コロナ禍の小売業界の新業態として「ダークストア」が注目されはじめています。「ダークストア」とは、ネット注文でのみ販売される商品専用の配送拠点のことを指します。
デリバリーサービスが発達している欧米や中国などでは食事以外の日用品のデリバリーサービスも広まりつつあり、日本でもコロナ禍よりはるか前の2015年、イトーヨーカ堂がダークストアを開設して日用品のデリバリー事業を開始しています。
本記事では、ダークストアとは何か、その意味やサービス導入のメリット、12月からサービスを開始しているUber Eats Marketなどについて解説していきます。
ダークストアとは?
「ダークストア」とは、店舗に商品は陳列されていても来店客や接客スタッフが存在しない、ネット注文でのみ販売される商品専用の配送拠点のことをいいます。ダークストアは欧米や中国などで急成長している新業態で、日本では2015年にイトーヨーカ堂が「ネットスーパー西日暮里店」としてダークストアの運用を開始しています。
Uber Eatsをはじめとするフードデリバリーの市場はコロナ禍も相まって利用が広まりました。デリバリー市場へ国内外の多くの企業が参入して競争が激化している中、他社との差別化として料理以外のデリバリーサービスを開始する企業が増え、その拠点としてダークストアが注目されはじめています。
2021年7月にはフードデリバリーサービスの「foodpanda(フードパンダ)」が日用品や食品などの即時配達サービス「pandamart(パンダマート)」を開始し、8月にはダークストア専業のベンチャー「OniGo(オニゴー)」がサービスを開始しています。
また、フードデリバリー大手のUber Eatsも12月15日に「Uber Eats Market(ウーバーイーツ マーケット)」のサービスを開始しています。
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ダークストアのメリット
ダークストアを配送拠点とした日用品のデリバリーサービスの普及には、配達員、消費者、店舗にとって以下のようなメリットが考えられます。1. 配達員:一日を通して一定の配達が請け負える
フードデリバリーはその性質から注文が昼食と夕食の時間に集中し、それ以外の時間には配達員の手が空いてしまうというデメリットがありました。
一方で、ダークストアを拠点とした日用品や食品のデリバリーの場合は、時間帯による注文の集中が起こりにくく一日を通して一定の注文が見込めます。
2. 消費者:ちょっと欲しいものがすぐに手に入る
大手スーパーなどのネットスーパーを利用する場合、コロナ禍で需要が増えたため注文してから実際に商品が手元に届くまでに日数がかかってしまう場合があります。
ダークストアは配達可能範囲で配達員が確保できれば10分から30分ほどで商品が届くため、今日必要なものや急に食べたくなったものを注文したい、買い物に出るのは面倒といったユーザーニーズの取り込みが期待できます。
3. 店舗:閉鎖した店舗の有効活用
アパレルなどの小売店ではリアルの店舗からEC販売へ移行する傾向が世界的にみられており、リアル店舗を閉鎖する例が増えてきています。
そういった閉鎖した既存店舗が、ダークストアとしてそのまま配送拠点や、EC販売で利用客が立ち寄るピックアップスポットとして活用できます。
「Uber Eats Market 日本橋兜町店」がオープン
ダークストアの最新動向として、フードデリバリー大手のUber Eatsは、2021年12月15日に食品と日用品の配送専門店として「Uber Eats Market 日本橋兜町店」の営業を開始しました。営業時間は午前7時から午前0時までで、店舗から30分以内で配送できるエリアでの利用に限ります。
また、第1号店の日本橋兜町店に続いて、今後都内で店舗を拡大していくとのことです。
Uber Eats Marketの特徴
Uber Eats Marketは、Uber Eatsのアプリとシステムを利用して食品や日用品の配送を行うサービスです。現在はダークストアとして「Uber Eats Market 日本橋兜町店」があり、店舗から30分以内で配送できるエリアで利用できます。
Uber Eats Marketはさまざまな企業と協力して商品ラインナップが揃えられ、食品や日用雑貨、美容製品、衛生用品、生鮮食品、冷凍食品など約1,100点以上の取り扱いとなっています。
また、コストコで人気の冷蔵食品やベーカリー商品の取り扱いもあるとのことで、コストコへの会員登録なしでコストコ商品を購入できます。
最低注文料金がないので商品1つだけの注文も可能で、配送にかかる送料は通常のUber Eatsと同様に距離や配達員の稼働状況などによって変動するとのことです。
まとめ
新型コロナウイルスの世界的な流行によって、私たちのライフスタイルや意識は大きく変化しました。特に、人との接触や外出が制限されたことから浸透したデリバリー業界の成長は顕著で、多くの店舗がこれまで取り扱っていなかったテイクアウトやデリバリーのメニューを開発し、デリバリーサービス業態へ国内外からいくつもの企業が参入しました。
店舗で接客や販売をしない宅配専門の小売店「ダークストア」は、店舗に客席がない宅配専門レストランの「ゴーストレストラン」のようにデリバリーのビジネスモデルとして定着していくのかどうか、これからの各社の展開や社会の動向が注目されます。
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