食べログやぐるなび、ホットペッパーグルメ、Rettyなど、グルメサイトは多岐に渡ります。
それぞれで何が違うのか、選ぶ基準や自店が掲載するにはどのグルメサイトが良いのかなど、グルメサイト選びに迷う飲食店も多いでしょう。
グルメサイトに店舗情報を掲載する際には、きちんと下調べをしたうえで自店に適したグルメサイトを選定する必要があります。
この記事では国内でも最大級のグルメサイト「食べログ」と「ぐるなび」を比較しながら、各サイトの共通点や違い、グルメサイトの選び方について解説します。
食べログ・ぐるなびの基本情報
まずは「食べログ」「ぐるなび」の利用者数やコンセプトなど、基本情報を見ていきます。
食べログとは
主要なグルメサイトの中でも、国内最大手の規模と言えるのがこの「食べログ」です。
「食べログ」は、株式会社カカクコムが運営するレストラン検索・予約サイトで、2005年3月にサービスが開始されました。
その利用者数は他のグルメサイトと比較しても群を抜いており、月間総ページビューは13億2,841万PV、月間利用者数は9,283万人(2020年6月現在)にも及びます。
加盟店舗数は2020年6月時点で約80万店と、こちらも圧倒的な規模を誇っています。
また、月間利用者数の約8割がスマートフォンからの利用者で、自宅や出先でアプリなどを使い、気軽に利用しているユーザーが多いことも特徴です。
多くの口コミが寄せられていることから、お店選びの参考に有益だと定評があります。
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ぐるなびとは
長い歴史を持ち、飲食店へのサポートの手厚さにも定評があるのが「ぐるなび」です。
「ぐるなび」は株式会社ぐるなびが運営する飲食店の検索・予約サイトで、1996年にサービス提供を開始しています。そのため長年利用しているユーザーが多いことが特徴です。
2019年12月の段階で月間ユニークユーザー数は5,600万人、加盟店舗数は59,067店舗で、ぐるなび会員は2020年1月1日で1,850万人でした。
そしてぐるなびは、飲食店への手厚いサポートで有名です。店舗ページの作り方などの講座を受講できるほか、有料プランでは店舗の担当営業によるコンサルティングサービスを受けることができます。
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次に「食べログ」と「ぐるなび」を比較し、その共通点と違いについて具体的に解説します。
共通点:収益方法
「食べログ」と「ぐるなび」の共通点として、その収益方法が挙げられます。どちらのサイトも店舗の有料プランと有料会員からの会員費によって収益を得る仕組みとなっています。
両サイトで、店舗向けの有料プランでは、無料プランにはない集客機能の強化やサポートサービスを受けられるようにし、ユーザー向けの有料会員制度では、無料会員にはない便利な機能や特典を利用できるようにしています。
こうした魅力的な有料プランや有料会員制度を利用してもらうことで、売上を得る仕組みです。
違い1:掲載料金
食べログとぐるなびの一つ目の違いとして掲載料金が挙げられます。
食べログの掲載料金は、月額1万円から10万円(すべて税抜き)までの間で4種類のプランが用意されています。
低額なものから「ライトプランS(1万円)」「ベーシックプランS(2万5千円)」「プレミアム5プランS(5万円)」「プレミアム10プランS(10万円)」です。すべてのプランでこれらの固定料金に加え、月毎にネット予約をした人数に応じた手数料が加算されます。
一方、ぐるなびの掲載料金やプラン内容については、現在公式サイトでは公開されていません。過去の媒体資料によると、ぐるなびの掲載プランは「エントリー会員プラン」「ビギナー会員プラン」「販促正社員プラン」の3種類あり、それぞれ掲載料金は無料、月額1万円、月額5万円~となっています。
ただし、プランや料金体系については現在変更されている可能性があるため、直接問い合わせをして確認する必要があります。
各サイトの掲載料金やプランごとのサービス内容をきちんと確認し、比較検討してから自店舗に適したサイトやプランを選ぶことが大切です。
違い2:ビジネスモデルの視点が店舗かユーザーか
食べログとぐるなびの2つ目の違いは、ビジネスモデルにおけるターゲットの違いが挙げられます。
食べログは「失敗しないお店選びを」をコンセプトとし、「ユーザー目線」にフォーカスをあててサービス提供をしています。口コミを充実させ、検索をよりスムーズにするなど、ユーザーにとっていかに使いやすくするかという点に注力しています。
一方、ぐるなびは「店舗目線」を重視し、飲食店の課題解決のためのサービスを提供しています。ITを活用した顧客分析や予約管理システムなど、飲食店の集客に役立つサービスの開発や提供が特徴です。
違い3:利用ユーザーの内訳
利用ユーザーの内訳を見ると、全世代で利用される食べログに対し、ぐるなびは30代、40代のユーザーを中心に利用されていることがわかります。
日経クロストレンドは2018年、調査会社のテスティーとともに飲食店情報サービスの利用動向調査を実施しました。
飲食店を探すときにもっとも利用しているサービスをたずねると、10代から40代の全年代で1位になったのが食べログという結果になりました。
2位以下のサービスは年代ごとにまったく違う結果になっており、10代ではInstagram、20代ではホットペッパーグルメ、30代と40代ではぐるなびという結果でした。
ぐるなびは競合他社に先駆けてサービスを開始したこともあり、普及段階からの30代、40代のユーザーが今も利用しているものと考えられます。
グルメサイトの選び方3選
以下では、実際にグルメサイトを選ぶ際に何を選定基準とするかについて、3つの方法を解説します。
選び方1. 利用目的とターゲット層を元に選ぶ
1つ目は、店舗のターゲット層と、グルメサイトのユーザー層を比較する方法です。
店舗のターゲット層とグルメサイトのユーザー層が同じであれば、そのサイトに店舗情報を掲載することで集客への効果が期待できます。一方で、店舗のターゲット層と違う層が多く利用しているグルメサイトに掲載しても、集客につながる可能性は低いといえます。
例えばぐるなびでは、利用者の男女比は男性が53.4%、女性が46.6%です。年代では30代が27.9%で一番多く、次に40代が27.4%とこの2つの年代で半数以上を占めています。その次に50代で17.2%、20代で13.1%となっています。
これらの数字から、ぐるなびは老若男女幅広い層から利用されていますが、特に30~40代の利用者が多いことが分かります。そのため、顧客の男女の割合が均等で30~40代が多い飲食店などは、ぐるなびへの掲載が適しているといえるでしょう。
選び方2. 規模(利用者数、会員数、店舗数)を確認
2つ目はグルメサイトの「利用者数」「会員数」「店舗数」が多い順で選定する方法です。
これらの数字が多いということは、そのグルメサイトが人気だということです。人気のあるグルメサイト、つまり見てくれる人が多いグルメサイトに登録することで、飲食店の認知度向上が期待でき、集客につながる可能性も高まります。
同じコストをかけるのであれば、より利用者数や会員数の多いグルメサイトを選ぶとが良いでしょう。ただし人気で登録店舗数が多いということは、それだけ競合他社との競争が激しく、他の店舗に埋もれてしまう可能性があります。
そういった点も考慮し、他店に負けない強みを確認すると良いでしょう。
各グルメサイトの数字に関しては、公式サイト上の「会社情報」などから調べることができます。
選び方3. サービス、機能、特徴で選ぶ
3つ目は、各グルメサイトのサービスや機能、特徴を比較してから選定する方法です。
食べログは、利用者数・加盟店舗数の多さが特徴です。また、「時間帯と曜日から選べるゴールデンタイム枠に露出強化」「店舗ページの情報を充実」など集客力アップに関するサービスが充実しています。
ぐるなびは、運営年数が長いため、長く利用するユーザーが多くいます。また「販促プランの構築サポート」「アンケート結果の配布」「店舗経営に関する講座」「ぐるなびカスタマーサポートセンター」など、飲食店支援の手厚いサービスが特徴です。
グルメサイトやプランによってサービス内容や特徴、利用できる機能がそれぞれ違うため、細かく確認してから利用を検討することが重要です。
グルメサイトを利用して集客力アップ
グルメサイトへの掲載を検討する場合、まずは自店舗の課題から必要なサービスを認識し、顧客の属性を把握し、それら踏まえた上で店舗に合ったグルメサイトを選ぶことが重要です。選定基準としては、店舗とサイトのユーザー層の合致度や、サイトの認知度、また、サービス内容や利用できる機能などが挙げられます。
そして、グルメサイトに登録した後は、機能を把握して積極的に利用し、魅力的な写真やプランを用意するなど、最大限活用する姿勢が必要になります。
あくまでもグルメサイトに掲載すれば集客力が上がるというわけではなく「グルメサイトに手助けしてもらう」という心構えのもと、運用していくことが大切です。
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