アンダードッグ効果とは | 不利な方を応援したくなる心理・マーケティングへの応用方法を紹介

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アンダードッグ効果(負け犬効果)は、不利なチーム、弱い立場の人などに対して同情の心を抱き、つい応援してしまう心理現象のことを指します。心理学的なエビデンスによって説明される、人間の同情にまつわる心の動きを指す用語です。

日本人には特にその傾向が表れやすいとされており、歴史的な慣用句でいえば判官びいきとして説明できるでしょう。

アンダードッグ効果の意味を知り、さらにはマーケティングにどう活用していくかについて、成功事例を含めて解説していきます。

アンダードッグ効果(負け犬効果)とは

アンダードッグ効果は、弱者にあわれみを持ち、心を寄せる心理現象を指します。

使いようによっては事業を成長させることも可能なアンダードッグ効果について、詳しい内容を記載していきます。

弱い立場にあるものを応援しようとする人間の心理

具体例として挙げられるのは選挙であり、勝敗予測において劣勢が伝えられた候補に関し、同情心から応援票が投じられることを指します。

時にはアンダードッグ効果の効果は絶大であり、例である投票に基づいた選挙であれば、逆転勝利をするところまで含めた現象として表れます。

アンダードッグ(Underdog)は英語に由来し、和訳すると噛ませ犬を意味します。そこから意味が転じて、負け犬のニュアンスまで有するようになりました。

アンダードッグ効果は、別名負け犬効果と呼ばれることが多いですが、言葉通りに捉えると本来の負け犬はすでに敗北が確定しているため、逆転しての勝利現象までを含めたアンダードッグ効果とは意味が違います。

アンダードッグ効果は、あくまで敗北が確定していない段階の弱者、または不利な勢力などに同情し、これらを応援する心の動きおよびその現象を指しています。

バンドワゴン効果の対となる効果として知られる


アンダードッグ効果は、バンドワゴン効果と対照的な存在です。バンドワゴン効果もまた、アンダードッグ効果と同じく心理学によって説明される行動理論になります。

バンドワゴン効果は、勝ち馬に乗りたい心理として説明されます。アンダードッグ効果が不利な側を応援するのに対し、バンドワゴン効果は有利な側に肩入れし、優勢な側に立ちたい気持ち、ならびに結果として起きる現象までを示唆します。

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バンドワゴン効果とは?人気が人気を呼ぶ・反対の効果・意図的に引き起こすには?

アンダードッグ効果とバンドワゴン効果は心の移ろいの方向性が違いますが、それぞれ同じステージにある行動理論であるため、総称してアナウンスメント効果と呼ばれます。

日本では特に顕著な心理現象

アンダードッグ効果は、日本において非常に多く見られるため、活用によっては高い成果を見込める内容となっています。

九郎判官こと源義経に同情することを指して判官びいきと言いますが、日本においてはこうした心の移ろい、同情心の喚起が強い傾向として表れます。 源義経の特徴として、実の兄の源頼朝との確執、武蔵坊弁慶の忠義、静御前との恋の話が代表的に語られ、多くが義経への愛着という形を伴っています。義経が眉目秀麗に描かれる傾向にあるのも、アンダードッグ効果が容姿面の願望にも影響している一例といえるでしょう。

一方、同じように異母兄の頼朝から迫害された源範頼は、こうしたアンダードッグ効果の対象になっていません。この事実は、後段で示すとおりにアンダードッグ効果の適用には条件があることを示すとともに、弱者や敗者に同情する日本人であっても、その対象は選別している事実を確認できます。

アンダードッグ効果が人々に与える心理

アンダードッグ効果を理解し、その心理効果を人々に与えられれば不利な状況を改善できる可能性があります。

不利な状況下で人々に応援してもらえるアンダードッグ効果について把握しておきましょう。

弱いものを応援したくなる

アンダードッグ効果は、ただ不利な状況になれば応援してもらえるわけではありません。不利な状況になっても、懸命に頑張る姿をに同情する人や、その様子に胸を打たれた人が応援をしてくれるようになります。

感動を呼ぶ

不利な状況に立ち向かって頑張る姿は感動を与えます。大逆転やドラマチックな状況に惹かれて、状況が不利な方を応援したくなることでアンダードッグ効果が現れることがあります。

自分たちが救ったという達成感がある

実際に手を差し伸べることで状況が好転した時に、「逆転の一助になった」「自分が関わることで救えた」という感情も芽生えます。

アンダードッグ効果の成功事例

森永製菓|焼きチョコ「ベイク」の自虐ツイート

森永製菓公式Twitterより引用

2019年7月29日、森永製菓のTwitter公式アカウントが「焼きチョコ『ベイク』が何をしても売れず、絶望しています。。」とつぶやいて、買わない理由を100円で買い取る募集をしました。このツイートが「自虐的で面白い」「私はベイク好きだ」などと話題になり応募のリツイートが殺到。開始から2日足らずで予算が尽きる大反響に。引用リツイート数も2日足らずで4万件を超えました。

フレッシュネスバーガー|スパムバーガーの販売停止危機逃れる


フレッシュネスバーガー公式Twitterより引用

フレッシュネスバーガーでは社内で一番人気でありながらも売り上げが最下位である「スパムバーガー」を期間中に8位以内に入らなければ販売停止というキャンペーンを行ったところ、見事4位に入り販売が継続されました。

アンダードッグ効果を活用したよくあるマーケティング施策

アンダードッグ効果は人間の心理の一端であるため、顧客の欲求喚起に始まるマーケティング施策への応用が考えられます。その方法は、具体例を通して知ることで、より正確に理解につながるでしょう。

1. 地域密着型の店舗による既存の関係性を活用した施策

アンダードッグ効果のマーケティング分野への応用は、消費者に対する購買意欲の刺激という形で発揮されます。小売店における特殊な値引き表示は、アンダードッグ効果の代表的な例です。

仕入れ担当者が入荷しすぎたという理由付けによる安売りに対して、顧客は購買の意思決定に影響を受けます。

すなわち、仕入れの失敗という弱者的状態に対する同情と、それに端を発するアンダードッグ効果です。自らの中に義侠心を呼び起こされた顧客は、時に必要やコストパフォーマンスを超えて購買に至ります。

実際に発注ミスを起こした店舗が購買をTwitterで呼びかけたところ全て完売したという事例はいくつも見受けられます。

アンダードッグ効果は、その担当者が地域における深い関係性を構築していればいるほど、影響を強くします。日頃から利用している店舗の危機であり、地域における貢献者の失敗であるとするならば、相互扶助の精神に基づいて助ける動機が発生するためです。

たとえ、その動機がアンダードッグ効果によって強化された思い込みに過ぎないにしても、顧客の意思決定には少なからぬ影響を与えます。それは同時に、アンダードッグ効果が単なる失敗に対して発生するものではなく、個人の信頼や動機の必然性といった他の要素も加味している点を見いだせるでしょう。

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2. 売れなくなった商品への同情を促すマーケティング施策

人の失敗だけがアンダードッグ効果ではありません。アンダードッグ効果は物品の失敗に関しても、効力を発揮できます。

物品の失敗とは、すなわち期待ほどに売れていない商品です。こうした売上を改善したい商品を想定したとき、アンダードッグ効果がテコ入れとして使えます。

それが社内において広く評価されているものであり、アピールによって改善が見込めるポテンシャルがあれば、実際にプロモーションする価値、ならびに顧客の意欲にリーチする可能性は増加するでしょう。

アンダードッグ効果は、現代においてはバイラルマーケティングとの相性が良いことで知られています。SNSにおいて誤発注を嘆く内容を投稿した場合、顧客が何とかして助けてあげたい失敗であれば、爆発的に売れる結果を招来できます。

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アンダードッグ効果をマーケティングに応用する際のポイント

アンダードッグ効果は、マーケティング分野において応用が利く理論です。その一方で、応用にあたっては押さえておくべき重要なポイントがあります。 中でも、作為性を排除しつつ、アンダードッグ効果を最大限に発揮するための要点は、以下の2つに集約されるでしょう。

1. 努力していることが大前提

努力は、アンダードッグ効果にとって必須といえる要素です。努力の欠如はアンダードッグ効果を薄れさせ、場合によっては効果をまったく発揮させません。

単に弱いチームがあったとして、彼らが日頃から鍛錬をしていないのであれば、顧客の中にアンダードッグ効果は生まれません。因果関係として、努力していないゆえに弱いことは、顧客には自業自得として映るからです。

努力していたり、泥にまみれて奮闘していたりするにもかかわらず、どうしようもない事情によって弱い立場や不利な事態に追い込まれていると、アンダードッグ効果が顧客の中で目を覚まします。弱さは悲劇的な物語となって、予想される結末から救ってあげたいという気持ちを芽生えさせます。

2. 自己開示し、弱みも消費者に見せる

アンダードッグ効果において、弱みをさらけ出すことはとても重要です。いわば自己開示というべき行動によって、顧客の中には共感や同情心が生まれます。

アンダードッグ効果は、顧客がその弱さに納得し、同意するところから生じます。良い形で努力したとしても、うまくいかないことは世の中にあふれています。

その一方で、自身/自社が負け組であること、不利な状況にあることを認めるためには、同時に自らの弱さや不出来を認めなければなりません。自分は優秀だが社会が悪いといった態度では、同情どころか反感を買う結果にもつながりかねず、アンダードッグ効果の発生は期待できないでしょう。

相手が内面を見せてくれるからこそ、自分も開示する気になる返報性の原理によって、顧客は弱きアンダードッグにどうにかして報いたくなる、それがアンダードッグ効果です。ここから弱さをあらわにする自己開示を抜くと、うまく作動しなくなります。

アンダードッグ効果は弱くても一生懸命な者を応援したいと思う心理

アンダードッグ効果は、たとえ負けそうな状態にあっても、なおも立ち上がる懸命な存在に対して、顧客が抱く共感、同情、応援といった気持ちを心理学的に説明した行動理論です。それは心理学によって担保される人間心理の傾向ですが、錯覚ではありません。

顧客は弱者に感情を乗せ、信頼をもって肩入れをしたいと願います。このため、弱者がそうなって当然であったり、信頼関係を毀損するような度を越した作為性があれば、たちまちアンダードッグ効果は失われるでしょう。

アンダードッグ効果は中小の店舗や地域の個人経営だからこそ使える、大企業に対しての武器になりえる理論です。一方で、マーケティングだからと商売っ気を出しすぎれば、顧客は冷水を浴びせられた気分になり、もはや弱者を助けたいという気持ちを失いかねません。

真剣に努力し、まじめに戦い続けてきたという実績と姿を見せることが、弱者たる信頼関係の構築の土台となり、アンダードッグ効果を最大限に引き出してくれます。

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