テイクアウトで起こり得るトラブルは? 必要な営業許可や防止対策も紹介

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新型コロナウイルスによる経済影響、いわゆる「コロナショック」の影響は飲食業界を直撃しています。株式会社ショーケースが飲食経営者に行ったアンケートでは、6割が「このままでは事業継続困難」と答え、活路を見出すため新たな策を模索する店舗が増えています。

加えて今後強化・検討したいこととして最多回答の「衛生面の強化」に次ぐ回答が「宅配やテイクアウト強化」です。消費税の増税時に開始された軽減税率制度により需要が増えたテイクアウトが、新型コロナウイルスにより追い風になると同時に、トラブルへの懸念も増えています。

この記事ではテイクアウトで起きやすいトラブルや、防止策、対応法について解説します。

テイクアウトで起こり得るトラブル

新型コロナウイルスの感染を予防しながら、自宅で外食を楽しめるテイクアウト利用者側の需要も増えています。しかし、梅雨から夏にかけて起こりやすい食中毒や、急激に伸びている需要にオペレーションなどが追い付かず、起きてしまうトラブルも少なくありません。

食中毒

毎年多くの患者がでる食中毒は飲食店にとって他人事とはいえないトラブルです。

厚生労働省の発表では、2019年に起きた食中毒は1,061件で、その半数以上が飲食店で発生しています。

テイクアウト商品は、持ち帰るまでの距離、温度環境、時間などが全て顧客のタイミングになるため、状況を管理しやすい店内飲食よりも細心の注意を払った衛生管理が必要です。

食中毒が起きてしまった場合、飲食店にはさまざまなリスクが発生します。顧客への損害賠償、営業停止処分や店舗情報公開による売り上げの低下などが起こりえます。

さらに、SNSや口コミサイトなどインターネットでの書き込みが盛んな昨今では、信頼回復までに時間がかかってしまうことも考えられます。

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オペレーションのミスによるクレーム

新型コロナウイルスの影響により新たにテイクアウトを始めた店舗も多くありますが、イートインとのバランスや、オペレーションの検討が必要です。

特に忙しいランチやディナータイムの注文が重なる時間帯は、オーダーミスや提供時間の遅れが、クレームや顧客離れにつながる可能性があります。

県内移動自粛緩和など、規制解除が進むなか、今後店内飲食が徐々に増えることも予想されるため、スムーズなオペレーションを考えることが売り上げの向上につながります。

容器トラブル

トラブルの中でも見落としがちなポイントが容器です。テイクアウトの持ち帰り方法や食べる環境は顧客によって異なるため、さまざまなシーンを想定し快適に食べられるよう配慮しなければなりません。

メニューとあっていない容器を使用すると、液漏れや破損の可能性があります。こうした事態は店の信用低下やリピーター喪失につながる場合があります。

トラブル防止のための対策

トラブルは飲食店に損害を生みますが、対策と準備をすることで未然に防止を図ることができます。

事前対策から、トラブル発生後の補償をカバーする保険や備品など、起こり得るトラブルへの対策をご紹介します。

食中毒を防ぐための対策

食中毒を防ぐには、徹底した衛生管理が重要です。調理現場では、調理前、生魚や肉を触ったあとの手洗いの徹底、肉用や野菜用など、素材ごとに包丁やまな板をわけることで菌の増殖や、移動を防止します。

温度が上がりやすい調理場で、食材を室温で放置せずに冷蔵庫などで保管し、保存時は生魚や肉をラップに包むことで、食品から出たドリップが他の食品に移ることを防ぎ、菌の発生を抑制できます。

テイクアウトメニューには、さらなる注意が必要です。

料理が熱いまま容器にいれてしまうと、ふたの内側に水滴がつき容器内の水分が増えるため、菌の増殖につながる場合があります。

そのため、料理は粗熱がとれてから容器に入れる、温かい料理と冷たい料理がある場合は、容器や袋を分けて水分が増えない工夫をすることで、食中毒防止につながります。

調理工程以外では、テイクアウトの提供方法に合わせたメニュー選定や顧客に速やかな喫食を促すシールや呼びかけをすることも対策になります。

食中毒が発生してしまった時のための対策

食中毒などのトラブルに万全の注意を払っていたとしても、問題が起きる場合があります。顧客への損害賠償や場合によっては裁判費用などがかかります。

こうした場合をカバーする保険が、「PL保険(生産物賠償責任保険)」です。

飲食業の場合は食中毒などのトラブルがあるため、加入しておいたほうがいい保険です。この保険に加入していると、店が販売、提供した飲食物で顧客が食中毒になった場合、損害賠償金を補償します。

保険会社の内容により異なりますが、通常損害賠償金には、治療費、医療費、慰謝料等も含みます。

その他には被害拡大や再発を防ぐ「損害防止費用」や、他業者から仕入れたもので顧客が食中毒になった場合、仕入れ先に損害賠償の弁償を請求するための「権利保全行使費用」、訴訟になった場合の弁護士や訴訟のための「争訟費用」などもカバーされます。

食中毒は顧客への補償だけでなく他の問題を生み出す場合があります。特約にはなりますが、PL保険では食中毒が発生し売り上げが下がったときに、営業利益や従業員の給与などをカバーするオプションもあります。

特約にはいくつかの種類があるため、店で提供する内容や業態によって加入するべきか考える必要があります。

クレームを防ぐスムーズな提供

スムーズな提供を実現するためにはオペレーションを整え、店内飲食とテイクアウトの注文を両立し、効率よく提供しなければなりません。

具体的な対策として、メニューの一部を先に作っておく部分別料理の方法があります。この準備をすることで、提供までの工程を省けるため、スムーズな提供ができます。

他には事前オーダー制や売り切り制にすることで、一日に製造する量をあらかじめ把握するなどの対策が考えられます。

テイクアウト備品の整備

テイクアウトに使用する容器は、提供するメニューを決め、いくつかのポイントを意識することでクレーム回避につながります。

提供するメニューとサイズがあっているか、衝撃に耐えられる容器か、汁物が漏れやすくないか、などを意識して選ぶことが重要です。

さらに容器の梱包を何にするかも検討するポイントです。容器がしっかりしていても、梱包する袋とバランスが悪いと破損や液漏れの原因になります。

メニューや容器によっては、さらに厳重に梱包するためのラップなどの備品も検討事項に含まれます。

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テイクアウトを始めるのに必要な許可

テイクアウトを新たに始める場合、メニューや販売する飲食物によっては許可が必要です。解説する内容は、地方自治体や保健所により解釈や対応が異なるため、管轄する保健所での事前確認が必要です。

弁当は基本的に飲食店営業許可内

お店で出している飲食物を店内で調理し、店で顧客に手渡し、または店から配達の場合や、早めの飲食を促すこと顧客にアレルゲン情報や保管方法について伝えられる場合、飲食店営業時に取得している飲食営業許可で販売できます。

テイクアウトとして多くの店が取り入れている「弁当」もこれらの条件を満たしていれば基本的に飲食店営業許可内に入ります。

しかし、作り置きし、店内で販売する場合は営業許可に「そうざい」や「弁当屋」などを追加しなければならない場合があります。

調理場所と販売場所が異なる場合や、調理者の家で調理したものの販売は許可されていません。

別途許可が必要なものの例

営業許可を持っていても別途許可が必要なケースが多数あります。さらには店内調理ではなく仕入れたものを販売する際は、原材料名や消費期限などの表示が必要になります。

許可が必要な場合の具体例として、以下の様なケースがあります。

  • 焼肉店が生肉、たれを販売

焼肉弁当を販売する場合は飲食店営業許可内ですが、顧客が自宅で焼肉をするための生肉を販売した場合は「食肉販売業」または「食料品販売業」が必要です。

また、たれを販売する場合は、「ソース類製造」「調味料製造」などが必要です。

  • ラーメン屋やレストランが生麺や自家製加工肉(ベーコン、ハム、ローストビーフなど)販売

自家製麺を生麺で販売する場合、「めん類製造業」、また、スープやソース、餃子などを冷凍で販売する場合、「食品の冷凍は冷蔵業」の許可が必要な場合があります。自家製加工肉の場合「食肉製品製造業」が必要です。

  • 刺身の販売

寿司や丼のように、米と合わせて提供される場合は飲食店営業許可内にあたりますが、刺身単体の場合「魚介類加工業」が必要です。

  • 他社から仕入れたチーズやハムなどを店で調理せず、パッケージのまま販売

仕入れたものを調理し、提供する場合は飲食店営業許可内になりますが、店内調理せずに出す場合は「食品販売業」が必要です。

  • レストランで仕入れたケーキやパン、アイスクリームを販売

調理パンやケーキを店で小分けにするなど、手を加えて販売する場合「菓子製造業」、アイスクリームを販売する場合は「アイスクリーム類」製造業が必要です。

上にあげた例はあくまでも一例で、各自治体や保健所の判断によっては飲食店営業許可内に入る場合や、他の許可が必要な場合もあります。テイクアウトでの販売商品を決定後、少しでも不安がある時は管轄の保健所に相談することで確実な判断ができます。

トラブル対策を実施してテイクアウト事業を

デリバリー&テイクアウトアプリを運営するmenu株式会社では、利用者数が2020年1月と5月対比で12.5倍、新規申し込み店舗数が116倍に増えたことを発表しました。

テイクアウトは外食の新しい形として定着しつつあると同時に、テイクアウトやネット販売の導入を急遽決めた飲食店も多く、気づかないうちに無許可販売になっている店舗もでています。

新たに許可を取得すること、どこまでが許可範囲なのかの確認は時間を要しますが、多くの保健所のホームページで情報を開示し、電話での問い合わせも受け付けています。

ルールや条例を知ることは、店だけでなく、顧客を守ることにつながります。ウィズコロナ時代に店舗を存続させるためにも必須の対策といえます。

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