コロナ禍の年末年始、2つのシナリオから考える旅行&外食需要の見通しとは?人出はGWより多・GoToの動向・五輪どうなる

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近頃、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、消費者の旅行や外食事情にも変化が生まれています。

11月から始まった第3波ともいわれる感染拡大は現在のところ引き続き広まりを見せており、この感染拡大がいつまで続くのかが大きな焦点となっています。

感染拡大が来年以降も続いた場合と封じ込めに成功した場合で、観光業界や飲食業界を取り巻く状況も異なってくることが予想されています。

そのため事業者においては、感染拡大が続いた未来と封じ込めに成功した未来を想定し、それぞれに対応した事業戦略を構築することが求められます。

今回は年末年始の旅行や飲食に関する抑えておきたい最新事情を取り上げ、更に感染拡大が続いた場合と封じ込めに成功した場合それぞれの業界の将来像を予想します。

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コロナ第3波到来か、東京都は警戒レベルを引き上げ

11月28日、1日の新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多となる2,681人を記録しました。

また、東京では11月27日、過去最多となる570人の新規感染者が確認され、第3波の到来ともいわれています。

東京都は感染拡大を受け、11月19日に感染症の警戒レベルを4段階中最高となる「感染が拡大していると思われる」に引き上げました。

感染症の警戒レベルが最高段階まで引き上げられるのは、第2波の感染拡大が収束した9月10日以来で初めてとなります。

東京都の小池知事は11月25日、重症化を抑え医療崩壊を回避するために、酒類を提供する飲食店などに対し営業時間を22時までに短縮するよう要請しました。

営業時間短縮要請の期間は11月28日から12月17日までの20日間とし、短期集中型の感染対策としたいと述べています。

なお、要請に応じた事業者には協力金として一律40万円を支給すると発表し、事業者に対して営業時間短縮への理解と協力を求めました。

また、今回の感染拡大では会食での感染者が家庭内に持ち込み家庭内感染を引き起こしたと思われる事例が相次いでいるとし、会食は少人数で開催するほか、重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人、その家族は会食に参加しないよう呼びかけています。

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新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、営業時間の短縮や往来の自粛を求める要請が各地で始まることになりました。11月27日現在、東京都・大阪府・北海道・愛知県の一部地域で、酒類を提供する飲食店やカラオケ店などに対する営業時間の短縮要請の実施が決まっています。では果たして、営業時間を短縮することで、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する効果はあるのでしょうか。データから検証していきます。<ポイント>前回8月の時短要請では、感染拡大抑制に大きな効果は認められず第3波の主要な感染経路は会食ではない...

年末年始の旅行と飲食はどうなる?知っておきたい最新動向

11月からの新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都における飲食店への時短要請をはじめ、観光業界と飲食業界を取り巻く環境には多くの変化が起きています。

ここでは、知っておきたい旅行業飲食業に関する政府や自治体の動きについて解説します。

旅行や外食に積極的な自治体、消極的な自治体

Go To Travel キャンペーンが本格的に始動した9月時点で、旅行や外食などに積極的な自治体と消極的な自治体は鮮明に分かれていました。

たとえば、宮城県、東京都、大阪府、鹿児島県などはGo To Travel キャンペーンを歓迎しており、各都県の知事はGo To Travelキャンペーンによる経済振興を評価しています。

大阪府の「大阪の人・関西の人いらっしゃい!キャンペーン」や鹿児島県の「GoTo鹿児島たっぷりプレゼントキャンペーン」のように、独自のキャンペーンを実施し観光需要の喚起を促す例も見られました。

一方で、たとえば岩手県、秋田県、静岡県、滋賀県などはGo To Travel キャンペーンを歓迎しておらず、各県の知事は感染拡大に対する懸念の声を上げていました。

滋賀県知事は、県内で感染者集団(クラスター)が発生した場合には事業者の同意を経ずに名称を公表するなどの方針を打ち出しています。

また、9月時点では旅行や外食に積極的であった自治体でも、近頃の感染拡大を受け改めて慎重な考えを示している地域もあります。

たとえば、千葉県の森田知事は近頃の感染拡大を受け、仕切りのないテーブルで会食する人数は4人までとするよう求めました。

他の自治体においても、近頃の感染拡大を受け旅行や外食の受け入れに関する考えを改めたり、新たな規制を導入する可能性は十分に考えられます。

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Go To Travelは来年も継続見込み、Go To Eatは近々終了

Go To キャンペーン全体の予算としては、1兆6,794億円が設定されています。

そのうち1兆3,500億円がGo To Travel キャンペーン、616億円がGo To Eat キャンペーンの予算として割り当てられています。

Go To Travel キャンペーンの実施は世間の大きな注目を集め、9月末時点でGo To Travel キャンペーンの予算のうち1,099億円が消化されました。

また、10月からは東京発着の旅行が対象として追加され、利用者は更に増加しました。これを受け、政府ではキャンペーン実施期間の延長も検討しています。

しかし、11月に入り感染が急拡大していることを受け、菅首相は11月21日、Go To キャンペーンの運用を見直すことを表明しました。

まずGo To Travel キャンペーンについて、感染拡大地域への旅行の受付を3週間停止し、既存予約も補助の対象外となります。

12月2日現在では、札幌市と大阪市が12月15日までGo To Travelキャンペーンの受付を停止しています。

なお、既に両地域への旅行商品を購入していた場合、12月7日までは手数料無料で取り消せます。

次にGo To Eat キャンペーンについて、当面の間は食事券の発行を停止しポイントの利用を控えるよう呼びかけることを各都道府県知事に要請しました。

12月2日現在では、北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県の10都道府県が食事券の発行を停止しています。

なお、既に取得したポイントの利用も控えるよう呼びかけられていますが、完全に禁止されている訳ではありません。

農林水産省は11月13日時点で、近くGo To Eat キャンペーンに割り当てられた616億円の予算を使い切る見込みと発表していました。

これを受け、ぐるなび食べログなどのグルメサイトでは、Go To Eat キャンペーンを利用した予約の受付が相次いで終了しています。

【速報】「GoTo」延長へ、1月以降も:予算状況から判断、国交相

赤羽国土交通相は9日の記者会見で、「Go Toトラベル」事業について、来年1月末までとしている実施期間について「あくまで目安」とした上で、延長もあり得るとの考えを示しました。終了時期は、予算の執行状況を見ながら判断するとのことです。また「キャンペーンの利用が休日に偏っている」という指摘については、平日の休暇取得促進や、平日でも利用しやすい旅行プラン作りに取り組むとしています。関連記事「GoTo」平日宿泊にポイント付与検討:需要分散・感染予防へ、観光庁「Go To」ビジネス出張対象外に、 1...

半数以上が忘年会の感染リスクを懸念、オンライン開催を望む声も

日本フードデリバリーが10月20日に公開した調査結果によると、半数以上となる54.1%の回答者が「忘年会に参加すると感染リスクが高まる」と回答しました。

また、24.6%の回答者が「今年は忘年会に参加したくない」と回答しており、そのうち88.6%が新型コロナウイルス感染への不安を理由として挙げています。

忘年会の開催場所として、24.6%の回答者がオンラインでの開催が望ましいと答え、その割合は20代が最も多くなりました。

これらの調査から、今年は忘年会の開催自体を取りやめるか、開催するとしてもオンラインで開催する流れが加速すると予想できます。

ほかにも、事務所に食材のデリバリーを頼み事務所内で開催する新しい形の忘年会も注目されています。

このような形の忘年会の広まりにより、店内飲食需要がデリバリー需要に変化する流れも見受けられます。

54.1%が「忘年会での感染」懸念、でも38.5%が「やるなら参加したい」:知っておきたい2020年忘年会最新事情と今からでも遅くない3つの

例年、12月は忘年会シーズンとして賑わいますが、今年は新型コロナウイルスへの懸念から、例年とは異なる忘年会事情が生まれています。日本フードデリバリーの調査によると、調査対象者の54.1%が忘年会で感染リスクが高まると回答しました。今回は2020年の忘年会最新事情について、いくつかの調査結果から消費者の忘年会に対する意識を読み取り、飲食店が実施すべき忘年会対策について解説します。関連記事コロナ禍の「クリスマスの理想の過ごし方」は?サイゼリヤ考案の食事用マスク「しゃべれるくん」実は出前館・Ub...

もし感染拡大が続いたら?封じ込めに成功したら?考えられる2つのシナリオ

12月2日現在、新型コロナウイルスの感染は引き続き広まっており、来年までに収束するかどうかは未だ予想できません。

今後も感染拡大が続いた場合と封じ込めに成功した場合では、観光業界や飲食業界を取り巻く環境は大きく異なってきます。

ここでは、感染拡大が続いた場合と封じ込めに成功した場合に起こる流れを予測し、今後の戦略設計の鍵となる要素について解説します。

感染拡大が続いたら:旅行や外食は低迷もオンラインに商機

近頃の感染拡大を受け、菅首相はGo To キャンペーンの運用を見直し、いくつかの自治体では酒類を提供する飲食店などの営業時間短縮を要請しています。

また、京都府ではゲーム「ポケモンGO」のイベント、岩手県では観光協会主催の祭りがそれぞれ中止されています。

このように、感染拡大が続けばイベントの中止なども続き、Go To キャンペーンや各自治体の独自キャンペーンなどの停止がさらに増える可能性もあります。

結果として、旅行需要は低下し、観光業は一旦厳しい状況に置かれる可能性も否定できません。

しかし、東京オリンピックは延期にこそなったものの、現在でも2021年夏の開催へ向けて準備が進められています。

11月16日には国際オリンピック委員会IOC)のバッハ会長が日本を訪れ、菅首相などに「大会を必ず実現する」と述べました。

東京オリンピックは有観客開催を目標として準備が進められているため、これが実現すれば来年夏にはオリンピック観戦を目的とした日本人の国内旅行とインバウンドによる観光需要の増加に期待が持てます。

さて、政府は特に感染リスクが高まる場面として「5つの場面」を注意喚起しています。その中には飲食を伴う懇親会、大人数や長時間に及ぶ飲食が含まれています。

プレジャーパートナーズが2020年6月、7月に実施した飲食店テイクアウトに関する調査では、回答者の80%が7月以降にテイクアウトを利用する予定と回答しました。

感染拡大が続くと外食は避けられ、消費者の間ではデリバリーテイクアウトの利用を優先する動きが高まると予想できます。

そのため、飲食店では早めにデリバリーテイクアウトに対応することで、消費者の行動の変化に対応できます。

なお、一部からはGo To キャンペーンが今回の感染拡大の主な原因になっているとする声も上がっています。

しかし、Go To キャンペーンの実施においては厳重な感染対策が定められており、感染対策を実施している店舗だけがキャンペーン対象店舗として参加できます。

7月の感染拡大と11月の感染拡大の経路を比較すると、夜の街が21%から3%、会食が13%から9%とそれぞれ減少し、家庭内での感染が27%から41%に増加しました。

これらの数値から、11月の感染拡大は家庭内感染が主な原因であり、夜の街や会食自体が主な原因ではないことがわかります。

いまこそ「第3波」に備える:チェックシートですぐわかる感染対策「業種別新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインまとめ」

北海道や大阪府を筆頭に、全国的に新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、い「第3波」とも2020年前半の新型コロナウイルスの感染拡大期に、飲食業や小売業、宿泊業などの各業界団体が、独自の感染拡大予防ガイドラインを定めてきました。これをふまえ、口コミラボの姉妹メディアである訪日ラボは「業種別新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインまとめ」を作成しました。このガイドラインでは、業種ごとに事業者側の対応や利用者向けの対策などをチェックシート方式でまとめています。本記事では資料の中から飲食店編...

封じ込めに成功したら:Go To Travel キャンペーンの延長とオリンピックに期待

CONNECTITによる調査では、約7%の回答者が年末年始に国内旅行に行き、約14%の回答者が年末年始に帰省すると回答しました。

合計で約20%前後が、国内旅行や帰省などの外出をする予定であることがわかります。

一方で、マイボイスコムが6月に実施した調査では、2020年のゴールデンウィークに外出した人は回答者の16.9%に留まりました。

同一の調査ではないことに留意が必要なものの、これらの調査から、緊急事態宣言後のゴールデンウィーク前後より現在のほうが多少は外出需要は回復しているといえます。

ただし、仮に感染拡大の封じ込めに成功しても、今年は外食での忘年会を避け事務所やオンラインで開催する動きがあることから、年末年始の店内飲食需要が例年通りに盛り上がることは難しいでしょう。

とはいえ、来年以降はGo To Travel キャンペーンの期間延長が旅行需要の回復に貢献する見込みがあります。

旅先の食事はほぼ全て外食であるため、旅行需要の回復にあわせて外食需要の回復も見込めます。加えて各自治体の独自キャンペーンも需要回復を後押しするでしょう。

政府は来年の東京オリンピック開催に向け、訪日外国人観光客の受け入れ再開を積極的に議論しています。

受け入れ再開にあたっては、PCR検査陰性証明の提出やアプリによる追跡、保険への加入を前提とし、入国後の14日の隔離を免除しオリンピック観戦を許可することが検討されています。

このような形でインバウンド観光客が復活すれば、旅行需要と外食需要のさらなる後押しにも繋がります。

オリンピック観戦にで日本を訪れる外国人観光客は比較的高所得であることが予想されるため、一度の旅行における消費も大きな額になり経済効果が期待できます。

【10月〜11月】日本政府の渡航制限緩和に関する動向まとめ:五輪に向け、インバウンドの隔離免除を検討 ほか

日本政府は2020年10月以降、全世界からの渡航制限を一部緩和するという方針を発表し、実際に10月から11月にかけて段階的に緩和を実行してきました。本記事では日本政府の渡航制限緩和に関する動向について、時系列で整理します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次政府は10月以降渡航制限緩和を進める方針を表明10月〜11月の政府の渡航制限緩和の動向10/1:全世界を対...

第3波を乗り切れるか否かが、来年以降の鍵となる

12月2日現在、新型コロナウイルスの感染拡大が既に1か月ほど続いており、今後の経済への影響が懸念されています。

しかし、緊急事態宣言後より外出需要が増えたことや、忘年会需要が完全に失われたわけではないため、春の感染拡大ほど深刻な影響はないとも考えられます。

この感染拡大期を乗り切れば、来年にはGo To Travel キャンペーンから東京オリンピック開催までの一連の流れで、旅行や外食需要の回復へと繋がる期待もあります。

今できる最大限の感染対策を徹底し、オンライン化、テイクアウトデリバリーなどの新しい消費者の需要に応えつつ、年末年始を乗り切ることが求められています。

<参照資料>

NHK:新型コロナウイルス 都道府県別の感染者数・感染者マップ

PR TIMES:2020年、ウィズコロナ時代における忘年会への意識調査 望まれていることは万全な感染症対策

PR TIMES:【全国1,000人に聞いた、年始の過ごし方に関する調査】2021年の年始は会えない代わりに年賀状に気持ちを託す?!Withコロナ時代のお正月の過ごし方とは

マイボイスコム:【 ゴールデンウィークの過ごし方 】に関するアンケート調査(第9回)

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    この記事の筆者

    口コミラボ編集部

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