Stripeは、アメリカで開発され世界中で利用されているオンライン決済サービスです。
シンプルな構造でありながらカスタマイズ性も高く、ユーザーフレンドリーなサービスで多くのECサイトなどに導入されていますが、メリットもデメリットもあるサービスでもあります。
料金体系などの情報から注意点、類似サービスとも比較しながら、Stripe決済の強みについて解説します。
インターネットビジネスのためのオンライン支払い処理 - Stripe
Stripeとは?
Stripeは世界中で利用されている知名度の高い決済サービスですが、その特徴や、類似サービスとの相違を把握できている事業者は多くないでしょう。まず最初にStripeの特徴を紹介します。
主要オンラインサービスで採用されるオンライン決済サービス
Stripeは米Stripe社が提供するオンライン決済サービスで、ピーター・シールやイーロン・マスクからの投資を受けて開発されました。現在は年間取扱総額数兆円規模まで成長し、StripeがパキスタンのSafepayなど新興国のサービスに出資する側にもなっています。
TwitterやShopifyなどの企業で採用されており、米国では90%以上の成人が一度は使用しているサービスです。日本ではディー・エヌ・エーやクックパッド、freeeなどの企業や製品で採用されています。
導入のしやすさに加えカスタマイズ性も高いサービスであること、安価な料金とシステムのわかりやすさがStripeの特徴といえるでしょう。
<参照>
Hubspot:Stripe(ストライプ)|決済プラットフォームの使い方と導入手順
BRIDGE:新興国への攻勢強めるStripe、パキスタンのSafepayに出資 | BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報
ECサイトなどに導入しやすい
StripeはCEサイトや定期支払いといった幅広いビジネスモデルに対応しているため、さまざまな事業形態や規模に合わせた組み込みを実現します。
加えて銀行などの金融機関と連携しているため、複雑な手続きを省略できることも特徴のひとつでしょう。
多くの場合、決済サービス導入には審査を挟むこととなっています。しかし、Stripeは審査が無いため登記番号や銀行口座などの情報を登録するだけで、すぐにサービスの利用が開始できます。
他国の通貨も即対応のため、海外展開をみすえる事業も安心してサービスを利用できます。
豊富な機能
Stripeは事業に合わせた組み込みができるだけでなく、Stripe Elementsを利用した柔軟なカスタマイズができます。
カスタマイズによりできることは、支払用リンクの作成や請求書の発行、モバイルアプリ(iPhone、androidともに対応)での支払いやサードパーティーとの連携などです。
カスタマイズ機能以外にはデータを活用した売上管理機能もあります。こちらでは売上向上につながる不正使用の対策や支払成功率の分析などが可能です。
Stripe採用企業は売上が6.7%向上しているという調査結果も出ています。
Stripe導入のメリット
その利用しやすさやカスタマイズ性の高さからから数多くの実績を持つStripeですが、もし自社サービスにStripeの決済サービスを導入した場合、どのようなメリットがあるのか詳しく解説します。
メリット1. 基本利用料金は無料・決済手数料は3.6%〜
Stripeの決済サービスは初期導入費用、月額利用料ともに無料です。
事業者からStripeに支払う決済手数料は、3.6%です。VISAやAMEX、Alipayのような広く利用されているカードやウォレットがこの対象となります。また、通貨換算に対しては2%の手数料もかかります。
Stripeではこのほか、各国の決済サービスでの支払いも受け付けられます。これらには個別の手数料が設定されています。
また、取引額が大きい事業者向けにカスタムパッケージの用意もあります。
料金体系と手数料 | Stripe | 日本
Stripe: 現地の支払い方法の料金体系
メリット2. ユーザーの使い勝手
煩雑になりがちな決済完了までの手順を極力簡素化し、顧客のストレスを極限まで軽減している点もStripeの強みです。実際にどの決済方法でも画面の遷移は少なく、顧客のストレス軽減が見込めます。
公式サイトでは、Stripeを導入したGlossier社の事例が紹介されています。同社ではメイクアップ用品やボディケア用品を販売しており、Stripeを導入したことで決済のフローがスムーズになり、顧客は商品の選定など購買体験をより楽しめるようになったといいます。
E-コマースビジネスのための Stripe: E-コマースのための包括的な決済プラットフォーム
メリット3. グローバル展開しやすい
Stripeで扱える通貨は135種類と非常に豊富です。VISAやJCBなど世界中で利用されているクレジットカードはもちろん、欧州全域で利用されているSEPAデビットやオランダのiDEAL、中国のAlipayなどにも対応しています。
また、決済業界でもっとも厳しい基準とされるPCIサービスプロバイダレベル1の認証を受けているほか、欧米各国の基準を複数クリアしており、グローバル展開の際はセキュリティ面も安心です。
Stripeを導入する場合に注意したい点は?
Stripeの決済サービスにもデメリットがあります。
問題をクリアできるか検討しなければ導入後に苦労するような内容でもあるため、注意点はしっかりと把握しなくてはなりません。
デメリット1. 決済手数料の返金が無い
Stripeでの決済において、顧客への返金対応があった場合は全額返金および一部返金が可能です。
返金の際に返金手数料がかかる心配もありませんが、一度徴収された手数料が事業者に返金されることもありません。また、いったん申請された返金もキャンセルできないため、返金の頻度が高い事業の場合は注意が必要です。
なお、不正請求があった場合にかかる手数料1,500円に関しては、意義が認められた場合は手数料が返金されます。
デメリット2. APIドキュメントは英語のみ
Stripeは公式サイト内にAPIドキュメントを用意しているのですが、これはすべて英語で書かれています。担当のエンジニアが英語に慣れていない場合、開発に苦戦する可能性も否めません。
ただし、Stripeには日本法人があり、日本語でサポートを受けることができます。そのため、英語が堪能な開発者が不在の事業では、サポートを頼りにして開発を進めることもあるようです。
Stripeと類似したサービス・それぞれの特徴と比較
ここではStripeとPayPal、Squareを比較します。
PayPal
3億6,000万人以上のユーザーを抱えるPaypalは、世界中で利用されている決済サービスという点でStripeとよく似ています。
PayPalの場合は、日本国内での取引の場合、手数料3.6%と日本国内の固定手数料40円が発生します。海外からの入金に対しては手数料が4.1%になり、通貨別の固定手数料が加算されます。
これまでPayPalは取引額に応じて手数料を変動させるシステムをとっていましたが、2021年5月末にこの設定を変更し、国内取引の場合は固定手数料以外の手数料はStripeとほぼ変わらない状態になりました。
Stripeでは海外からの入金に対する手数料について明示されていないため、手数料を比較したい場合には問い合わせが必要となるでしょう。
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Square
SquareはStripeのようなオンライン決済サービスというより、決済に関する大きなソリューションのひとつにオンライン決済が含まれているというサービスです。
実店舗での決済も対応できるため、オムニチャネル化を検討している場合に向いているでしょう。
手数料は利用する決済方法ごとに若干の変動がありますが、頻繁に利用されるクレジットカードであればStripe同様3.6%です。
最大の相違点は入金のサイクルで、最短で翌営業日に振り込みを受け取ることができます。振込手数料もSquareが負担します。
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決済サービスStripeは顧客体験の質を高める
Stripeは外資系企業であり、世界中で幅広く利用されているサービスです。類似したサービスにPayPalやSquareがありますが、Stripeは導入の手軽さなどで他サービスとの差別化を図り、成長を続けています。
顧客にとっては、Stripeにより安心を確保されることや、決済手続きにストレスがないことは、サービスや商品を購入する体験の質を高めます。このような顧客体験は、企業やブランドと消費者の関係を良好にする効果も期待できます。
Stripeは顧客の決済フェーズにかかわるツールですが、今後のビジネスでは決済以外のステップ、たとえば予約や問い合わせ、購入後のレビュー投稿など全てにおいて、顧客に良い印象や快適さを提供できているのかを意識するべきでしょう。
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