世界の物流混乱で「ポテト戦争」勃発/ファミレス大手5社、12月売上増【飲食業界動向まとめ 2022年1月】

2022年1月は年明けから各都道府県で次々と「まん延防止等重点措置」が発令されました。オミクロン株の影響はまだ統計には出てきていませんが、今後の動向に注目する必要がありそうです。

本記事では、1月の飲食業界関連ニュースや市場の動向を紹介します。

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飲食業界動向まとめ2022年12月

1月の飲食業界動向

「まん延防止等重点措置」が発令され、飲食店には時短営業が要請されました。

計36都道府県にまん延防止等重点措置が発令

政府はコロナの新規感染者数の急増を受け、1月9日より広島・山口・沖縄に「まん延防止等重点措置」を発令し、期間は2月20日までとしました。さらに、1月21日(~2月13日まで)に東京や埼玉・千葉県などに続き、1月27日(~2月20日)には大阪、兵庫、京都なども追加されました。

なお、2月からは計36都道府県に拡大されています。

「まん延防止等重点措置」の発令により、各自治体では飲食店に対して時短営業や酒類提供の制限などの要請をおこなうところもあります。また、感染状況によってはさらなる延長の可能性もあり、飲食業界は再び苦境に強いられるものと予想されます。

飲食店の営業はどうなる?

「まん延防止等重点措置」では、各県の知事が市町村の地域を限定して対策を取るため、各自治体によって飲食店に要請する内容が異なります。

また、今回の「まん延防止等重点措置」の適用により大きな影響を受ける飲食店に対して岸田総理は次のような基本方針を会見で発表しました。

  1. 時短営業の要請は認証店が21時までで、店舗が「酒あり」か「酒なし」かを選べる
  2. 非認証店に対する時短営業の要請は20時までとし、酒類提供は禁止
  3. 対象者全員検査をすると、5人以上の飲食も許可

飲食店の認証店で酒類の提供を許可するかしないかは、各都道府県の判断とされました。

東京都はこれを受けて飲食店の営業時間と酒類提供に対しては、現在次のようなルールを適用しています。

  1. 酒類を終日提供せず、営業を午後8時までとする(協力金1日当たり2.5万円~)
  2. 酒類の提供を午後8時まで、営業を9時までとする(協力金1日当たり3万円~)

認証店は上記の1か2を選択でき、非認証店には1が適用されます。

また利用人数は1グループ4人以内としますが、認証店では対象者全員検査により陰性を確認したうえで入店する場合は5人以上の会食も認めることとしました。

今回の「まん延防止等重点措置」では、酒類を提供するかどうかを店舗が選択できるようにする自治体もある一方で、酒類提供を認めない自治体もあるなど対応が分かれています。都道府県によって差があり不公平であるという声が出ているのに対して、実情を把握している知事が判断できるため柔軟な対応が期待できるというメリットもあります。

「日本飲食団体連合会」発足

コロナ禍で窮地に立たされている飲食業界が「日本飲食団体連合会(食団連)」を発足させました。30を超える団体・協会等が会員となりその店舗数は数万店に及び、業界でも類を見ない大規模な団体となる見込みです。

コロナ禍での対応をめぐってオーナーシェフや外食企業経営者らが団結して政府や与野党、自治体などへの働きかけをおこなったことが、同団体の設立のきっかけとなりました。

また「まん延防止等重点措置」に対しては、科学的根拠に基づいた政策の実施、業種や店舗の規模に応じた支援策を求めるなど、政府与党に飲食店や事業者の声を伝えて飲食業界の発展に寄与していく考えです。

ファミリーレストラン業界の動向

非接触型の自動宅配ロボットを導入したり、世界的な物流網の混乱により影響を受けたりしている飲食店の実例を紹介します。

自動宅配ロボット導入/サイゼリヤ・デニーズなど

ENEOSなど3社が自動宅配ロボットの実証実験を開始
▲導入予定の自動宅配ロボット、ENEOSプレスリリースより
ENEOSホールディングス、ZMP、エニキャリは東京都中央区佃と月島エリアにて、自動宅配ロボットを活用したデリバリー実証実験を2月8日から26日まで共同実施することを発表しました。

松屋やローソンといった飲食店やコンビニなど10店舗で商品デリバリーするのは国内初の取り組みです。ロボットは非接触で人を介さず、歩道を低速走行するため安心かつ安全に商品を届けられるのが大きな特徴です。

びっくりドンキーも、フライドポテトの提供停止

びっくりドンキーでは、貨物コンテナ不足やコロナの影響により現地加工場の稼働率が低下するなどにより、1月14日からフライドポテトの販売を全店で休止していました。

しかし、一定量の原材料が確保でき2月1日から一部店舗(208店舗)でフライドポテトの販売が再開されました。残り130店舗では、引き続きフライドポテトの販売は休止されるとのことです。

ファストフード業界の動向

コロナ禍により物流網が混乱しており、ポテトの販売を休止するファストフード店がある一方で、ポテト増量を掲げるチェーン店もあり対応が分かれています。テイクアウト需要を取り込むために、キッチンカーを導入する企業も出てきました。それぞれの事例を紹介します。

マクドナルドのポテト、2度目の一部販売停止

日本マクドナルドホールディングスでは、1月9日から全国の店舗でポテトのM、Lサイズの販売を再び中止し、Sサイズのみを販売することにしました。

昨年末もコロナ禍による物流の影響や、船便の経由地であるバンクーバーでの大規模な水害によりSサイズのみ販売していましたが、M、Lサイズも一時再開された矢先のことでした。

今回の販売中止も輸入の遅延やバンクーバーでの雪の影響、貨物の滞留などが重なったことが原因であると説明しました。販売中止期間は約1か月の予定とのことです。

フレッシュネスバーガーとロッテリア、「ポテト戦争」仕掛ける

コロナ禍の物流網の混乱などにより、びっくりドンキーや競合のマクドナルドがポテトの販売を休止する措置を取っているなか、フレッシュネスバーガーやロッテリアでは「ポテトロス」「ポテト難民」の声を反映して、ポテトの販売に積極的です。

フレッシュネスバーガーは、北海道産フライドポテトを通常より25%増量するキャンペーンを期間限定(1/14~2/27)で実施しています。

また、ロッテリアでは1月6日から2月6日まで節分イベントとして、Sサイズのポテトが4個分入った「バケツポテト」を500円(税込み)で販売するなどのキャンペーンを実施しています。

業界最大手のマクドナルドがポテトの供給で苦労しているなか、自社は供給網に問題ないことをアピールして新規の顧客を取り込む戦略です。

キッチンカー導入/モスバーガー

モスバーガーがキッチンカーを導入
▲キッチンカー MOS50

株式会社モスフードサービスは、創業50周年を記念して1月29日よりキッチンカーを導入しました。

同キッチンカーは、「洋服の青山 大田久が原店」の駐車場で11時から18時まで営業しています。キッチンカーのスタッフが着用するユニフォームのデザインや制作は青山商事株式会社が担当したとのことです。

従来の定番メニュー「モスバーガー」「テキヤキバーガー」をグレードアップさせたキッチンカー専用商品が販売されます。また、移動可能であるためイベント会場への出店も検討中とのことです。

「豚めし」復活、10年ぶり/松屋

株式会社松屋フーズホールディングスが展開する「松屋」では、2月1日から「豚めし」の販売を開始しました。

「豚めし」は2012年1月に終売となっていたものの、今回は豚肩ロースの赤身肉を使用しており、前回よりパワーアップして再販売されることになりました。昨今の輸入牛肉価格の高騰により、松屋では昨年「牛めし」の値上げに踏み切っており顧客離れが懸念されていました。

今回の「豚めし」を投入して、「コスパ」を重視する顧客にアピールしたい考えです。

カフェ業界の動向

飽和状態のカフェ店では、サブスクの利用を始めたり、病院への出店や宅配サービスに加盟したりとさまざまな取り組みをして打開策を探っています。

サブスク開始/ドトール

株式会社ドトールコーヒーは、東武スカイツリーラインの北千住駅と信越谷駅の構内店舗で、サブスクサービスの導入を始めました。

交通系ICカードを店舗で登録すると、月額3,500円でMサイズのホットコーヒーを毎日飲めます。定期券や専用アプリを使用すると実質1,500円で飲めるサービスで、先着1,000名までとのことです。

毎日同じ駅を使用する一定の客層に対する需要が期待されています。今回の取り組み状況を検証したうえで、今後他のエキナカ施設にサブスクサービスを導入するかどうかについて検討していく予定です。

同サービスは1月14日から3月15日までの期間限定で実施されます。

病院に出店、蔦屋に併設/タリーズ

TSUTAYAや蔦屋書店を手掛けるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社と株式会社伊藤商会は、岐阜、中濃エリア最大規模の医療複合施設である「中部国際医療センター」に「TSUTAYA BOOKSTORE 中部国際医療センター」をオープンしました。

同センター内には、タリーズコーヒーが併設されており、施設利用者だけでなく地域住民など幅広い客層にも利用してもらう狙いです。

宅配サービス「DiDi Food」に加盟/サンマルクカフェ

株式会社サンマルクカフェは、デリバリーサービス「DiDi Food」に加盟し、コロナ禍でのテイクアウト事業の好調に加えて、デリバリー事業の強化に乗り出しました。

2月15日まで、1,200円以上の注文で配達料が無料になったり2,000円分のクーポンがもらえたりするキャンペーンを実施中です。

外食大手の月次データ

外食大手の12月のデータを紹介します。

ファミリーレストラン/大手5社とも増

ファミリーレストラン大手5社の公表資料によると、12月の既存店売上が軒並み増加しました。

12月のコロナ新規感染者数が比較的落ち着いていたことにくわえ、各社が積極的な集客キャンペーンを展開したことが功を奏したとみられます。

内訳は前年同月比で、すかいらーく14.4%増、サイゼリヤ15.8%増、セブン&アイ・フードシステムズ(デニーズ)3.1%増、ジョイフル17.9%増、ロイヤルホスト18.0%増となりました。

たとえば、すかいらーくではテレビCM2本やアルコール99円キャンペーン、メニューの改定、小皿プレゼントキャンペーンなどを実施し、客数も前年比14.0%増となりました。

牛丼

牛丼チェーン大手3社が発表した12月の既存店売上高は、前年同月比ですき家18.2%増、吉野家7.4%増、松屋フーズ3.5%減となりました。

ハンバーガー

ハンバーガーチェーン大手2社が発表した12月の既存店売上高は、前年同比でマクドナルド2.4%増、モスバーガーは1.5%減となりました。

マクドナルドは、ポテトを一時販売制限しましたが、その影響は一時的で、12月全体では既存店売上を増加させました。一方モスバーガーは、11月に続き2か月連続のマイナスで苦戦が続いています。

カレー・ラーメン・定食

ラーメン、カレー、定食の大手8社が発表した12月の既存店売上高は、7社が好調な伸びを見せました。

内訳をみると、前年同月比で丸亀製麺4.8%、王将フードサービス5.4%、リンガーハット9.0%、ハイデイ日高3.5%、いきなりステーキ4.4%、壱番屋3.3%、大戸屋19.2%それぞれ増加を記録し、幸楽苑2.7%減となりました。

王将フードサービスは、店内売上だけでなくテイクアウトやデリバリーの売上も高水準で、アルコールの売上が増加し、3か月連続で同月比過去最高の売上を記録しています。

1月に発表された飲食業界データ

1月に発表された飲食業界関連のデータを紹介します。

日本フードサービス協会/外食産業調査12月度

日本フードサービス協会の12月の外食産業市場動向調査によれば、前年と比べて109.5%となった一方でコロナ前の2019年比でみると92.0%と厳しい状況が続いています。

少人数の外食需要で一部戻りがみられたものの、夜間の外食需要は依然戻っていません。とくに飲食業態は一昨年比54.7%と、回復には程遠い水準です。

店舗数自体が約1割減少しており、業態の構造も変化しているためコロナ終息後も元に戻らない可能性が高いと見ています。

一方、ファーストフード業界全体の売上は前年比104.9%、2019年比101.3%とコロナ前よりも増加しました。テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが堅調で、ファーストフード業界全体の好調さがうかがえます。

内閣府/「景気ウォッチャー調査」12月分

内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、景気の現状判断を示す12月の指数は56.4と4か月連続で改善しています。飲食業界を見てみると、前月比で6.1ポイント減少しました。

紹介された街の声を見ると、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されていた9月ごろよりは緩やかに回復しており、例年のクリスマスや年末の繁忙期に比べると7割程度は回復したという声も見られました。

変異株の懸念により、引き続きテイクアウト需要が伸びているとのことです。

博報堂生活総研 [来月の消費予報・2月]

来月2月の消費意欲スコアは42.9点
▲来月(2月)の消費予想:博報堂生活総研

博報堂生活総合研究所が来月2月の消費意欲を調査したところ、スコアは42.9点と前月からマイナス8.5ポイントと大きく低下したものの、前年比でみるとプラス1.2ポイントとやや上昇しました。

2月は、年末年始の支出の反動により1年の中で消費意欲指数が最も落ち込む月であり、前月比で大きく低下したのは織り込み済みといえます。一方、過去5年間の2月の数字を見ると、最も高い指数となり、コロナ禍の影響は限定的であるとの見方です。

カテゴリー別消費意向を見ると、前年と比べて「外食」「旅行」「レジャー」などが増加しています。

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<参照>

すかいらーく:2022年1月度 すかいらーくグループIRレポート
ジョイフル:月次データ | IR情報
サイゼリヤ:サイゼリヤ月次報告(2022年8月期)
ロイヤルホールディングス:月次売上|財務・業績|IR情報
セブン&アイ・ホールディングス:月次営業情報 | 株主・投資家(IR)
東京都防災ホームページ:【1月21日から2月13日】新型コロナウィルス感染症まん延防止等重点措置に関する質問と回答
PRTIMES:飲食業界の新たな業界団体 『日本飲食団体連合会』設立と緊急記者会見のご案内
ENEOS:国内初!自動宅配ロボットによる複数店舗からのデリバリー実証実験を開始
びっくりドンキー:「びっくりフライドポテト」の一部店舗における販売休止について
マクドナルド:北米からのポテトの輸入遅延に伴う 一時的な「マックフライポテト®」Sサイズのみの販売について
フレッシュネスバーガー:“ポテト欲”を満たすフライドポテト増量キャンペーン
ロッテリア:「鬼は外、ポテトはうち!バケツトリオ」キャンペーン
モスバーガー:ニューノーマルの需要に合わせた新業態「キッチンカー」稼働
PRTIMES:【松屋】伝説の「豚めし」 復活発売
東武鉄道:北千住駅と新越谷駅にて コーヒーの「サブスクリプションサービス」を実施します!
ITmedia:TSUTAYA BOOKSTOREが医療施設内に初オープン 岐阜・中濃エリアに1月4日から
PRTIMES:「DiDi Food」に「サンマルクカフェ」「サンマルクカフェ +R」が加盟 配達料金無料、2,000円分クーポンプレゼントキャンペーンを実施
流通ニュース:ファミリーレストラン/12月既存店売上5社そろって増
流通ニュース:牛丼3社/12月既存店すき家18.2%増、松屋フーズ3.5%減
マクドナルド:2021年12月 月次IRニュース
モスバーガー:月次情報
流通ニュース:ラーメン・カレー・定食/12月既存店売上丸亀製麺4.8%増、幸楽苑2.7%減
一般社団法人日本フードサービス協会:2021(令和3)年12月度結果報告
内閣府:景気判断理由集(現状)
博報堂生活総研:博報堂生活総研[来月の消費予報・2月](消費意欲指数)

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