CSR=社会的責任とは?定義や活動のメリット、注意点、他社事例を紹介

企業は、利益だけを追及するのではなく、事業を通し社会へどのような影響を与えるのかを説明し、ステークホルダーとの関係性を構築しながら発展していきます。そして、CSRへの取組みを公表することで、信頼ある企業だと認識されます。

事業継続性にも大きく関わるCSRですが、近年になって、サステナビリティや地域貢献の視点で捉える企業も増え、先進企業では経営戦略に位置づける動きも進んでいます。

今回は、CSRが広まった経緯から現在における定義、優良事例について解説します。

CSRとは

CSRは日本で50年以上前から存在し、言葉自体は定着していますが、概念が抽象的なため捉え方に個人差や企業差が出る傾向です。さらに昨今、企業目標としてSDGsに注目が集まり、違いが曖昧になりつつあります。

海外に目を向けると、欧米でも国により捉え方が違いますが、これは各々が抱えてきた社会問題の歴史とCSRの深い関わりによるものです。CSRが生まれた経緯や、現代社会に求められるCSRとは何かを解説します。

法令順守、環境への配慮、地域貢献など社会的責任を果たす

CSRは、Corporate Social Responsibilityの頭文字を取ったもので、社会的責任という意味です。

厚生労働省では「社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会などの利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方」と定義しています。

21世紀以降は、労働環境や社員の健康管理、資源やエネルギーの保護、環境への配慮、コンプライアンス遵守、社会的弱者に対する救援なども重視され、社会、経済、環境を含めた広い視野における課題解決や活性化に寄与することが求められています。

サステナビリティとの関わり

一方、サステナビリティは持続可能性という意味ですが、世界共通の目標として、持続可能な自然環境や社会システムを指します。

CSRもサステナビリティも目指す方向は重なっていますが、責任の主体が異なります。

CSRは責任の主体が企業であり、ステークホルダーの要求に応え説明責任を果たすことが含まれますが、サステナビリティは責任の主体が企業に限らず、政府、自治体、団体、個人と広範囲です。企業はCSRを経営に組み込み、サステナビリティの実現に貢献します。

労働環境を問題視したヨーロッパが始まり

CSRという概念が生まれた背景には、ヨーロッパにおける労働問題が関わっています。90年代に起きた深刻な失業問題は貧困や犯罪の増加につながるとされ、持続的な社会の成長を妨げるリスクがありました。

そこで、女性や高齢者が働きやすい職場環境や、安定した雇用確保を目指したのがCSRの始まりです。ヨーロッパでは、持続的な社会の発展を目指し、未来に向けた投資や活動を行うこととしてCSRが認識されています。

一方、アメリカにおけるCSRは、企業が自社ではなく公益性のために寄付や活動を行い、社会課題の解決に取り組むことを意味しています。

90年代後半から、法律の遵守や環境への配慮、社会貢献が企業に求められるようになり、途上国の労働者を雇う企業が増えた2000年代に法の整備が加速しました。地域貢献や倫理を重視する考えなど、日本におけるCSRはアメリカに近い形となります。

CSR実現によるメリット

CSRは社会に対して企業の存在意義を示すものでもあります。

CSRを通して企業のビジョンが明確化され、社員や社外関係者からの信頼度が向上し、企業の持続性につながるため、インパクトの大きさやメリットを認識して取り組むことが重要です。

企業のブランドイメージ向上

環境問題や消費者の健康を考慮した取組みを対外的に公表することは提供サービスや商品安全性のアピールにもなり、ひいては企業イメージの向上につながります。

安全性や健全性は企業への信頼を醸成させることになり、他社との差別化にも有効です。

東京商工会議所のアンケートで、中小企業は約8割、大企業の98%以上が、CSR活動の目的について「企業イメージの向上」と回答しているとの情報もあり、周囲への影響力の大きさがわかります。

<参照>CSRとは?その意味と取り組む際に知っておきたいメリット・デメリット | クラウドERP実践ポータル

ステークホルダーとのリレーション強化

取引先や提携企業から、他企業と比べリスクが低いと認知され、評価が上がることから、事業継続が安定します。

さらに、コンプライアンス体制を強化したり社会貢献活動を積極的に行ったりする姿勢は、株主や投資家の支持を得やすくなり、自社を取り囲むさまざまなステークホルダーとの関係値が良好になります。

従業員のエンゲージメント向上

経営者が明確なビジョンを示し、社会にどんな価値を提供するかや存在意義を社外に開示するため、社員一人ひとりが社会への貢献度を感じやすくなり、満足度やモチベーションアップなどの効果が期待できます。

さらに、CSRの取組みを推進する中で、部門を超えたプロジェクトの発足やコミュニケーションが活発化され、風通しのよい職場環境や企業風土の一体化にも結びつくでしょう。

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CSR活動における課題

会社全体が同じ方向性に向かうことでCSRは推進できるため、CSR専任の担当者もしくは部署により、全社的な取りまとめや経営者との調整が必要です。また、社外関係者への説明なども担うため活動範囲が広く、労力とコストがかかってきます。

コストがかかるが短期的な利益に直結しない

CSR推進による日々の取組みの積み重ねは、短期的な効果として表れにくく、一方的にコストがかかるように見えるため、未来への投資であることを充分に認識する必要があります。

また、主軸となる事業以外に工数を割くことになるため、CSRへの投資が膨らみ過ぎないように注意し、企業規模や経営状況に応じてバランス良く進めることが重要です。

CSR活動に従事する人員の不足で停滞してしまう

CSRに関する業務は多岐に渡り、開示文書の作成や社外関係者との密なコミュニケーション、社内における意識の浸透やコンプライアンス遵守のための働きかけ、各部署の活動状況の報告、経営への提言などハブとなって動く必要があります。

大企業であれば部署の設立や専任担当者の確保が可能ですが、中小企業では兼任で行うことも多く、人員不足がボトルネックになるかもしれません。CSRにかけるコストと共に、人員についても現実的な検討が必要です。

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CSR取組み事例3選

自社の得意分野を活かしたプロジェクトや、事業と連動した効果的な取組みを促進している企業3社の事例を紹介します。

1. キャノン

CSR活動を事業外ではなくマーケティングそのものと捉え、高い技術力を活かしながら、事業の成長と持続可能な社会を同時に実現することを目標に掲げています。

医療現場における課題に対し、先進医療機器を提供したり、ICTと教育を掛け合わせたソリューションを手掛けることで、未来を見据えた教育水準の向上を支援したりしています。

2.三越伊勢丹ホールディングス

持続可能な社会の実現を目指し想像力を働かせる姿勢を「think good」という合言葉に込め、伝統とサステナブルを融合させた商品の提供や、リペア商品のブランド化などサーキュラーエコノミーを積極的に推進しています。

また、津波で流されてしまった自然を取り戻すための植樹活動など被災地の支援も継続的に行っています。

3.サントリー

飲料メーカーの大手であるサントリーは、「水と生きる SUNTORY」というキャッチコピーにもあるように、限りある水や資源を次世代に引き継ぐための「環境ビジョン2050」を掲げ、長期的な視野で自然保護活動を行っています。

また、「水育」を通して、未来を担う子どもたちが森と水を体感できる教育活動も進めています。

CSRは企業と社会の持続性に必要な長期的取組み

長期的かつ広い視野を持ち、経済や社会、地球環境へ良い影響を与えながら事業を進める企業が増えれば、30年後、50年後、その先の未来に効果として現れるでしょう。

社内のCSR活動に向けた整備も必要ですが、会社が存続できている背景には貴重な資源やステークホルダーの存在があることを再認識し、企業が良い循環の一部となって持続性ある社会を築いていくことが大切です。

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