ブックオフグループホールディングスは、2021年7月、2021年5月期決算説明資料を公開しました。
この資料では、BOOKOFFでのアプリ戦略の構想やマーケティング戦略についても説明されています。
「ひとつのBOOKOFF」構想にもつながる、300万ユーザーを有するBOOKOFFアプリ
BOOKOFFでは「ひとつのBOOKOFF」構想をかかげており、「オンラインと店舗」「買取と販売」などのブックオフグループのあらゆるサービスをつなげるため取り組んでいます。
オンラインとオフライン(店舗)の会員サービスをつなぐツールとして、スマートフォン向けアプリを提供しています。
2021年5月末のBOOKOFFアプリのユーザー数は300万人です。2018年に6月にリリースされて以降、ユーザー数は増加し続けており、2019年9月に100万人、2020年9月に200万人をそれぞれ突破しました。
BOOKOFFの公式スマホアプリで提供されている主な機能は4つです。
- 商品検索
- アプリで購入
- 店舗受け取り
- クーポン
商品の検索とオンラインでの購入ができるだけでなく、アプリでの購入品を店頭で受け取るサービスをアプリ内で手配できます。顧客のニーズに合わせて、オンラインとオフラインをスムーズに連携できるようになっています。
顧客にはそれぞれ、自宅での受け取りに不都合があったり、店頭に足を運んで商品をチェックすることが難しかったりといった個別の事情があり、BOOKOFFサービスの利用に積極的になれない状況が起こりえます。顧客一人ひとりの状況に合わせて、サービスの提供方法を複数用意していることは、購入機会の損失を防ぐことにもなるでしょう。
上記以外に、アプリではポイントカード機能や、近隣の店舗検索機能も提供しています。
また店頭ではキャッシュレス買取も提供しています。このサービスでは査定結果をスマホで受け取り、買取代金はLINE Payなどキャッシュレス決済で受け取ることができます。
BOOKOFFの「アプリ戦略」とは?
同社は今回の決算説明資料において、「BOOKOFFを利用する顧客の15%を占めるアプリ会員で売上の3分の1を占める状態を目指す」アプリ戦略を掲げています。
またアプリと収益の関係については、アプリ会員の拡大によりLTV(ライフタイムバリュー/一人の顧客が一生涯で企業にもたらす利益)を拡大し、安定した収益を目指していることを「経常利益水準の推移の想定」の項目でも示しています。
ライフタイムバリューは、顧客からのブランドに対する愛着(ロイヤルティ)が強まることで向上します。BOOKOFFの場合、アプリの展開により顧客一人ひとりのニーズに合わせたサービスの提供を可能にしています。結果としてBOOKOFFを利用する際の満足度が高まり、顧客のロイヤルティにもポジティブな影響を与えるといえるでしょう。
アプリ会員の人数については、2023年5月末に現在の倍の600万人に到達させ、売上高比率を33%にまで拡大することを目標としています。
マーケティング戦略のメインターゲットは休眠顧客層
BOOKOFFでは顧客をユーザー層、休眠層、未利用層に分類し、マーケティング戦略では「休眠層」をメインターゲットにすることを明らかにしています。
顧客へのメッセージ発信には、セール型・ダイレクト広告といった購買などの行動を目的とした手法から転向し、定常的な集客を目的とした価値訴求型・ブランド広告を展開することを示しました。
休眠顧客へのアプローチはTVCMにとどまらず、WEB、SNS、店頭などで行い、来店行動を喚起します。2021年5月には「あるじゃん!」の新プロモーションを開始しており、思いがけない、しかし価値ある気づきや商品との出会いがBOOKOFFで実現することを訴えています。
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<参照>
トップメッセージ|ブックオフグループホールディングス
ブックオフグループホールディングス株式会社(東証1部:9278)2021年5月期決算説明資料2021年7月14日
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