PDCAとは、計画、実行、評価、改善のプロセスを繰り返すことで、業務改善を効率的に行うためのフレームワークです。また、PDCAを回すことをPDCAサイクルと呼びます。
PDCAを効率的に回すことで、社員や会社全体の業務改善につながるので会社の成長に繋がります。
本記事では、PDCAの基本から、PDCAサイクルの業務への活用方法を紹介します。
PDCAとは
PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったものです。PDCAは、P→D→C→Aの順番で繰り返し行います。PDCAの歴史は1950年代にアメリカの統計学者・コンサルタントのウィリアム・エドワーズ・デミングによって元となる考え方が生み出されたことが始まりです。1950年の来日の際に日本で発表されました。
後に石川馨が「PDCA」と呼んだことから広く一般に知られることとなりました。
Plan(計画)
Plan(計画)では、現状を把握・分析し、目標を達成するために計画を立てます。
目標設定が誤っていたり、現状を把握できていなかったりすると、その後PDCAを回す際につまずく可能性があります。
Plan(計画)のポイントは次の通りです。
- 現状の把握・分析
- 目標の設定
- 目標達成に向けて現状を分析
- 課題のあぶり出し
- 実行計画の策定
Plan(計画)では、定量的に現状を分析して目標設定する必要があります。実現可能性が高い目標設定はPDCAサイクルが回りやすくなり、より効率的に業務改善が行えます。
Do(実行)
Do(実行)では、Plan(計画)で立てた計画を実行します。実行する際には、Planを細分化して実行しましょう。細かくPlanにアプローチすることで、良かった点や改善点などを正確に記録できるため、より有意義なDoが行えます。
Do(実行)のポイントは次の通りです。
- 計画を細分化しわかりやすくする
- 実行した際の過程や結果を事実のみ記録する
- 計画と現状のギャップを把握する
Doでは、Planに対して取り組み、そして現状をありのまま記録する必要があります。主観ではなく、客観的な視点が必要です。Planで設定した目標を達成していなくても、そのまま記録します。
Check(評価)
Check(評価)では、Plan(計画)とDo(実行)を振り返り、計画通りに実行できたのかを評価します。
Check(評価)のポイントは次の通りです。
- 計画通りに業務を進められたか
- 計画はそもそも達成可能だったのか
Checkで大切なのは、どんな結果だったとしても定量的に分析することです。これまでのプロセスを冷静に振り返ることを重視します。
Action(改善)
Action(改善)では、 これまでのプロセスから見えた課題を把握し、今後改善するためのポイントを考えます
Action(改善)のポイントは次の通りです。
- 改善点を洗い出す
- 改善点が複数ある場合、優先順位をつける
- 計画を進める、変更する、中止するのか判断する
PDCAで大切なことは、Actionまで到達した各プロセスを次に活かす視点です。改善点を見つけ、再度PDCAを回す際に活用する場合がほとんどですが、最初のPlanに無理があった、妥当ではなかったと結論づける場合もあります。
PDCAサイクルを業務に活かす
PDCAサイクルを業務に活かすためには、PDCAを回すことを習慣化する必要があります。PDCAは特に営業・保育・介護・看護といった、接客スキルが必要な仕事に活かせます。
PDCAサイクルを取り入れると、目標未達成だった社員に対して感情論ではなく客観的事実をもとに教育できます。また、教育される側も、自身の課題を定量的に認識できるため、改善点が明確化して素早い業務改善につながります。
PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは、PDCAの一連の流れを回し、Action(改善)の後にPlan(計画)に戻る流れを指します。
PDCAサイクルを習慣的に回せると、業務でつまづいたときや改善策が見つからないときに素早く業務を振り返り、新しい目標設定や実行に移せます。
PDCAサイクルを上手に取り入れられると、スピード感のある業務改善に繋がります。
PDCAサイクルのメリット
PDCAサイクルのメリットは4つあります。
- 目標が明確になる
- 自身の行動を客観的に振り返れる
- 改善点が把握しやすい
- 次のPlanにつなげる考え方ができる
業務改善する際に、目標・過程・改善点が漠然としていると、業務そのものが滞ったり、感情的なフィードバックしかもらえず人間関係に悩む原因にもなったりします。教育を受ける側が、教育役の指示や改善例が客観的なのか、主観的なのか判断できないからです。
また、PDCAを回すことが習慣化すると、客観的な視点が身に付き業務効率化が見込めます。一度PDCAを回したら終わりではなく、何度もPlanに戻って回す習慣を身につけて自身の業務効率を上げていきましょう。
PDCAサイクルのデメリット
PDCAサイクルには2つのデメリットがあります。
- PDCAサイクルを回すこと自体が目的になる
- 新しい視点が生まれづらい
PDCAサイクルを取り入れる際は注意が必要です。
PDCAサイクルを回すことが慣習的になると、スムーズに回せる一方で、回すこと自体が目的になってしまうことがあります。
PDCAサイクルはあくまで客観的に現状を分析し、振り返ることが目的であり、サイクルを回す自体は目的ではありません。
また、PDCAサイクルは最初のPlanに戻るのが一般的なので、このPlanの想定から外れた新しい視点が生まれづらくなります。Planに戻る前に方向性を再確認する必要があります。
PDCAサイクルの成功事例
PDCAサイクルの成功事例を紹介します。PDCAサイクルを習慣的に回しつつ、回すこと自体を目的にしないためにはどうすれば良いのか、成功事例をもとに確認していきます。
【トヨタ自動車株式会社】
トヨタ自動車株式会社が成功しているポイントは3つあります。
- PDCAにOODAという視点を取り入れている
- PDCA管理者は介入しすぎず、結果を激励する
- PDCAを回す人、管理する人、全体の俯瞰している人の3つの立場がある
OODAとは、PDCAを回しておらず不確定要素が多い状態のときに、観察(Observe)や状況判断(Orien)といった視点からアプローチするフレームワークです。
トヨタ自動車はPDCAのみに頼らず、より細かな現状把握をしてからPDCAサイクルに落とし込んでいます。また、PDCAサイクルの管理者は、サイクルに介入しすぎず見守ります。実行者が自ら考え行動し、結果を管理者が激励する、という流れになっていて、実行者が意欲を持って取り組みやすい仕組みです。
加えて、PDCAサイクルには3つの立場の異なった人が関わっています。そのためそれぞれの立場がパンクをせずに安心して業務を進められます。
結果として
Plan(計画):安定した生産性
Do(実行):必要時に必要量だけ生産する
Check(評価):問題があれば生産を止め、検証する
Action(改善):現場の声を活かす・24時間体制のカスタマーサポート
といった流れで業務を改善し、次に活かしています。
PDCAサイクルがうまくいかない場合
PDCAサイクルがうまくいかない場合は、各工程を見直す必要があります。
PDCAがうまくいかない場合は全体に問題があるわけではなく、どれか1つ、または複数のステップで達成できない目標を立てていたり、振り返りが不適切だったりといった問題があります。
それぞれのステップは以下のように見直します。
Plan(計画)を見直す
Plan(計画)を見直すポイントは2つあります。
- 計画を具体化する
- 計画を数値化する
計画を立てる際に「目標を達成する」など曖昧な計画だと、Do(実行)の際にどのような行動を取ればよいかわかりません。「1か月に目標売上の65%を目指す」など、具体的で数値化したPlan(計画)を立てましょう。
Do(実行)を見直す
Do(実行)を見直すポイントは2つあります。
- 計画通りに実行する
- 日々の実行と結果を記録する
ステップの途中でDo(実行)の内容を変えてしまったり、記録が残っていなかったりすると、PDCAそのものにズレが生じます。修正が必要だと感じた場合はAction(改善)からPlan(計画)に戻る際に反映します。
Check(評価)を見直す
Check(評価)を見直すポイントは2つあります。
- 定期的に評価する
- 計画に無理がないかという視点を持つ
Check(評価)が的確に行えていないと、PDCAサイクルが良い方向へ向かいません。定期的に評価を行うことは必須ですが、評価は慎重に進めます。また、Plan(計画)やDo(実行)が順調に進んでいない場合、計画そのものが妥当か見極める視点が必要です。
Action(改善)を見直す
Action(改善)を見直すポイントは3つあります。
- 改善できる可能性のある事項を洗い出す
- 洗い出した改善策を全て試す
- 最終的に改善が難しければ計画そのものを見直す
Check(評価)までのステップで確認した事実を元に、改善策を作ります。多くの改善策があることが理想です。さまざまな方向からアプローチします。試行錯誤するのがAction(改善)の役割です。
改善のために力を尽くしても良い方向へいかないようであれば、Plan(計画)そのものから作り直す必要があります。
PDCAを活用して業務改善や目標達成を目指そう
新規事業立ち上げや店舗開発など、業務の規模が大きくなれば、それだけ携わる人が多くなり目標も大きくなっていきます。そのような場合でも、PDCAを活用することで、個人の業務改善や事業の方向性の見直しができます。
PDCAは課題や改善点の分析がしやすいため、業務改善やを行い、目標達成のするためには欠かせないフレームワークです。
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