JPQRとは、総務省が経済産業省と連携して普及事業を推進しているキャッシュレス決済であり、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が策定した統一QRコード・バーコードの規格です。
JPQRは加盟している決済事業者間で統一された規格となるため、PayPayやLINE Pay、楽天ペイなど、決済サービスごとに異なるQRコードを利用する必要がなくなるなどさまざまなメリットがあります。
この記事では、JPQRとはなんなのかやメリット、デメリット、JPQRを導入するための申込みの流れを紹介します。
※2021年5月27日追記:PayPayはこれまで決済システム利用料について、無料で店舗にサービスを提供していましたが、2021年10月1日より有料になります。利用料率は8月31日に発表される予定です。
JPQR(ジェーピーキューアール)とは?
JPQRとは、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が策定したQRコードの規格で、総務省が経済産業省と連携して普及事業を行っています。
複数存在する決済QRコードのフォーマットを1つに統一するため、1つのQRコードで複数社の決済に対応できるメリットがあります。
キャッシュレス決済の普及とともに利用機会の増えるQRコード決済ですが、各社がそれぞれ仕様の異なる独自のコードを使用しているため、コード決済を導入する店舗と利用する消費者の双方にとって負担となっているのが現状です。
キャッシュレス推進協議会では、さらなるコード決済を普及を目指すうえで規格の統一は必要不可欠であると考え、JPQRを浸透させるための活動に力を入れています。
JPQR導入の3つのメリット
JPQRを導入するメリットについて、3つご紹介します。
メリット1. 複数の決済サービスに対応
JPQRでは、一度の申込みで複数の決済事業者のサービス契約が可能です。
これまでは各決済事業者ごとに手続きを進める必要がありましたが、JPQRの企画では導入の手間を大きく軽減できるでしょう。
メリット2. 読み取り端末が不要
店頭に読み取り端末を設置する必要がない点もJPQRのメリットです。店頭にQRコードを設置しておき、消費者がそのコードを読み取ることで決済を完了します。
これまで決済事業者ごとにバラバラだったQRコードも統一されるので、この点も大きなメリットです。
メリット3. マイナポイントの付与
JPQRは「マイナポイント」を活用した決済に対応可能になる予定です。
マイナポイントはマイナンバーカード・マイキーIDを取得した人を対象に、キャッシュレス決済利用時の残高チャージや商品購入に対して25%のポイントを付与します。
お得に買い物ができるため、対応店舗では集客力アップが見込まれます。
JPQR導入のデメリット
決済サービスの中には、直接契約した場合とJPQRを利用した場合で店舗が負担する決済手数料が異なる場合があります。
たとえばPayPayは、店舗にQRコードを設置するMPM方式で契約している加盟店の手数料を無料にするキャンペーンを実施していますが、JPQRでPayPayを利用する場合には1.99%の手数料が課せられます。
そのため、店舗ではQRコードをまとめて決済手数料を支払うか、複数のQRコードを設置して決済手数料の負担を抑えるかを選択する必要があります。
煩雑さを解消できるメリットがある一方で、手数料負担に差がある点はデメリットといえるでしょう。
JPQRに参加している決済事業サービス一覧
2020年8月31日時点での参加予定決済サービス一覧は下記の通りです。
【JPQR(店舗提示型)対応済み決済サービス一覧】
- atone
- au PAY
- OKI Pay
- UnionPay(銀聯)
- Commoney
- J-Coin Pay
- d払い
- はまPay
- ほくほくPay
- MoneyTap
- メルペイ
- ゆうちょPay
- YOKA!Pay
- LINE Pay
【JPQR対応予定決済サービス一覧】
- WeChat Pay
- FamiPay
- PayPay
- 楽天ペイ
サービスごとにWeb受付システムの参加時期や対応開始時期、加盟店手数料率、マイナポイントの対応可否が異なるため、注意が必要です。
JPQR導入の手順
JPQRを導入するにはWeb受付を済ませる必要があります。
- 受付システム(PLUG)へアクセスし、新規ユーザー登録へ
- メールアドレスを入力すると仮登録
- その後は24時間以内に本登録の手続き
本登録には、氏名、生年月日、パスワードの入力が必要です。
続いて、本登録を済ませるとログイン画面から新規申込みへ進めるようになります。
ここからは約30分ほどで手続きが完了します。なお、申込みの際には、下記書類が必要となります。
- 認許可写し(認許可写しがある事業主のみ)
- 本人確認書類(個人事業主のみ)
- 登記簿謄本(法人のみ)
- 事業内容がわかる資料(事業内容がわかるURLがない場合のみ)
- 店舗内観および外観の写真
その後は、申込に関する同意・確認事項、契約条件の確認、特定商取引法・前払式取引についての確認を済ませると、申込みサービスの選択へと進みます。
JPQRに対応している決済サービスの一覧が表示されるため、それぞれのサービスについて導入希望の有無を選択し、契約先と振込先口座を入力します。
申込み完了後の流れ
申込みが完了すると、その内容をもとに審査が行われ、無事に審査を通過するとスタートキットが送付されます。
スタートキットには、下記の内容が同梱されており、送付物についての案内も付属しています。
- 一体型帳票
- 台紙ステッカーシート
- POP台紙
- 各サービスのスターターキット
- JPQR売上管理画面利用マニュアル
- JPQR×マイナポイントステッカー
スタートキットが到着した後は、POPを組み立てて初期設定を済ませればJPQRを利用した決済を受け付けられます。
また導入に際して登録したWeb受付システムでは決済手数料や入金サイクルの確認、問い合わせ窓口サービスが利用できるため、併せて活用すると良いでしょう。
なお、初期設定やその他の手続きについてサポートを希望する場合には、オンライン説明会が実施されているため、こちらを利用して操作方法のレクチャーを受けることもできます。
申込期限はある?かかる費用は?
総務省が主導するJPQR普及事業は2021年3月末で終了予定ですが、JPQRのWeb受付や申込みは事業期間の終了後も可能です。
またJPQRの導入にあたり年会費や初期費用はかかりませんが、決済手数料と入金手数料の負担があります。
既にJPQR参加予定事業者の運営する決済サービスの加盟店となっていてJPQRにまとめる際には、決済手数料が変動することもあるため注意が必要です。
各種手数料やその他詳細条件はJPQRのWeb受付画面で確認できます。
なおAirPAYをはじめとする決済代行事業者を経由して契約している場合は、JPQRにまとめる場合と異なり、新規申込みからとなります。
JPQR導入はメリットデメリットを見極めて
政府のキャッシュレス化推進に加えて、マイナンバーと紐づけてキャッシュレス決済の残高チャージや商品購入に対して、ポイントを還元するマイナポイント事業も開始され、今後はさらにキャッシュレス決済が普及していくでしょう。
1つのQRコードでさまざまなQRコード決済サービスに対応できるJPQRは、店舗や消費者の負担を軽減するだけでなく、キャッシュレス決済の利便性をより高められます。キャッシュレス決済への対応は店舗の集客力向上にも役立つでしょう。
一方で決済手数料などのデメリットもあるため、導入にあたってはどのサービスに申し込むかをよく検討する必要があります。
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