無人販売とは?メリット・デメリット、最新の導入事例、非接触で接客コストの低い食品販売方法を紹介

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郊外の農園などで卵や野菜の販売方式として馴染みのある無人販売が、いま首都圏や都市でも注目を集めています。

新型コロナウイルスの感染拡大により非接触のサービスが需要を増したことにより、やきとりやギョーザといった調理食品も無人販売で提供され始めました。

本記事では、無人販売のメリット・デメリットや、無人販売に必要な設備、無人販売の事例や、無人店舗以外の非接触型サービスを紹介します。

無人販売のメリット・デメリット

まずは無人販売について、販売者にとってのメリットとデメリットを整理します。

automation-2-1">メリット1. ランニングコストを抑えられる

無人販売を導入するメリットに、ランニングコストを抑えられるという点が挙げられます。

無人販売ではレジ係などの人件費がかからないため、設備費や品出しスタッフのみで店舗運営が可能です。

また、販売する商品数を絞ればさらに管理が簡易化されるため、複数の店舗を出した際もオペレーションを管理しやすいという利点があります。

メリット2. 非接触での販売が可能

無人販売のもう一つのメリットに、非接触での販売が可能という点が挙げられます。

無人販売では顧客がその場で料金を支払い、購入したい商品を自分で取り出す仕組みのため、従来の対面接客に比べると大幅に接触のリスクを下げられます。

また、無人販売の場合は会計時のやりとりがないため、1人あたりの会計がスムーズに進み、店内に人が滞留しにくいという点も利点です。

デメリットは盗難やセキュリティの対策

一方、無人販売のデメリットには、盗難やセキュリティ上のリスクが懸念されるという点があります。

無人販売は基本的に人がいない状態の店舗に金銭や商品を置くため、盗難の対象にされる可能性が高いと考えられます。

こうしたリスクには、監視カメラや自動販売機のような機械を導入するなど、技術を用いた対策を検討することも重要です。

automation-2">無人販売に必要な設備は?

無人販売の必要な設備は、大きく分けて「自動販売機(または商品陳列棚と集金箱)」「宣伝用ののぼり」の二つが挙げられます。

無人販売のメインとなる商品の陳列と支払い用の設備としては、自動販売機を導入します。商品陳列棚や集金箱で代用することもでき、これらは木製のものをDIYで作成する販売者もいます。

また、無人販売所は販売員が駐在しておらず目立ちづらいため、無人販売の存在を周知するための宣伝用のぼりも欠かせません。

automation-2">野菜・ギョーザ・焼き鳥も…無人販売の事例

非接触型のサービス展開できることや、ランニングコストを抑えた経営が可能であることから、無人販売を活用しようという動きが見られています。

この項目では、無人販売の事例を紹介します。

無人販売の事例1. 餃子の雪松

餃子の雪松」は、関東と中部を中心に140店舗以上の店舗展開している餃子店です。2018年に第一号店を開業して以来店舗は繁盛しており、現在に至るまで店舗の拡大を続けてきました。

餃子の幸松は2019年7月より、東京都練馬区にある大泉学園店ではじめて無人販売を導入しています。

導入にあたり、自動販売機やセルフレジといった形態のサービスも検討したものの、顧客によっては使いづらいという感覚があるのではないかという点から、多くの人が触れたことのある無人販売形式で店舗運営を開始しました。

無人販売の事例2. やきとり翔輝

やきとりを主に提供する飲食店「やきとり翔輝(しょうき)」は、宮城県石巻市内でやきとりの無人販売や移動販売といった取り組みを行っています。

無人販売では、やきとり販売用の専用保湿箱に4本入りの焼き鳥パックが備えられており、価格は1パックあたり500円です。

自動販売機を使用したタイプではなく、硬貨を入れた後、顧客が自分で箱の扉を開け、焼き鳥が包まれたパックを取り出す仕組みで運用されています。

無人販売の事例3. F STAND 果実無人販売所

やきとりや餃子といった調理済み食品のほかに、果物を都内で販売しようという動きも見られます。

「F STAND 果実無人販売所」は、収穫後48時間以内の果実を都内で販売することをコンセプトにした無人販売です。

定められた場所で販売を行うのではなく、板橋区、台東区、渋谷区など場所を都度変更して販売を行う仕組みで運営を行っています。なお、2020年時点に関係者が記したブログによると、盗難は0件だと発表されています。

無人販売の事例4. 東京都内シェアオフィスなどで実証実験スタート(ドコモスマートスタンド)

株式会社NTTドコモは「ドコモスマートスタンド」と呼ばれる、食料品や日用品の無人販売を実現する仕組みを開発しました。

スマートスタンドとは、スマートフォンと連携して動作する無人販売で、顧客は専用のアプリを通じて商品を購入した後、QRコードを用いてスマートスタンドのロックを解錠できる仕組みです。

スマートスタンドではお弁当、デザート、ドリンク、お菓子といった食品や日用品を取り扱うことができ、都内のシェアオフィスやマンションでの運用を目指して実証実験が行われています。

非接触で接客コストの低い食品販売方法

この項目では、無人販売の他に運用費を抑え、非接触を実現できる販売の形態を紹介します。

モバイルオーダー(セルフオーダー)

モバイルオーダーは、スマートフォンやタブレットから店の商品の注文・決済を行えるサービスのことです。

モバイルオーダーを導入することで、テイクアウトデリバリー用の注文を聞く業務を短縮することができ、現場の業務改善につながるとされています。

また、飲食店でも店員を介さずにオーダーできる仕組みを導入することで人件費を削減しようという狙いから、モバイルオーダー飲食店でも導入しようという動きも見られます。

モバイルオーダーシステムの一部はセルフオーダーと呼ばれるジャンルに含まれます。

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セルフレジ

セルフレジは、顧客が自分で商品の決済を行えるサービスです。

セルフレジを導入すると、レジの商品登録や決済方法の選択といった購入に必要な動作を全て顧客自身で完結できるため、非接触でサービスを行える点に加えて業務改善という面でも期待されています。

スーパーなどでは特に導入が進んでおり、複数台を導入することでレジの混雑緩和にも役立てられています。

デリバリーサービス

デリバリー専用の事業者に飲食店の情報を登録すると、注文受付や配達員の手配を一括して行うことができます。デリバリープラットフォームを利用すれば店舗側で配達用のスタッフを手配する必要がなくなる場合もあります。このような場合、店舗の人材管理が比較的容易になる効果もあります。

デリバリーする料理を作ることを目的とした「ゴーストレストラン」と呼ばれる飲食店も存在します。またデリバリーサービスの中にはコンビニエンスストアの商品など、日用品を取り扱うサービスの提供を開始しているものもあります。

デリバリーは消費者の購買行動のなかでより日常的になっていくと考えられるでしょう。

運用費と接触を抑えた業態「無人販売」に注目

古くから採用されてきた無人販売という形態ですが、感染症の拡大や販売人員の確保の問題を解決するとして注目が集まっています。無人販売による成功事例は複数あり、新たな販路として活用する事例も増えていくと考えられます。

導入に際しては、自前での販売所設営から機材を投入した販売管理まで、設備投資の調整をしやすいのも無人販売の特徴の一つです。商品を購入する客層のニーズに即した計画と展開が成功につながるでしょう。

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