SNSでの情報収集は主流になりつつあり、ホテルや旅館といった宿泊施設の集客手段の一つとしても存在感を高めています。
中でも写真や動画をメインコンテンツとするInstagramはホテルとの相性がいいとされています。
施設内の様子、客室、食事、周辺の観光地といったホテルに備わった魅力をしっかりと伝えられるため、効果的なプロモーションにつなげられます。
この記事では、ホテルがSNS集客をすべきる理由、Instagramの3つのメリットと活用ポイントを解説します。
ホテルがSNSを活用すべき理由
旅先での過ごし方や滞在先、観光スポットなど、旅行に関する情報はいまやSNSでも多く検索されています。
SNSにはFacebook、Instagram、Twitterなどがありますが、その中でも写真や動画をメインコンテンツとするInstagramはホテルなど宿泊施設との相性がよく、導入している事例が多く見られます。
SNS集客を取り入れることで、写真による視覚的なアプローチが可能になるだけでなく、情報のバズや拡散が期待できます。
また「ハッシュタグ」は世界共通で使われている機能であり、インバウンド対策にもなります。
ホテルとInstagramは相性抜群?3つのメリット解説
Instagramは2010年10月に写真をメインコンテンツとするSNSとして誕生し、2013年には動画に対応、2015年には従来の正方形だけでなく、縦長や横長の写真、動画に対応するなど、サービスの幅を広げています。
2019年6月には国内の月間アクティブユーザー数が3,300万人を突破したと発表しており、今後さらなる成長が期待されているプラットフォームです。
以下では、ホテルにおけるInstagram活用のメリットを紹介します。
メリット1. ホテルとInstagramの相性は良い
Instagramのメインコンテンツとなる写真や動画は旅館やホテルの居室、食事、景色などのアピールに適しており、ホテルとInstagramの相性は良いといえます。
国内のみでも3,000万人以上、世界全体では10億人以上のユーザーを抱えるInstagramを活用できれば、従来のテレビやラジオ、雑誌などのプラットフォームと比べて、より多くの人により早く情報を知ってもらえる可能性を秘めています。
少ない広告費で多くのユーザーにアプローチできるため、効率よくプロモーションできます。
メリット2. 自社の集客チャネルを構築できる
楽天トラベル、じゃらん、一休.comなど、OTA(Online Travel Agent)への掲載は、有効な集客施策となりますが、掲載料や手数料が発生するデメリットがあります。
この問題を解消するためには、外部サービス経由で予約を獲得するだけでなく自社独自の集客チャネルを構築する必要があります。
知名度の低いホテルや旅館の場合、公式サイトで独自の集客チャネルを構築することは容易ではありませんが、Instagramを利用して魅力的な写真や動画を載せ、ハッシュタグの利用など投稿内容を工夫することで集客チャネルとしても機能します。
メリット3. 位置情報を使った投稿ができる
Instagramでは、位置情報を利用した投稿機能があり、位置情報とともに投稿された内容は、地名で検索しているユーザーの検索結果に反映されるため、ホテル名や旅館名を認知していないユーザーにもアプローチできます。
旅行や出張の下調べとして、訪問予定の地域にある飲食店、宿泊施設、観光地、名物などをInstagramで検索するユーザーもおり、情報収集をしている段階のユーザーにアピールできる点は大きなメリットです。
位置情報をつけて投稿するほか、ハッシュタグに地名をつける方法も効果的です。
メリット4. 常に最新情報を発信することができる
InstagramをはじめとするSNSでは、いつでもリアルタイムの情報を発信できます。
テレビCMであれば放映開始のタイミング、雑誌であれば出版のタイミングで最新の情報を載せることになりますが、SNSであれば任意のタイミングでホテル、旅館に関する情報や投稿の内容を変更できます。
日々、新しい情報を発信することでユーザーを飽きさせないための施策にもなるでしょう。
Instagram活用を集客につなげるポイント
Instagramアカウントに投稿されている写真や動画は、ユーザーがホテルを選ぶ際の参考になります。
そのため、あらかじめターゲットを設定してクオリティの高いコンテンツを投稿することが大切です。
以下では、ホテルの集客施策としてInstagramを活用するうえで注意すべきポイントを紹介します。
1. ターゲットを定める
Instagramをはじめ、SNSでの情報発信では内容だけでなくターゲットも意識すべきポイントです。
プラットフォームごとに異なるユーザー層やユーザーニーズを把握したうえで、ターゲットを選定することが大切です。
旅行メディアStaywayの調査によれば、旅行プランを練る際に20代の26%がInstagramの情報を活用していますが、30代、40代ではその割合は10%台になります。
プラットフォームごとの特徴を踏まえたターゲット設定がカギとなります。
2. 投稿の世界観を統一
Instagramに投稿する写真や動画は、宿泊施設のイメージに沿ったもので統一すると、内容に一貫性が生まれます。
特に、コンテンツの色調や撮り方は世界観を大きく左右する要素のため、意識すると良いでしょう。
Instagramの加工、フィルター機能を利用することも有効ですが、実際に施設を訪れた際にイメージとの乖離が生まれないよう注意する必要があります。
3. 高画質で継続的な投稿
Instagramを活用して集客につなげるためには、質の高い投稿を定期的、かつ継続的にリリースしていくことが大切です。
まず、投稿する写真や動画のクオリティは見込み客の獲得に直結します。
競合施設と差別化を図りつつ、より興味をひきつけるような投稿を心がけましょう。
また、定期的な情報発信がなければユーザーは離れてしまいます。
新規フォロワーを獲得し、既存フォロワーの流出を防ぐうえでは、継続的な投稿が必要不可欠です。
4. ハッシュタグを活用する
ハッシュタグとは、特定のキーワードの頭に「#」をつけたタグを指します。
ホテルの場合であれば「#ホテル」、「#旅行」などのタグを使用するとそのキーワードを検索した際に結果に表示されやすくなります。
さらに「#hotel」や「#travel」のように英語で記載しておけば海外のユーザーにもアプローチできます。
また、ホテルの所在地名や周辺の観光名所をハッシュタグとして付けておくことも効果的です。
旅行前の情報収集をしているユーザーが使いそうなキーワードでタグ付けすることがポイントです。
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ハッシュタグ検索とは
5. ストーリーズ・ハイライトを活用する
Instagramには、通常のフィード投稿とは別にストーリーズと呼ばれる配信機能があります。
ストーリーズの特徴は一定時間しか公開されないタイムリーなコンテンツが投稿できる点で、写真や動画は投稿の24時間後、ライブ配信は配信終了時に閲覧できなくなります。
公開期間の終了後も残しておきたいコンテンツはハイライト機能を利用すると、いつでもユーザーが閲覧できる状態で保存されます。
また、ハイライトでは複数のストーリーズ投稿を任意のタイトルでまとめておくことができます。
6. キャンペーンをする
THE THOUSAND KYOTOの事例のように、キャンペーンを活用してInstagramのフォロワー増加や認知度向上につなげる方法もあります。
特に、フォローや「いいね!」をするだけで参加できるキャンペーンは、ユーザーも気軽に参加できるため、好まれやすい傾向にあります。
より多くのフォロワーを獲得したい場合には効果的な手法です。
7. インフルエンサーによる投稿
多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーに投稿してもらうことで、ホテルの認知度を向上させられるでしょう。
インフルエンサーを起用した投稿のメリットは、ホテルに興味を持っているユーザーだけでなく、インフルエンサーのファンにもアプローチできる点です。
また、コラボイベントやキャンペーンを実施できれば、さらに集客効果を高められる可能性もあります。
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ホテルの成功事例5選
ホテルや旅館のアピールをするうえでInstagramの活用は非常に有効です。
認知度を高められるだけでなく、写真や動画を通して施設の魅力をアピールできれば集客につなげられます。
また、宿泊者の投稿をフォロワーが見て、新たな見込み客を獲得できる可能性もあります。
以下では、ホテルや旅館におけるInstagram活用事例を紹介します。
ホテルインディゴ箱根強羅
2020年1月にオープンした同館では、SNSの拡散力を活用したウェブマーケティングに取り組んでいます。
Instagramでは主に客室や施設内部、料理の写真を投稿しています。
またモデルの青柳文子氏をはじめとするインフルエンサーを起用して、実際に宿泊した際の写真を感想とともに投稿するなど、認知度向上に役立てています。
<参照>
Instagram:ホテルインディゴ箱根強羅による投稿
THE THOUSAND KYOTO
THE THOUSAND KYOTOは、京都府京都市下京区のホテルです。
同館は、Instagramのフォロワーを増やすための施策として宿泊券があたるキャンペーンを定期的に実施しています。
THE THOUSAND KYOTOのアカウントをフォローして投稿に「いいね!」をつけることが参加要件とされており、キャンペーンは同館のフォロワー獲得に貢献しています。
<参照>
Instagram:THE THOUSAND KYOTOのアカウント
ホテルニューオータニ
ホテルニューオータニは、東京、大阪、千葉などでサービスを展開する大手ホテルチェーンです。
3.7万人ものフォロワーを獲得しており、フィード投稿よりも長時間の動画を配信できるIGTV機能、ストーリーズのハイライト機能など、Instagramのさまざまな機能を活用して効率的に運用しています。
ハッシュタグや投稿に英語を取り入れるなど、インバウンド対策にも力を入れています。
<参照>
Instagram:ホテルニューオータニによる投稿
グランヴィリオリゾート石垣島
グランヴィリオリゾート石垣島は、沖縄県石垣市にあるホテルです。
多くのホテルが主に客室や食事などを掲載している中、同館はそれに加えて周辺の観光地や石垣島の風景などもメインで投稿しています。
ホテルの周辺にどのような施設や観光地があり、その地域にどのような魅力があるのかという点は旅行客にとって重要な情報であり、それらの情報を注力的に発信することは見込み客を獲得するうえで有効な手段です。
<参照>
Instagram:グランヴィリオリゾート石垣島による投稿
星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳
メインターゲットであるオトナ女子に合わせ、色鮮やかな画像や動画を中心に掲載するなどフォトジェニックな投稿が目に留まります。
同館では、Instagramの投稿を通して、日常から離れてリゾートを満喫できるホテルの良さをアピールしています。
<参照>
Instagram:星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳による投稿
Instagramの多様な形式のコンテンツでイメージを伝え、ホテルへ集客
写真や動画をメインコンテンツとするInstagramは、数多くのSNSの中でもホテルの情報発信に適したプラットフォームです。
施設内の様子、客室、食事はもちろん、周辺の観光地や風景などを投稿することで、ホテルの魅力だけでなく、旅行の際の楽しみ方も伝えられます。
また、位置情報やハッシュタグを利用することで旅行前の情報収集をしているユーザーにダイレクトにアプローチできるメリットもあります。
さらに、Instagramでは写真や動画を投稿するだけでなく、フォロワーを対象としたキャンペーンの実施、インフルエンサーの起用など、さまざまなプロモーションが可能です。
明確なターゲット像を設定し、ホテルのイメージに合った質の高い写真や動画をInstagramに投稿していくことで、施設の認知度の向上や新規顧客とリピーターの集客が期待できるでしょう。
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