ソーシャルコマースとは?日本の市場規模・SNSで売るメリットとデメリットを解説

口コミアカデミー 0円すべて無料 口コミサイトの運営やノウハウが学べる、店長限定の無料のオンラインスクール

ソーシャルコマースはSNSにECの機能を付与し、SNSを商品販売のプラットフォームとして活用する施策です。

日本ではInstagramやFacebookなどのSNSに商品販売の機能が搭載されており、サービスが既に提供されています。

ソーシャルコマースを利用することで、事業者はユーザーに対してこれまでのECサイトにはない利便性を提供でき、結果的にユーザーの購入意欲を下げることなく購買行動につなげられ売り上げの向上が見込めます。

本記事ではソーシャルコマースの詳しい解説とその魅力、メリットとデメリット、実際にソーシャルコマースとして利用されているプラットフォームについて紹介します。

関連記事
「SNS上のレビュー」が購買に影響と回答した人48.0%
ECショップを始める際に知っておきたいプラットフォームまとめ
飲食店がECサイトを始めるには?成功事例と特徴

ソーシャルコマースとは

ソーシャルコマースは、SNSとEコマース(EC)を掛け合わせて、商品の販促や販売をする手法です。

SNSはインターネットと携帯端末の普及で広く利用されるようになり、これまでも宣伝手段として使用されてきましたが、ソーシャルコマースではSNSを従来のような広告の手段ではなく商品を売る場として活用できるようになりました。

SNSでの商品販売

ソーシャルコマースとはInstagramやFacebookに代表されるSNSにECサイトの機能を組み込んで商品を販売する手法です。

インターネットとスマートフォンの普及に伴って若い世代を中心にSNSが急速に利用されており、ビジネスにおいてはSNSを集客ツールとして活用するのがトレンドになっていました。

現在ではそのトレンドが進化し、SNSとECサイトを融合させ、SNSを商品販売のプラットフォームとして利用する流れが生まれています。

SNSのECサイトの機能を組み込むことでSNS上の広告を見たユーザーがそのままSNSから商品を買えるようになり、スムーズな導線が確保できます。

拡大するソーシャルコマース市場 コロナが追い風に

市場調査会社「Research and Markets」は、2021年8月に「Social Commerce - Global Market Trajectory & Analytics」を発表しています。

これによると、世界のソーシャルコマース市場は2020年に推定5,597億ドル(約62兆4,821億円)に達するとしています。また2021年のアメリカのソーシャルコマース市場は512億ドル(約5.7兆円)と推測されています。

日本では2026年までの間に24.6%の成長が見込まれています。市場の拡大はコロナ禍の影響を強く受けており、外出が難しい時勢からウェブ上での買い物が増えている傾向と世界各国で国内外問わず旅行が難しい環境がソーシャルコマース市場拡大の追い風になっています。

また経済産業省の調査によれば、2020年の日本国内のEC市場はBtoC-EC(消費者向け電子商取引)で19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)、CtoC-ECで1兆9,586億円(前年比12.5%増)との推計が出されています。

同調査ではスマートフォンの普及とSNSの社会生活への定着についても報告されており、SNSを利用した購買行動への心理的ハードルが下がっていることも推察されます。

物販分野におけるスマートフォン経由のBtoC-EC市場規模は6兆2,269億円で、同分野のBtoC-EC市場全体である12兆2,333億円の50.9%にも相当しており、SNS内での購買行動がすでに多数を占めていることがわかります。

関連記事
ソーシャルコマースとは:強み、種類、代表的なプラットフォーム3選(訪日ラボ)

<参照>
令和2年度電子商取引に関する市場調査 別紙報告書
電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)
Social Commerce - Global Market Trajectory & Analytics

ソーシャルコマースの強み

ソーシャルコマースの魅力は主に企業が新しい販路を見出せることにあります。

ソーシャルコマースを活用することで、SNSをよく使用する若年層の市場を開拓しやすくなります。

これによってブランドの購買層の若返りを図ったり、若者との関係性を深化できたりします。

また、ECサイトを始めたいという事業者の場合、ソーシャルコマースを利用しすれば、小規模でEC事業をスタートできます。SNSでの売れ行きを見ながら、EC事業拡大する戦略が取れます。

既にECサイトを利用している事業者であっても、これまでのSNSマーケティングなどが効果を発揮していない、ECサイトに依存しないインターネット販売を進めたい場合などではソーシャルコマース進出が躍進のきっかけになる可能性があります。

ソーシャルコマースのメリットとデメリット

近年注目されているソーシャルコマースを導入することで、ECサイトに代わるウェブ上の新たな販売手段として活用できます。

本項ではソーシャルコマースを活用する上で理解しておくべきメリットとデメリットについて紹介します。

メリット1. ユーザーの購買意欲を削がない簡単な手続き

ソーシャルコマースのメリットはSNSアカウントのみで商品が買えることです。ユーザーはECサイトごとの面倒な会員登録の手続きなどを踏まなくてよく、利便性が向上します。

この利便性の向上は買いたい商品がある時に会員登録で購買意欲を失ってしまう事態を避けることになり、購買意欲をそのまま購買行動につなげられます。

また、ユーザーはSNSで見かけた欲しい商品をそのまま購入できるため、ECサイトの複雑な購入手続きを通さずに購入できます。

購入手続きの煩雑さからECサイトの買い物かごに入った商品が買われない「カゴ落ち」を防げます。

関連記事
カゴ落ちの原因と改善策6選!アクセス分析やサイトの利便性向上でさらに購買を促進

メリット2. ショップの開設・運営が簡単

ECサイトを一から立ち上げるためには、サーバーを契約したりウェブサイトをデザインしたりといった準備が必要になります。こうしたウェブサイトの立ち上げは慣れない人にとっては労力がかかり、また金銭的コストもかかります。

ソーシャルコマースの場合は使い慣れたSNSの機能からショップを開設し始めることができるだけでなく、多くの場合無料で使えます。

また販促についても、ウェブサイトの場合は検索エンジンを意識した対策が必要になってきますが、ソーシャルコマースの場合はショップを展開するSNSでの広告配信など、ターゲットを絞った施策になります。こうした点でも運営の負担が軽減できます。

関連記事
Instagram広告の出し方を画像付きで解説

メリット3. 顧客の囲い込みができる

SNSではユーザーはアカウントをフォローできます。

商品を販売するSNSアカウントをフォローしてもらえれば、顧客に継続的に情報を配信できます。

既存顧客に繰り返し購入してもらえる可能性も高まるでしょう。

商品の仕様や価格といった情報だけでなく、ブランドの世界観や、商品の活用方法を発信すれば、ブランドへの愛着を強めたり、関心が高まったりという効果も期待できます。

関連記事
"ストーリー"が消費行動を引き起こす ブランドよりも「共感」に価値が生まれる理由

デメリット/SNSのコンテンツ更新にかかるコスト

ソーシャルコマースのデメリットとしては、SNSのコンテンツ更新にかかる負担の大きさがあります。

SNSで商品を買ってもらうためには、定期的に商品の情報などを投稿してユーザーの興味や関心を引き付けなければなりません。

質の高い写真や動画、センスのある説明文などが求められるため、撮影や画像動画編集などで投稿までに手間がかかります。

これらの作業を通常業務とは別に行う必要があるため、技術的なハードルを超えられるか、時間や人手の確保ができるかなどを検討した上で取り組むことが必要です。

ソーシャルコマースのプラットフォーム

ソーシャルコマースとして多くのSNSがEC機能を搭載しはじめ、サービスを提供しています。

本項ではソーシャルコマースとして運用できるプラットフォームの中から代表的なものを3つ紹介します。

1. Facebook

Facebookは2020年5月から「Facebookショップ」の機能をユーザーに提供しました。

日本向けには同年6月からサービスが提供されており、コマースマネージャーという管理ツールから無料でオンラインストアを開設し、ユーザーに商品を販売できるようになりました。

FacebookショップではFacebookのストーリーズやユーザーごとに合わせて表示される広告から商品の購入が可能となっています。

2. Instagram

InstagramはFacebookが運営する写真の投稿をメインとしたSNSで、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が本格化した2020年5月ごろにソーシャルコマース機能が追加されました。

Instagramでのソーシャルコマース機能は「Instagramショップ」と呼ばれ、基本的な機能はFacebookと大差はありません。

Instagramショップでも事業者はストーリーズなどに商品の広告などを掲載でき、ユーザーはビジネスプロフィールや広告からECショップを訪問し、そのまま商品の購入が可能です。

関連記事
Instagramのショッピング機能とは?審査までの手順/ユニクロ・マツキヨ・伊勢丹新宿店の3事例を解説!

3. RED(小紅書)

REDは中国最大規模のソーシャルコマースプラットフォームです。

REDのメインユーザーは中国の都市部に住む女性で、Statista社によれば2019年時点でユーザー数は約3億人されています。

InstagramとAmazonを掛け合わせたようなSNSで、コスメやファッション、旅行などの投稿が多いのが特徴です。

KOLと呼ばれる中国のインフルエンサーの起用で、より効果的な集客が見込めます。

中国市場のユーザーにも商品を買ってもらいたい場合は利用を検討すべきプラットフォームと言えるでしょう。

関連記事
小紅書(RED)とは | 中国発ソーシャルECアプリ・PRのカギはKOL/インバウンドに有効な活用方法を紹介 | 訪日ラボ

拡大するソーシャルコマース市場

ソーシャルコマース市場は日本のみならず全世界規模で拡大傾向にあり、新しい販売プラットフォームとして期待されています。近年ではInstagramなどのSNSのほかに、中国ではソーシャルコマース専用のアプリが登場するなど盛り上がりが見られます。

SNSにEC機能を追加することで、ユーザーは商品を再度検索するといったステップが不要になります。購買意欲の高い状態でスムーズに購入手続きに移ることができるため、販売機会の損失も防ぐことができるでしょう。

このようにソーシャルコマースにはメリットも多くあります。ただし、一般のECショップ運営と異なり、各SNSのコンテンツ形式やユーザー層の特徴を把握してコンテンツを更新していくことが重要となります。

【桜開花直前レポート】インバウンドに人気のお花見スポット予想 / 日本の桜が好きな国はどこ?


今回は「全国の桜の観光名所36スポット」に寄せられた2万件の口コミを調査、比較検証をしました。

業界動向の把握や自店舗の口コミ対策に、ぜひ本レポートをご活用ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

 【桜開花直前レポート】インバウンドに人気のお花見スポット予想 / 日本の桜が好きな国はどこ?

口コミアカデミー 0円すべて無料 口コミサイトの運営やノウハウが学べる、店長限定の無料のオンラインスクール

関連するオススメ記事

この記事の筆者

口コミラボ編集部

口コミラボ編集部

口コミラボ編集部ではMEO対策、ローカルSEO対策、販売促進店舗の口コミデータをもとにしたコンテンツなどを配信しています。