新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされる飲食店が多い中、「ハレの日」利用が注目されています。時短要請にともなう営業時間の短縮が実施される中、ランチが外食の主役となりつつあります。
Go To Eat キャンペーンでは、オンラインの予約サービスでのポイント付与が話題となりました。
本記事では料亭のポイントカードの導入について実際の事例と、ポイントシステム、メリットについて解説します。
料亭でのポイント導入事例3選
料亭でポイントサービスをすでに導入している店舗もあります。本記事ではその中から「日本料理 車屋」、「高台寺 十牛庵」、「中国料亭 杯杯天山閣」の導入事例について紹介します。
1. 日本料理 車屋
「日本料理 車屋」ではグループ店舗各店で利用できるポイントサービスを独自に展開しています。
ポイントは利用料金100円(税抜)ごとに1ポイント貯まり、貯まったポイントは次の来店時以降に支払金額の一部として充当できます。
さらに会員限定の特別料理を提供したり、記念日に会員限定でサービスを提供したりしていることも特徴です。ほかにも季節に応じて会員向けのイベントも実施されています。
2. 高台寺 十牛庵ひらまつメンバー(レストラン&ホテル会員)
「高台寺 十牛庵」は、レストランやホテルを運営するひらまつが京都で営業する料亭です。
この料亭では、グループのポイントサービスである「ひらまつメンバーズカード」を導入しています。カードはグループで展開している飲食店やホテルで共通して利用でき、利用料金の5%がポイントとして還元されます。
貯まったポイントは1ポイント1円として、10ポイント単位で支払い時に利用できます。会員になるとひらまつグループの店舗や施設に関連したお得な情報を受け取ることができ、こうした情報を見て来店タイミングを決める会員もいると考えられるでしょう。
バースデー特典に、誕生日の前後3週間の期間は食事後にケーキの提供を受けられます。
3. 中国料亭 杯杯天山閣:スマホアプリでのポイント
「中国料亭 杯杯天山閣」が導入しているメンバーズカードは、支払方法に応じてポイント還元率が変わることやスマホアプリでポイントカードを管理できることが特徴です。
現金での支払いであれば3,000円ごとに1ポイント、クレジットカードの支払いであれば6,000円ごとに1ポイント貯まります。
ポイントは10点、もしくは20点貯まったときに利用でき、10点は1,000円分の、20点は2,000円分の割引特典を受けられます。
ポイントカードの種類とは?
一言にポイントカードといってもその種類は「共通ポイントカード」と「自社ポイントカード」の2つに分かれます。
1. 共通ポイントカード
共通ポイントカードとは、利用できる店舗が一つの店舗やグループ、業種などといった枠組みが決まっておらず、提携店舗あればあらゆる場所で利用できるカードです。具体的には、「Tポイントカード」、「楽天ポイントカード」「Pontaカード」といったカードがこれにあたります。
共通ポイントカードを導入する最大のメリットは、加盟店同士で相互に送客できるという点です。さまざまな場所で貯めたり使ったりできるポイントを切り口に新規顧客の獲得が見込めます。
多くのユーザーを抱えるポイントカードであればあるほどその効果は期待が持てます。
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2. 自社ポイントカード
自社ポイントカードは、同じグループの店舗や決められた店舗でのみ使えるカードです。共通ポイントカードとの大きな違いは、顧客情報を自社で管理できる点にあります。
収集した顧客情報から、自社の顧客層に即した戦略を立ててられるほか、裁量はすべて企業にあるためポイントキャンペーンも自由に実施できます。
自社ポイントカードは、提供している商品やサービスに独自性があったり、グループ内で独自の経済圏を構築する場合に適しています。
料亭にポイントカードを導入するメリットとは?
ポイントサービスの導入は店舗にさまざまなメリットをもたらします。本記事ではメリットについて、3つの観点から具体的に解説します。
1. 顧客情報の収集
1つ目のメリットは顧客情報が収集できる点です。基本的にポイントカードの登録に付随して顧客のデータを登録するため、会計時などカードを利用する際に、店舗側は同時に年齢や性別といった詳細なデータを取得できます。
年代や性別でコースや料理の好みに傾向が見えるのであれば、その属性に向けた集客の施策として、どのようなキャンペーンやメニューを考案するべきか、戦略を立てることに活用できます。
2. 顧客の囲い込み
顧客を囲い込みリピーターを獲得できることもポイントカード導入のメリットです。
ポイントカードを導入することで、顧客は一定のポイントを貯めるために複数回来店する可能性が高くなります。さらに貯まったポイントを特典と交換する際にも来店が見込めます。
加えて店舗に頻繁に通いポイントが貯まるうちに顧客満足度が向上し、愛着を持ってもらえる可能性も高まります。
さらに複数の店舗や業種にわたり利用可能な共通ポイントカードや自社グループ内で利用できるポイントカードは、顧客を相互に送客できるため、それによる囲い込みにも期待できます。
3. 優良顧客の獲得
優良顧客獲得の可能性が高まるのもメリットの一つです。
ポイントカードを導入することで新規顧客がリピーターになり、店舗やグループ、企業のファンとなることで、結果として優良顧客になる可能性が向上します。
優良顧客とは客単価の高い顧客や、頻繁に来店してくれる顧客を指し、そういった存在は店舗や企業にとって大きな利益をもたらしてくれます。
優良顧客獲得のためには、利用頻度や利用金額に応じて特典の内容を充実させ、優遇する制度が重要です。ポイントカードはそういった付加価値をつけやすく、優良顧客獲得につながりやすいといえます。
料亭でもポイントカードが導入されている
ポイントカードは導入することで、顧客情報を収集しマーケティングに活用したり、新規顧客やリピーターの獲得につながるというメリットがあります。ポイントカードとは縁遠いと思われることもある料亭ですが、中にはポイントカードを導入し独自のサービスを提供している店舗もあります。
メリットが多いポイントカードではありますが、高級料亭のような店舗では、ポイントカードを導入することが逆にイメージダウンにつながる可能性もあります。顧客の層やニーズを把握し、しっかりと検討したうえで導入することが大切です。
また導入する場合でも、どういった種類のポイントカードを導入するのか、ポイントの還元率はどの程度に設定するのかといった要素については十分な検討が必要となるでしょう。
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