居酒屋大手14社、コロナ禍で1,242店減…業態転換・郊外への移転すすむ【飲食業界動向まとめ2021年11月】

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緊急事態宣言・まん延等重点措置が全面解除され、緩和措置も終了し、多くの飲食店が通常営業を開始しました。

コロナ禍による打撃を受けた飲食業界は、既存の業態を続けながらも他業態にシフトしてみたり、イートインからテイクアウトに重点を置いてみたりといった取り組みに積極的です。

本記事では、11月の飲食業界関連ニュースや市場の動向を紹介します。

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飲食業界動向

緊急事態宣言・まん延等重点措置の全面解除、緩和措置の終了により、飲食店は通常営業に戻りつつあります。

時短要請・酒類提供の制限、全面解除

緊急事態宣言・まん延等重点措置が9月末に全面解除されたものの、約3週間はリバウンド防止のため、飲食店の営業時間の短縮要請や酒類提供の時間制限といった措置がとられていました。

その後、東京都では10月24日、営業時間短縮要請・酒類提供の時間制限を解除し、翌日25日から認証を受けた店舗では通常営業が可能となりました。

また11月25日には、都内の認証飲食店を利用する場合の人数制限が、12月1日よりこれまでの4人から8人に引き上げられることが発表されました。

協力金の支給終了

9月末に緊急事態宣言・まん延等重点措置が全面解除され、その後の緩和措置も終了したため、月次支援金(時短要請協力金)も10月分までの支給となりました。

なお、対象月は10月までですが、申請は来年1月7日まで受け付けられています。

外食大手各社が発表した7月~9月期までの決算によると、多くの企業が営業時間の短縮などにより減収となり、利益を協力金で補填していることが明らかになりました。

コロナ禍による客足の減少だけでなく、人材不足や牛肉などの価格高騰による原材料価格の上昇も重なり、大きな懸念材料となっています。

コロナ禍で「チキンショック」クリスマスに向け対応に追われる企業も

コロナの影響が「鶏肉」にまで及んでいます。東南アジアでの感染拡大が著しく、特にタイの鶏肉工場が閉鎖されたことを受け、鶏肉の供給量が減少しているのです。

日本では、タイで加工された鶏肉を多く使用しており、価格が高騰しています。その結果、サイゼリヤでは人気メニューの「辛味チキン」を価格はそのままで、従来の5本から4本に減らして提供するとしました。

クリスマス商戦を控えた飲食店では、鶏肉の供給不足に備えて対策に追われています。

ファミレス

大手ファミリーレストランの業績と営業時間短縮の試み、環境問題への取り組みについて紹介します。

ファミレス大手5社 多くが売上減

ファミリーレストラン大手5社の公表資料によると、10月の既存店売上高はロイヤルホスト以外軒並み減少する結果となりました。

内訳は、すかいらーく7.1%、サイゼリヤ1.3%、セブン&アイ・フードシステムズ(デニーズ)10.1%、ジョイフル2.2%それぞれ減少したのに対し、ロイヤルホストは0.2%の微増となりました。

9月末に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は解除されましたが、営業時間短縮を継続したり、酒類提供の時間帯も制限的であったため依然として厳しい状況です。

一方、ディナー客数や5人以上のグループ客数が増えているなど、明るい兆しも見えてきています。

年末年始の営業時間短縮 引き続き/すかいらーく

株式会社すかいらーくホールディングスでは、昨年に続き、「ガスト」や「バーミヤン」など約2,800店舗で年末年始の営業時間を短縮することを発表しました。

12月31日は午後6時に閉店、翌1月1日は午前11時に開店して午後9時に閉店します。一部店舗では、夕方以降はテイクアウトのみの営業となります。

働き方改革の一環で、これまでにも一部店舗の24時間営業を廃止したり、深夜営業時間を短縮したりするなど積極的に対応してきました。

来店ニーズが見込まれるランチやディナーのピークタイムに人材を集中させ、顧客満足度を上げる狙いです。

来年から紙製ストロー導入/すかいらーく

「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」が来年4月に施行される予定です。使い捨てプラスチック製品など年間5トン以上使用する事業者に対して、有料化や再利用するよう義務付けられます。このため、各企業ではプラスチック削減のため様々な対策を講じています。

そんな中、すかいらーくホールディングスは、来年1月からグループ店舗内(約3,000店舗)で使用されるストローをプラスチック製から紙製に順次変更することを発表しました。

すかいらーくはこれまでも「ガスト」や「バーミヤン」などでプラスチック製スプーンを木製のものに変更するなど、プラスチック使用量の削減に力を入れています。

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ガストやバーミヤンなどに木製スプーン 80トンのプラスチック削減、環境に配慮

ファストフード

原材料や原油価格の高騰により牛丼チェーン大手は、値上げを余儀なくされています。

すき家好調/吉野家・松屋は苦戦

牛丼チェーン大手3社の発表によると、10月の既存店売上高は前年同月比ですき家は5.4%増加し、吉野家は1.3%減、松屋フーズは10.3%減となりました。

客単価をみると、前年同月比ですき家は1.8%、吉野家は1.9%それぞれ減少し、松屋フーズは1.5%増加しました。

吉野家では、10月29日から牛丼を値上げしました。すでに松屋は、9月に牛めしの値上げに踏み切りきっています。輸入牛肉の価格が高騰、また原油価格も上昇したことにより、価格維持を断念した格好です。

冷凍自販機で牛丼を24時間販売/松屋

松屋フーズは、同社初めての試みとなる冷凍自動販売機による商品販売を開始しました。

冷凍自動販売機は、東京都江東区にある松屋南砂町店に設置されており、現在、購入可能な商品は6種類準備されています。

回転寿司

回転ずしチェーン店が有名レストランシェフとのコラボメニューを開発したり、テイクアウト専門店を積極的に展開したりして、テイクアウト需要の取り込みに注力しています。

「スシロー To Go」出店拡大、埼玉に1号店/スシロー

スシローは、コロナ禍による外食回避傾向を受け、テイクアウト需要を取り込もうとテイクアウト専門店「スシローTo Go」の出店を積極的に展開しています。

駅前やアクセスの良い場所を狙って出店しているのが特徴です。

11月25日には、「スシローTo Go」の埼玉県第一号店が、浦和さくら草通りにオープンしています。

テイクアウト専用、有名レストラン「sio」とのコラボメニュー/スシロー

スシローは先述した「スシロー To Go」の展開のほか、代々木上原に位置する有名フレンチレストラン「sio」の鳥羽周作オーナーシェフとコラボし、「すき焼き海鮮しゃり弁」の販売を始めました。

さらに年末年始の需要に合わせて、うにや数の子、蒸しアワビといった豪華な「すき焼き海鮮おせちらし」も12月15日から発売されます。

テイクアウトのWeb注文を割引/はま寿司

はま寿司では、テイクアウト用のセットメニューや丼ぶり各種をWebから注文すると、通常の5%から10%を割り引くキャンペーンを実施中です(12月8日の受け取り分までが対象)。

同キャンペーンは過去にも実施しており、好評を受けて復活しました。

カフェ

プラスチックゴミやフードロスの削減に取り組む、カフェの事例について紹介します。

リユースボトルの実証実験開始/スターバックス

スターバックスコーヒージャパンでは、繰り返し使用できる貸出カップの実証実験を丸の内の一部店舗内で開始しました。テイクアウト時に提供する使い捨てカップの製造や廃棄時に発生するCO2を削減し、環境問題に取り組む狙いです。

貸出カップは全てのドリンクに対応しており、保温や保冷機能を持つステンレス製です。貸出カップの利用後は、対象店舗に返却します。

フードロス削減へ、割引販売を開始/ドトール

株式会社ドトールコーヒーでは、11月から全国のドトールコーヒーショップと一部のエクセルシオールカフェで、消費期限が間近な商品を割り引きして販売することを決めました。

ドトールコーヒーではすでにフードシェアリングサービスやフードバンクを活用しており、今回の取り組みもフードロス削減の一環です。

居酒屋

コロナ禍で引き続き厳しい状況に置かれている居酒屋が、他業態に参入した例を紹介します。

新業態「定食」に活路/庄や

居酒屋は、コロナ禍により、営業時間の短縮要請や酒類提供の制限を受けて苦戦を強いられてきました。緊急事態宣言やまん延等重点措置が解除され、飲食店の多くは通常営業に戻りつつあります。

一方、またいつか感染が拡大するかもしれないリスクに備えて、居酒屋以外の業態を開拓しようとする動きが見られています。

居酒屋チェーン店「庄や」などを展開する株式会社大庄は、飯田橋に定食屋専門店「定食のまる大」をオープンしました。

居酒屋業態で得たノウハウを、新業態である定食屋に活かす作戦です。

大手居酒屋14社、1,242店減少/長引くコロナ禍の影響

大手居酒屋チェーン14社の2021年9月末時点での店舗数は、5958店でした。コロナ禍前の2019年12月末は7200店と、1年9か月で17.2%の店舗が閉店したことになります。

なかでも緊急事態宣言・まん延等重点措置により、営業時間の短縮や酒類提供の制限の影響を大きく受けた居酒屋は、から揚げや焼肉専門店といった業態にシフトするケースが見られました。

また、首都圏の主要駅前から撤退し、郊外や住宅地に出店する動きも見られます。

緊急事態宣言・まん延等重点措置が全面解除され、感染状況が収まりつつあるためGo Toイートの再開が期待されています。

11月に発表された外食業界データ/日本フードサービス協会

日本フードサービス協会は、10月の外食業界の売上高に関するデータを発表しました。売上高は、前年同月比で99.5%でした。

ファストフード業界は前年同月比105.4%と好調な一方、パブレストラン/居酒屋では69.2%と厳しい状況が続いています。それでも、パブレストラン/居酒屋が前年同月比で、緊急事態宣言下の9月が19.6%、その前の8月が31.2%であったことを鑑みると回復の兆しが見えています。

11月は、通常営業に戻った居酒屋も多く、さらに回復することが予想られています。

来月の動向予想:博報堂生活総研 [来月の消費予報・12月](消費意欲指数)

来月の消費予想(12月):博報堂生活総研
▲来月(12月)の消費予想:博報堂生活総研

博報堂生活総合研究所が12月の消費意欲を調査したところ、スコアは56.1点と前月からプラス 8.2ポイント、前年比ではプラス1.2ポイントとともに増加しました。今年はじめて50点台を突破しました。

カテゴリー別消費動向をみると、前月に比べて全16分野のうち「食品」、「飲料」、「外食」など12分野で上昇し消費の意欲の高まりがうかがえます。

12月はクリスマスや年末の需要もあり、1年のうち最も消費意欲が高まる月です。

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<参照>
NHK WEBニュース:都 認証受けた飲食店の時短要請解除 きょうから通常営業に
NHK NEWSニュース:飲食店8人までOK 旅行で補助金も 東京都の新たな対策は
経済産業省:緊急事態措置・まん延防止等重点措置全面解除後の「月次支援金」の延長について
日経新聞:外食16社の7~9月、最終黒字14社 協力金で利益確保
ビジネス&メディアウォッチ:サイゼリヤ人気商品「辛味チキン」が1本減に 消費者「ちょっと悲しい」...背景にやむを得ない事情
流通ニュース:ファミリーレストラン/10月既存店売上ロイヤルホスト以外4社減
すかいらーくグループ:月次業績 | IRライブラリー | 株主・投資家の皆様 |
サイゼイリヤ:IRニュース|投資家の皆様へ|
セブン&アイ・ホールディングス:月次営業情報 | 株主・投資家(IR) |
ファミリーレストランジョイフル[Joyfull]:月次データ | IR情報 |
ロイヤルホールディングス株式会社:月次売上|財務・業績|IR情報|
ITmedia:ガストやバーミヤン、年末年始の営業時間を短縮 従業員のワークライフバランスを重視
環境省:プラスチック資源循環法関連
日経新聞:ストローなどプラ製品に有料化・再利用義務 罰則規定も
PR TIMES:バイオマスストローをFSC®認証の紙製ストローに変更
流通ニュース:牛丼3社/10月既存店吉野家1.3%減、松屋10.3%減
読売新聞:吉野家、「午後3時に値上げした」と発表…牛丼並盛税抜き352円から388円に
PR TIMES:【松屋フーズ】みんなの食卓でありたい。冷凍自動販売機導入!
吉野家ニュースリリース:吉野家、「ウエルシア薬局」での 「牛丼」販売を 10 月 1 日より本格開始
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PR TIMES:店舗でのフードロス削減を目的に 11月11日より一部商品の割引販売を導入
市ケ谷経済新聞:飯田橋に「定食のまる大」 「庄や」の大庄が新業態1号店、ソフト食べ放題も
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日本フードサービス協会:2021年10月度結果報告

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