE上の友だちとギフトを贈り合うことのできるサービスであり、ギフトサービスのデジタル化としてコロナ禍において業績を伸ばしたサービスです。

そのほかAmazonのプライムデーや、楽天市場でのお買い物マラソンなど、大規模なECサイトのセールもコロナ禍においては歓迎されており、ECでの購買意欲が大きく高まっていることがわかります。

広島県で補助金による小売業EC支援計画

広島では県内の小売業者のEC事業のアイデアを募集しています。いくつかの事業者に対してその事業費の補助や、専門家による支援などのサポートを与える支援策を開始しました。募集は8月末まで続きます。

国内と海外の両方に販売する必要があることや、将来におけるECによる売り上げ増加額が補助金申請額の5倍以上となること、海外向けの売り上げが大きく見込めることなどが条件となります。

ECの活用により補助を受ける企業だけでなく、事業パートナーや関連企業なども含めた経済の活性化が狙いとなっています。

セカンドハンズ市場の注目トピック

環境やSDGsへの配慮、または低価格のという点から、セカンドハンズ(中古)市場が注目されるようになっています。

中古本やアパレル販売の大手であるブックオフでは、近年アプリによる利用者数を大幅に伸ばしており、2021年7月の時点で公式アプリのダウンロード数は400万以上と躍進しています。このことは決算書でも強調されており、売り上げの3分の1がアプリ経由となる状態が目標とされています。

またデニム製品の製造・販売の老舗であるリーバイスは、同社による認定中古品を販売する専用のサイトを立ちあげたうえ、リアル店舗での買取にも力を入れ、同社の販売網の一部に中古販売が取り込まれている状態を作り上げてきました。これはブランド価値の向上や中古販売にかかるリスクの低減にも貢献しています。

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7月に発表された小売業関連のデータ紹介

各業態の6月の売り上げがデータとして発表されています。どの業界でもおおむね前年比に対して微増となりましたが、新型コロナウイルスの影響がなかった前々年とは大きく差があるのが現状です。

ここでは7月に発表された小売業関連のデータを紹介します。

各業態 6月の売上動向

博報堂が「来月の消費予報・8月」を発表

博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は7月26日、「来月の消費予報・2021年8月」を発表しました。

結果によると8月の消費意欲指数は48.8点で、前月比0.1ポイント減、前年比は0.7ポイント減と、ともにほぼ横ばいでした。

例年8月は消費意欲が高まる月ですが、コロナ禍や酷暑の影響からか、8月としては過去5年で最も低い数字となりました。

博報堂「来月の消費予報・8月」
▲博報堂「来月の消費予報・8月」:プレスリリースより

小売関連ではファッション、化粧品などの項目で前月比の消費意欲が大きく低下しており、外出が敬遠されている傾向が見て取れます。そのほか日用品、インテリア用品などでも消費意欲の低下が見られています。

アンケートでも酷暑のため外出を避けたいという回答が目立っており、コロナウイルスの感染拡大とともに外出が控えられる傾向が見られます。

緊急事態宣言、およびまん延防止措置が全国的に拡大している中、今後も小売消費に関しては厳しい状況が続きそうです。

このような逆風の中で、ECを活用し、またオンラインでは決定打が足りないと感じる顧客の意識に変化を与えるような新たな取り組みが一層重要になってくるでしょう。


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口コミラボ 最新版MEOまとめ【24年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】


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「ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限」が明文化 ほか【2024年9月・10月版 Googleマップ・MEOまとめ】


<参照>
海外記者の楽しみ“好きなコンビニ商品”は(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース
LINEとヤフー、ECでの連携強化 「Yahoo!ショッピング」加盟店に「LINEギフト」出店を促進 - ITmedia ビジネスオンライン
広島県、小売業のEC革新を支援 事業化を9割補助: 日本経済新聞
阪急阪神百貨店GM、オンライン販売で月1億円 商品を送ってじっくり説明|NIKKEI STYLE
買い物弱者をサポート 淡路市で移動スーパーの出発式 | サンテレビニュース



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