観光マーケティングとは?成功につながる3つの施策とポイントを解説

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現在新型コロナウィルスの影響により、多くの観光地が危機的状況に置かれています。しかしそうした厳しい状況の中、新しい形の観光スタイルを提案し、 戦略的なマーケティング展開して観光客を集めているスポットがあります。

こうした厳しい環境下だからこそ、マーケティング戦略の優劣により集客の差が顕著になっているともいえます。

本記事では、日本ではまだ成功例が少ないといわれる「観光マーケティングの実状や成功のポイントについて詳しく紹介します。

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観光マーケティングとは

観光マーケティングとは、観光客誘致を目的として行われるマーケティング戦略のことです。

観光業界において、マーケティング戦略が成功したか否かの大きな判断材料となるのがリピート訪問者の数です。

一時のブームで観光客が押し寄せても、訪問した観光客を満足させるだけの仕組みがなければ一過性のブームで終わってしまい、むしろその後は以前より状況が悪化するケースがあります。

そのためマーケティング戦略を展開させる際には、長期的な視野に立ち、1度訪問してくれた観光客にリピーターになってもらえるかが成功の鍵をにぎります。そしてそのために必要となるのが、観光マーケティングなのです。

コロナで変化した観光

新型コロナウイルス感染症の流行は、国内の観光業にまさに壊滅的ともいえる深刻なダメージを与えています。国土交通省が発表した観光統計によると、2021年1〜3月期の日本人国内旅行消費額(速報)は1兆6,458億円で、前年同期比50.1%減となっています。

加えて海外から日本への観光目的での渡航は途絶えたままであり、インバウンドによる消費額はほぼ0円となっています。

日本国内の観光需要の回復については、ワクチン接種の進行による回復に期待がかかっていましたが、あらたにデルタ株が猛威をふるっており、再び先の見えない状況に陥っています。

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旅行業における新たなトレンド

従来型の観光ビジネス復活に対する先行きが不透明な中、観光業界では新型コロナウイルスの出現により、これまでの常識とは一線を隠す新たなライフスタイルであるニューノーマルに着目し、新たな需要の開拓に取り組んでいます。

たとえば、感染防止の観点からリモートワークが普及し、リゾート地に滞在しながら業務を行うワーケーションや、業務旅行に休暇を付与するブレジャー需要などが、新たなトレンドとして注目を集めています。

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観光地のマーケティングの現状は?

観光マーケティングという概念がまだまだしっかりと根付いていない日本の観光業界において、観光マーケティングへの取り組み手法は未だ暗中模索のトンネルを抜け出していないとの指摘があります。

その原因として、観光マーケティングに精通した人材が不足しているため、マーケティング戦略の基本となる独自の切り口で市場を分析し、競合の少ない、いわば「隙間」を見つけ出す手法であるSTPセグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)」といった論理的なアプローチが行われていない点が指摘されています。

結果として、手にとる人もまばらな紙のパンフレットにコストをかけてしまったり、右にならえでご当地のキャラクターを立てたりと、旧態依然とした施策にとどまっているケースもあります。

観光マーケティング3つの施策

デジタルマーケティングとは、その名が示すようにインターネットやIT技術を活用したマーケティング手法です。

具体的にはWebサイトへのアクセスの分析、また顧客やネットユーザーが投稿する口コミや店舗での行動と購買内容といったビックデータや、そのビッグデータで得た情報をAIを使って分析することが含まれます。これらのデータをもとに、求められているニーズや今後のトレンド予測を立てられます。

観光業界の場合、顧客も事業主もアナログな手法に頼るケースも少なくありませんが、今後も引き続きデジタルマーケティングの存在感は増してくるでしょう。

またデジタル化による業務効率の改善、観光体験の変化をもたらすDXも注目が集まっています。

1. ローカルSEOとウェブ広告

Google検索では、検索キーワードの背景に訪問意図があるとみなされる場合、位置情報や地名と関連した店舗や施設の情報が表示されます。こうした検索行動に合わせて店舗情報を整備したり口コミを管理したりすることは、ローカルSEOと呼ばれています。

また公式サイトを運営している場合には、ユーザーが検索するキーワードで検索結果のページ上位にサイトが紹介されるようにSEOの対策に取り組むことで、公式サイトからの集客が可能となります。

ウェブ広告への出稿も、自身の情報発信サイトをターゲットユーザーの目に触れさせるためには有効な手段です。

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2. 口コミの収集

観光マーケティングにおいても、その他の領域のマーケティング同様「口コミ」は重要な資産となります。

マイボイスコムが2020年に「ネット上の口コミ情報」に関するインターネット調査を実施した結果、商品購入やサービス店舗を利用する際にネット上の口コミ情報を参考にしていると回答した人は、実に55.7%に達しています。

観光客の利用が見込まれる店舗や施設でも、ポジティブな口コミを集めることで、宣伝効果や見込み顧客の訪問意欲を高めることができるでしょう。

観光名所や店舗では、口コミ投稿を歓迎していることや、口コミを投稿できる店舗ページへのリンクをQRコードで提示するといった施策に取り組むことで、口コミ集客や口コミからの現状分析が可能になります。

<参照>
ネット上の口コミ情報に関する調査(第5回)/アンケートデータベース(MyEL)

3. 観光DX

予約サイトなどオンラインプラットフォームでの口コミの収集・分析だけでなく、観光客の行動についてデータを集計し顧客体験の質向上や収益の拡大を図る観光DXも各地で進んでいます。

観光DXにおいては、AIにより大量な行動履歴のデータ(ビッグデータ)を分析することで、旅行者一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズされたサービスの提供が可能になります。

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観光マーケティングを実施するときのポイント

観光マーケティングにおいては、どの季節にどのような属性の人がその観光地を訪れるのか、また時間帯別やエリア別にどういった行動パターンがあるのかを情報収集し、より多くの人に訪れてもらえるような働きかけを考えます。

また情報収集の経路や、観光客が旅行に期待することについて理解することも大切です。

以下に、観光マーケティングを実践するための具体的なポイントについて解説していきます。

目標設定

目標設定とは、マーケティングの目指すべきゴールを設定し、そのために必要なプロレスを洗い出してフレーム作りをする作業です。

目標設定をする際に大切なのが、目標数値を明確にする点です。

例えば「今より多くの人に足を運んでもらいたい」といった曖昧な概念ではなく「マーケティングの成果のゴールを5年後に設定し、最初の1年で客足を現状の10%伸ばし、最終年には年間の来訪者数を100万人にする」と、具体的な数値を立てます。

数字を立てる時に重要なのが、理想の数値目標を置くのではなく、現状を鑑み、マーケティング展開により達成の可能性がある現実的な数値にする点です。

外部や内部環境を分析

目標が設定されたら、次に取り組むべきなのは現状分析です。現在、マーケティングを実践する上で多く用いられているのが、「PEST(ペスト)分析」です。

これは政治、経済、社会、技術の4つの視点からマクロ環境(外部環境)を分析するもので、この分析によりまずは社会の現状や経済状況といった、自分たちを取り巻く外部要因の状況を明らかにします。

その後自身の観光地のインフラの現状、活用できる人材、集客のキーとなる資源の状況といった内部環境を分析することで、PEST分析が完了します。

ブランドを構築する

PEST分析の次に取り組むのは、STP分析です。これはセグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う市場の決定)、ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)の頭文字をとって付けられたものです。

この分析を行うことで、観光市場全体における自身の観光地の立ち位置を明確にし、他の観光地にはない自分たちだけのブランド価値を明らかにできます。

目指すべき市場が明確になることで、ターゲットユーザーの絞り込みが可能になり、それに応じた事業展開マーケティング戦略を繰り広げることが可能になります。

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7つのPを設定

観光は、商品のように形があるわけではありません。このように「サービス」に対するマーケティング戦略を考える際、近年では戦略の核として決定すべき「7P」があります。  

  • Price:価格設定、利益、コストといった価格戦略 
  • Product:イベント企画、商品、コンセプトといった製品戦略
  • Place:立地、配送、物流といった流通戦略
  • Promotion:販売活動といった販売戦略
  • Process:業務や販売プロセス
  • People:従業員、業者など運用に関わるスタッフ
  • Phyical Evidence:安心・安全保障の担保

この7つの項目に当てはめて考えていくと、かなり具体的な戦略が完成するはずです。

カスタマージャーニーの設計

マーケット戦略の中では、ターゲット層により訴求するために、典型的なターゲット層である特定の架空の人物(ペルソナ)を仕立てます。

そしてこのペルソナの行動や思考、感情を見える化させることで、ターゲット層に適切な場所、適切なタイミングで情報を伝えることができるようにするカスタマージャーニーと呼ばれる作業を行います。

カスタマージャーニーは、ターゲットユーザーを深く理解し、より効果的なマーケティング戦略を考える上で必須となっています。

近年は情報取得や購買の窓口が多様化しています。スマホの普及や関連技術の発展により、ターゲットユーザーの個々の導線情報を細かく収集、分析できるようになりました。

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観光マーケティングで地域活性化

観光客を集めるためには、宿泊施設や交通手段などの環境整備に加え、地域の観光資源をアピールするための魅力的なストーリー作りが必須です。設計したストーリーは、オンライン、オフラインで人々に届けなければなりません。

観光業の発展は、これからの地域活性化、日本社会の成長に欠かせません。こうした事情を背景に、これからも観光マーケティングの実践が広がっていくでしょう。

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