OEMとは | ODMやPBとの違い・種類・委託と受託・メリットとデメリット・先行3事例

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小売業者にとって、在庫を必要以上に抱えることは経営上のリスクにつながります。そこで、無駄のない効率的な生産を実現するための仕組みを考えなければなりません。

また、製造業者にとって、新型コロナウイルスの影響で自社商品の売上だけに頼るのでなく、余った生産能力を売り上げに貢献するために何らかの形で稼働させることが重要です。

この記事で取り上げるOEM生産は、上記のような悩みや課題を解決する手段となる生産方式です。委託者側と受託者側双方の視点に立ち、メリットとデメリットについて解説していきます。

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OEMとは

OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」の頭文字です。日本語では「相手先のブランドを製造する」という意味になります。

OEMは、製造メーカーが依頼元である他社のブランドや製品を代わりに製造し、依頼元に出来上がった製品を納品する仕組みです。

製造を代行する業者のことをOEMメーカーと呼び、受託側の企業という位置付けになります。完成した製品は、依頼元である委託会社が、自社のブランド名や型番を記載して販売していきます。

OEMとODMの違い

OEMと混同しやすい用語として「Original Design Manufacturing」の頭文字を取ってODMというものがあります。

ODM製品の企画や製品開発、そしてデザインまでを担当する生産方式を指します。

OEMは、企画などには関与せず、仕様書にしたがって製品を製造する生産方式です。

OEMと比較すると、ODMの形態は上流の工程から製造のような下流工程まで仕事として関われることが特徴となります。

OEMとPBの違い

ODMに加えてOEMと混同されやすいものとして、プライベートブランドと呼ばれるPBが挙げられます。

PBとは、小売店サービス業者が商品をPBとして企画し、その製造を自社で行うのではなく、OEMメーカーに委託する生産方式を指します。

PBの場合、委託者側に「ブランド力」や「マーケティング力」があることが成功の重要な条件です。

一般的に製造工程をOEMメーカーに委託し、強みであるブランディングマーケティング業務に専念し、製造にかかる費用や時間的コストを減らすことがPBの狙いになります。

OEMの種類

OEMの生産方式は、2種類存在します。

1つ目は、ブランド名が製造側にある生産方法です。具体的にはOEMメーカー、つまり製造側がブランド側の企業に対して自ら製品開発した商品を提案し、ブランド側の企業で販売してもらう方法です。

提案された製品がブランド側が求める品質やスペックであれば、ブランド企業側はOEMメーカーが製造した商品を取り扱い、販売することになります。

2つ目は、ブランド側がOEMメーカー側に製造を依頼する生産方法です。この方法では、すでにブランド側で商品の仕様書が完成しており、製造工程からOEMメーカーに依頼する分業体の形になります。そのため、出来上がった商品の管理権や所有権は発注元であるブランド企業側になることになります。

OEM生産のメリット・デメリット

OEM生産によって生じるメリットとデメリットは、依頼者側と受託者側でそれぞれ異なってきます。

ここからは、依頼者側と受託者側の双方の視点に立ち、享受できる恩恵や、想定されるデメリットについて解説していきます。

委託者のメリット

委託者側のメリットは、商品のフェーズによって異なってきます。

たとえば、市場導入期であれば、工場の設備投資や開発工程における管理コストをなど抑えることができます。

市場成長期であれば、製品の需要に対して柔軟に生産量をコントロールできるため、在庫を抱えるリスクを小さくすることができます。需要が大きくなった場合も、追加でOEMメーカーに委託することで、生産能力不足にならないように調整ができます。

成熟期や衰退期であれば、既存の製品生産を続けながらも新製品の開発に注力することができます。

委託者のデメリット

一方でデメリットとして、まず自社の製品開発力が身に付かず、受託企業に頼ってしまう構造が続くことがあります。

受託企業が商品の企画や開発力を身に付けていった場合、競合関係に発展することもあります。

また、たくさん生産することにより一つ当たりの生産コストを下げられる、規模の経済によるスケールメリットを享受できないというデメリットも存在します。

受託者のメリット

受託者側についても、同様に各フェーズごとにメリットが存在します。

まず、市場導入期であれば、生産力を武器に案件を受注し、技術力を身に付けていくことができます。

成長期になれば、規模の経済を活かすことで、受託側のOEMメーカーはスケールメリットによる恩恵を受けることができます。

成熟期では、生産販売量が落ち着いても継続して生産活動をすることができるため、売上を確保することができます。

受託者のデメリット

一方で想定されるデメリットは、委託者側のブランド販売の売上に左右されてしまうことです。

相手企業の製品を製造するため、自社のブランドが市場に浸透させる機会を失ってしまう可能性もあります。

他には、自社の技術力やノウハウが流出し、独自資源や強みが弱くなってしまう可能性もあります。価格支配権が依頼者側の方が強い場合には、たびたび低価格要請を受けなれければならない状況も考えられます。

OEM生産の事例

OEM生産は、一般消費者が普段の生活で身近にしている製品がつくられる際に採用されていることがあります。ここでは、3つほど具体的にOEM生産が採用されている事例を紹介していきます。

1. スマートフォン・タブレット端末の生産

普段の生活に欠かすことができないスマートフォンやタブレット端末の生産に、OEM生産が採用されるケースは珍しくありません。

日本のスマートフォン利用者全体に占める割合が高い製品を投入しているApple社は、端末の生産をOEMメーカーに委託しています。

台湾に本社があるフォックスコン社は世界最大のOEM受託メーカーで、様々な企業の製造を受託しています。

2. コンビニの食品

近年はコンビニエンスストア各社で、プライベートブランドの商品を生産する傾向が強まっています。

商品のパッケージを見れば、どこのブランドなのか一目瞭然ですが、製造元を確認すると販売メーカーと異なることがわかります。

3. 化粧品

化粧品のOEM業界では、小規模の生産を受託するOEMメーカーから大規模な製造を受託するOEMメーカーまで幅広い生産業者が存在します。

生産に必要な設備や技術を売りにするだけでなく、企画力や市場調査などマーケティングに強いOEMメーカーもあります。

メリット・デメリットを踏まえOEMの採用を検討

OEM生産で生産された商品は、消費者の生活の身近な所に存在し、実はOEM製品で溢れていることに気がつくかもしれません。

OEM生産には小売業者と製造業者という異なる立場のプレイヤーが存在します。それぞれの立場で把握しておくべきメリットやデメリットが異なるだけでなく、ブランドや商品の市場展開のフェーズも、OEM生産を導入するかどうかの判断を左右します。

市場のサイクルが短命化している現代において、OEM生産は新たな戦略を考える上で無視できない戦略の一つです。

自社製品の市場開拓のフェーズも踏まえ、OEMはじめさまざまな施策をタイミングよく効率的に選択できる組織であることが、今後の市場を生き残っていくための条件となるのかもしれません。

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