2022年1月から、「改正電子帳簿保存法」が施行されます。デジタル経理への関心が高まる現在、本法律の施行がきっかけとなり、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)はさらに進展するでしょう。
一方、18歳以上の就業者のうち「電子帳簿保存法を知っている」のは43.1%と、未だその知名度は低い数値にとどまっているようです(freee「電子帳簿保存法改正とペーパーレスに関する調査」)。
本記事では、改正電子帳簿保存法の内容と、施行に備えて店舗が準備しておくべきことについて解説します。契約書や請求書を扱ったり、確定申告を行ったりする機会のある事業者は必読の内容です!
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「改正電子帳簿保存法」とは?
今回の改正は、経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等に資するために行われます。
そもそも「電子帳簿保存法」とは?
2022年1月に改正が決定した電子帳簿保存法ですが、そもそもどのようなものなのでしょうか。
これは、各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について、一定の要件を満たした上で電子データによる保存を可能とすること、及び授受した取引情報の保存義務等を定めた法律です。
今回の改正では、その要件が一部緩和されるなどの変更があります。
以下、改正におけるポイントをご紹介します。
1. 事前承認制度の廃止
1つ目は、電子帳票保存制度の導入に係る事前承認制度の廃止です。
電子帳簿保存制度を導入する際、現在では原則として3ヶ月前までに税務署長などへ申請し、承認を受ける必要がありました。
申請には多くの準備が必要で、事業者にとって大きな負担となる制度でしたが、今回の改正では、この事前承認制度が廃止されるようです。
事業者は、システム(電子帳簿保存法で求められる機能を備えているスキャナーや会計ソフトなど)を整備すれば、電子帳簿保存を導入することができます。
2. タイムスタンプ要件の緩和
2つ目の改正内容は、タイムスタンプ(書類が作成された日付を確認するための時刻証明)の付与に係る要件の緩和です。
これまでは、領収書など国税関係書類をスキャナーで読み取り、受領者が自署した上で3営業日以内のタイムスタンプを付与する必要がありました。
今回の改正では、スキャナーで読み取った際の署名が不要となり、さらにタイムスタンプ付与の期間が3営業日から最長2カ月へ延長されることになります。
3. 適正事務処理要件の廃止
スキャナー保存をする際、紙書類の改ざん防止の観点から、満たさなければならない3つの適正事務処理要件がありました(相互牽制、定期的なチェック、再発防止策)。
今回の改正では、これらの要件が廃止されます。
これによって、定期検査まで紙の原本を保存する必要がなくなるというメリットがあります。
4. 不正に対する罰則強化
上記3つの変更点では、事業者の負担軽減のための、従来の要件の緩和や廃止が中心となっていました。
それに伴い、不正に対する罰則が強化されることとなります。
不正に関わるものがあった場合、重加算税の額は通常課される額に10%加算されます。
店舗が今できる準備とは?
改正電子帳簿保存法に備え、店舗が今できる準備を解説します。
1. スキャンツールの整備
これまで紙で行っていた取り引きを電子化するためには、書類を電子データ化するためのスキャンツールが必要となります。なお、本法律においては、スマートフォンやデジタルカメラで撮影したデータも認められています。
2. 電子取り引きデータの保存・バックアップ
様々な要件が緩和された分、取り引きに係るデータの取り扱いには事業者に責任が問われます。電子取り引きデータの保存・バックアップを必ず行うことはもちろん、データがすぐに確認できるようファイル名やフォルダ名を工夫したり、不正防止に向けた対策を社内で強化したりするべきでしょう。
改正に備え、早めの準備を
改正電子帳簿保存法では、電子帳簿保存をさらに推進するため、様々な要件や制度が緩和・廃止となっています。
2022年の改正に備え、電子帳簿保存を導入しようと考えている店舗は、システムの整備など準備を行っておくと良いでしょう。
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<参照>
国税庁:電子帳簿保存法が改正されました