近年は病院における予約診療システムの導入が広がり、多くの医療機関で以前と比較すると待ち時間が短縮され、スムーズ診療に受けられるようになっています。 矢野経済研究所が実施した「新規開業クリニックにおける医療機器・サービス利用状況等に関する法人アンケート」によると、予約システムを導入している病院は全体の62%とすでに過半数を超えています。
そこで本記事では、病院向けの予約システムを導入する方法やメリットなどを、実際に事例を交えて紹介します。
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病院の予約システムとは
医療機関は、一般社会のデジタル化のスピードと比較するとその進みがやや遅いと指摘されることが多くあります。病院向けの予約診療システムについて紹介していきます。
Webからできる予約システム
診療予約システムは、一言でいえばシステムを導入することで診療予約をweb上で取れ、電子カルテとの連携を含め、患者情報の一括管理に役立てることができるシステムです。
具体的な機能としてはオンラインで24時間自動的に予約受付が可能になり、電子カルテとの連携ができるなど、患者に関する情報が予約状況から診療情報まで一括管理できるようになります。
そして診療予約システムの導入は、医療機関にとってだけではなく、患者にとってもメリットが多いシステムです。
従来診療予約をとるためには、診療時間内に電話をかけたり診療所まで足を運んだりして予約を取る必要がありましたが、診療予約システムを利用すれば場所や時間を選ばずに診療の予約ができ、予約確認メールも送られてくるため予約内容が手元に残ります。
予約システム導入のメリット1. 感染対策になる
常に院内感染のリスクを抱えている医療機関ですが、現在は新型コロナウイルス対策の徹底の必要性などから、従来にもまして院内の感染予防の徹底が求められています。
診療予約システムを導入すると、同じ時間帯に来院する患者の数をコントロールできるため、待ち時間の軽減につながります。これにより、患者同士の接触機会を減らすことができ、3密の状態を回避できるため感染予防対策につながります。
再診のための診療予約は一般的には精算時に受付で取りますが、診察予約システムを導入してその役割を機械に委ねることができれば、受付でのスタッフと患者の接触や、患者の待合室での滞在時間を減らすことができます。
予約システム導入のメリット2. トラブルやキャンセルの防止
診療予約を電話などを介して行なっている場合、時間の聞き取り間違いがあったり、患者が予約時間を控えずに忘れてしまう、ダブルブッキングの発生など、どうしてもヒューマンエラーの確率が一定の割合で発生することが避けられません。
しかし最近は、医療現場ではモンスターペイジェント(理不尽な要求を突きつける患者)が大きな問題になっていることでもわかるように、こうした些細なトラブルが施設にとって大きなダメージになる場合があります。
診療予約システムを導入すると、患者に予約確認メールを送ることもできます。診療予約をめぐる患者とのトラブルを軽減できるほか、病院の診療時間外でも患者は予約の取り直しができるため無断キャンセルを減らせるメリットもあります。
予約システム導入のメリット3. 受付業務の負担軽減
電話や受付で直接予約をする場合、受付担当スタッフは患者対応や会計業務をこなしながら予約受付のための電話対応もしなくてはならず、予約業務は受付スタッフにとって負担が大きい業務です。
しかし診療予約システムを利用すれば、診療予約を人を介さず機械で受け付けることができます。さらにスタッフは現在診療を待っている患者の数や残りの予約人数などを簡単に画面上で確認しながら業務を回すことができるため、診療ペースのコントロールや受付業務の効率化、そして患者からの待ち時間の問い合わせにもスムーズに回答できるなど、さまざまなメリットがあります。
病院向けの予約システム事例
現在診療予約システムには、さまざまな種類のシステムが導入されています。そこでここでは、代表的な4つのシステムを紹介しながら、実際にどのような機能が搭載されているのかを検証していきます。
1. ドクターキューブ
診療予約システム専門の会社であるドクターキューブ株式会社が提供する診療予約・受付管理システム「ドクターキューブ」は、20年以上の実績があり、医療機関に対して3,500件以上(2021年2月現在)の導入実績を誇る人気の診療予約システムです。
「ドクターキューブ」の特徴は使い勝手の良さにあり、患者はインターネット環境さえあればスマートフォンやパソコンからいつでも、どこからでも診療予約が可能であり、さらに院内においても、受付を介さずタッチパネル方式で予約を取ることも可能です。
そしてドクターキューブのもう一つの特徴として、カスタマイズ力の高さがあげられます。予約の種類は順番予約・時間予約・時間枠予約に対応しており、併用も可能です。
さらに表示システムもフルカスタマイズが可能で、順番・待ち時間や人数など、表示する組み合わせやカラーデザインも、各医療機関のテーマカラーなどに合わせてカスタイマイズできます。加えて診察券発行機能も備えており、バーコード付きやQRコード付きなども選択できます。
また予約時に簡易的なweb問診が行えるので診療時間の短縮を実現でき、小児科で必須の予防接種予約機能では、一度リスケジュールを行えば、その後の予防接種予定が自動的に修正されるなど、他社のシステムにはない機能を備えています。
情報管理が堅牢な院内サーバー型のシステムのため、費用はシステムの内容により異なります。
2. メディカル革命byGMO 350
LINEを使って診療予約ができるのが「メディカル革命byGMO」です。
本製品の一番の特徴はシンプルな操作性で、患者はスマートフォンから予約の空き状況確認、予約登録、予約変更などをシンプルな操作で行えるほか、LINEからの予約は15秒で予約が完了します。患者の利便性が高まると同時に、再診率のアップが期待できます。
そして来院時も、web予約の確認メールに添付されたQRコードを利用することで手軽に患者自身で診察受付が可能で、受付業務の大幅な効率化が期待できます。
また多くの診療予約システムは電子カルテと連携できますが、本製品は他のシステムと比較すると連携できる項目が多いのが特徴で、連携実績は20社以上あります。
意外と時間がかかる会計の面でも、キャッシュレス決済と連携しており、本システムを利用すれば、医療機関側は大幅な業務の効率化が図れ、患者側にとってもスマートフォンがあれば診療予約から受付、さらには支払いまでできる利便性があります。
気になる費用は月額料金は20,000円、そして初期費用は200,000円からで、無料のお試しも可能です。
3. 3Bees 300
「Bee順番管理」は株式会社メディ・ウェブが提供する、患者の受診の順番管理を行うクリニック向けの診療業務支援ソフトウェアです。
街のクリニックなどでは、開院時間前から順番とりのための患者が列を作り、それに対応するためにスタッフも前倒しで出勤しなければならず、さらにその人たちがそのまま待合室で待ち続けるため、どうしても待ち時間が長くなり、待合室に密が生まれてしまうといった光景をよく目にします。
「Bee順番管理」を導入すると、患者はオンラインで予約が取れるようになるため、自分の予約時間に合わせて来院すればよくなり、結果として待ち時間の短縮、さらにはスタッフの業務の削減につながります。
さらに「Bee順番管理」には、順番を待合室などのモニターに映し出す機能があります。同じ待ち時間でも、あと何人で自分の順番かを視覚で理解できると、「体感待ち時間」を減らす効果が期待できます。その結果、待ち時間に関する問い合わせやクレームが減り、業務の効率化が望めます。さらに院外にいても患者はスマートフォンで待ち時間の目安がチェックできるので、診療待ちの患者の分散化を図ることもできます。
そして「Bee順番管理」には院内での受付管理機能があるため、受付スタッフと患者の接触を最低限に抑えることができます。また設置機器はコンパクトなipad型なので、小スペースのクリニックであっても置き場所に困りません。 費用は導入する機能の規模などにより変動します。
Bee順番管理〜クリニック向け順番管理・順番予約システム 3Bees(スリービーズ)
4. 診療予約2020
株式会社メディカルフォレストが提供する「診療予約2020」では、医療機関の受付方式に合わせて、「順番待ち版」「時間帯予約版」「複合版」の3種類のパターンが利用可能です。
予約管理の方法も画面をタッチして操作でき、管理されたリストは受付や診察室など離れた場所でも同時に閲覧できるためスタッフ間で情報共有が容易で、情報を一元管理するのにも便利です。
患者はオンラインで診療の順番や待ち時間が確認できます。実際に自分の診察が近づくと「もうすぐ診察お知らせメール」が受信できるので、院内での待ち時間を短縮することが可能です。
導入に際し初期費用は無料で、月額利用料は10,000円 (日割計算。「複合版」15,000円 <日割計算>)と非常にローコストで、お試しとして60日間無料で利用できるなど、コストパフォーマンスの点で大変優れています。
費用や機能がさまざまな病院向け予約システム
医療機関にとって、診療の待ち時間を減らすことは患者の評価を高め、再診率を挙げることにつながるほか、新型コロナウイルス対策が求められる現代においては、感染予防の観点からも重要です。
診療予約システムの導入は、感染予防対策、さらには待ち時間の軽減や診療予約取得の負担の軽減にもつながります。
現在診療予約システムは、多様な機能を備えたものから必要な機能だけを絞り込んで利用できるものまで、幅広い選択肢があります。施設の規模や予算に合わせて導入が可能なので、上手に活用することで集客や業務の効率化、さらには感染予防にも役立つでしょう。
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