おひとりさま消費とは|コロナ追い風に・成長市場・特徴やプラン事例

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飲食店ホテル、レジャーなど、個人で利用や消費する「おひとりさま」をターゲットとして市場を拡大している業界も少なくありません。

消費者の価値観の多様化に加え、コロナ禍で他者との接触を避ける心理が社会的に広まったことでさらに注目を集めています。

本記事ではおひとりさま消費の消費市場規模や、おひとりさまに向けたマーケティングサービスの事例などを紹介します。

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おひとりさま市場の現状

自分1人で外食や旅行を積極的に楽しむことをおひとりさま消費といい、年々様々な分野で見られるようになっています。「単独」という意味の「ソロ」を用いて、ソロ活と呼ばれることもあります。

本項では、おひとりさま消費の市場規模や、複数人での利用や体験が前提であった行動が単独で楽しまれるようになった経緯について紹介します。

市場規模は年々拡大、外食は7.9兆円

2020年に「矢野経済研究所」が実施した「おひとりさま関連市場の動向調査」によると、特に飲食店や宿泊、レジャー分野においておひとりさま消費が目立っているという結果が得られています。

外食分野では1人来店客の利用金額ベースが、2015年度の6兆8,000万円から2019年度には7兆9,000万円に増加しています。国内ホテル宿泊分野においても、2015年度から2019年度にかけて約1兆円増加していました。

調査全体においては「おひとりさま中食市場」「おひとりさまカラオケ市場」といった計15の分野のうち、12分野が成長しており、ライフスタイルの変化に伴って1人で趣味や娯楽を楽しむ傾向にあります。

単身世帯の増加やコロナ禍が影響か

おひとりさま消費が増加した理由としては、ライフスタイルの変化やコロナ禍での3密回避などが要因となり、1人行動が浸透した可能性が高いとされています。

また総務省が公開している「少子化社会対策白書」によると、日本の未婚率は男女ともに上昇傾向にあり、近年は横ばいの状況が続いています。

年齢別に見ると男女どちらも、25〜29歳の未婚率が高く、単身世帯の増加がおひとりさま消費を加速させている可能性も考えられています。

おひとりさま消費をする30・40代は約80%

2021年に「SMBCコンシューマーファイナンス」は「30代・40代の金銭感覚についての意識調査」を実施しました。

同調査によると、30〜40代のうち、おひとりさま消費をすると回答した人は80.4%に上っており、前回の調査から約20%増加しています。

また、おひとりさま消費にかける金額は1か月あたり9,637円という結果が得られています。2019年12月の調査から平均額は4,201円増加しており、中高年世代のおひとりさま消費が急速に増加しているとがうかがえます。

おひとりさまの消費行動

趣味や娯楽をおひとりさまで楽しむ場合と、親しい友人とコミュニケーションを取りながら楽しむ場合では、行動や使用する金額に大幅な違いが見られます。

本項では、おひとりさま消費に見られる特徴的な行動を解説します。

旅行や映画館のおひとりさま消費が多い

英会話教室のGabaが2019年に実施した「ソロ活に関する実態調査」にて「ありだと思うソロ活」を聞いたところ、1位には国内旅行(51.5%)が挙げられました。

続いて映画館(49.3%)、ドライブ(42.3%)という回答になり、他にもショッピングや温泉、カラオケなどが挙げられています。

また「ソロ活の良さ」を聞いたところ、「計画を自分で決められる」と回答した人が68.9%に上りました。そのほかの回答でも「気疲れしない」「気軽に取り組める」といったメリットが上がっており、他人を気にせず、1人で満喫できる分野のソロ活に人気が集まっていると考えられます。

中でもソロ活経験者のリピート率が高い分野として、高級ホテルへの宿泊や国内旅行、温泉などが上位を占めており、宿泊、観光業界のおひとりさま市場は今後も拡大していく可能性も見えてきます。

月の消費額は約1万円

同じくGabaが実施した調査によると、ソロ活経験者がソロ活に使用している消費金額は、月平均で13254円という結果が得られています。

年代別に見ると最も消費額が高いのは60代の14,678円、30代では最も低い11,228円という結果が出ました。

また「ソロ活にかけてもよいと思う1か月あたりの上限」を聞いたところ、ソロ活を経験した人の平均は20,239円という結果になりました。

一方でソロ活の未経験者は9,494円と回答しており、1万円以上の差が見られました。

飲食店のおひとりさま消費はラーメン・牛丼・ファミレス

Gaba」が実施した同上の調査では、ソロ活として行ったことがある飲食店を聞いています。

その結果男性はラーメンや牛丼と回答した人が過半数に上っており、女性は40.7%の人がファミレスと回答しています。どちらも価格の安さは共通していますが、性別によって入りやすい飲食店が異なることがうかがえます。

おひとりさまをターゲットにした事例と課題

コロナ禍によりここ数年で急激に市場が拡大しておりおひとりさま消費ですが、いち早くソロ活をターゲットにした事例が存在します。

ここでは、飲食店観光業など、おひとりさま消費に着目して市場を拡大させている事例を2つ紹介します。

1. コロナ禍の飲食店、ターゲット変更が困難

飲食店ではコロナ禍により、感染リスクを減らすためにおひとりさま限定にシフトする店舗が増加しています。

ただ開店当初のターゲットとはずれてしまう場合が多く、新規顧客の集客に時間を要する場合もあります。

そのためファミリーレストランではこまめに来店客の動向をチェックし、スタッフからのヒアリングを元に、おひとりさまが多い店舗に限定しておひとりさま席を設けるなどの工夫をしています。

2. おひとりさま限定バスツアー、ひとり時間の確保がカギ

観光業界では、おひとりさま限定のバスツアーをいち早く打ち出しています。

バスツアーでは集団で行動しますが、おひとりさま限定のツアーでは1人あたり座席を2席確保し、1人の時間を作る工夫をしています。同時に1人旅でも孤独を感じさせない内容を提案しており、1人で参加してもツアー中に出会いが生まれるといった交流の場が設けられていることも魅力の1つになっています。

また、ホテル宿泊施設では、おひとりさま限定の食事プランや宿泊プランを提案しており、おひとりさまでなければ味わえない特別感を演出しています。

3. おひとりさまのための宿泊、満喫できるプラン設定

ホテル旅館などの宿泊施設では、おひとりさま向けに1人でのんびりとくつろげるプランを提案しています。

人目を気にせず食事が楽しめる部屋での夕食や、エステの提供、ソロ活を充実させるためのスイーツ店の提案など、ホテルによって趣向を凝らしたプランを設定しています。

ソロ活のハードルを下げているため、おひとりさま初心者から経験者まで、充実した時間を過ごせます。

注目が高まるおひとりさま消費

ライフスタイルの多様化やコロナ禍での三密回避によって、ソロ活とも呼ばれるおひとりさま消費の市場は拡大傾向にあります。

特に飲食、旅行業界の分野においてソロ活は浸透し始めており、時間や対人関係を気にせず贅沢を楽しむ人が増えています。おひとりさま消費の市場は、コロナが収束に向かっても、単独世帯の増加やライフスタイルの変化によって拡大していくと予想されています。

飲食や旅行業界においては、おひとりさまに向けたマーケティングサービスを検討してみるといいかもしれません。

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<参照>
矢野経済研究所:おひとりさま関連市場の動向調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス | 
内閣府:第1部 少子化対策の現状(第1章 3)
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社:30代・40代の金銭感覚についての意識調査2021|ニュースリリース|
マンツーマン英会話スクールのGaba:ソロ活に関する実態調査2019|プレスリリース


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