日本の少子化はますます進み2045年には15歳未満の子どもの数が2015年に比べて約70%も減少すると言われており、すでに多くの稚園、保育園では、入園者の獲得が難しくなっています。
今回の記事では特に私立の保育園がいかに集客対策をしていくか、実際に独自の集客方法で成功している、学校法人小泉学園を例に解説していきます。
独自のカリキュラムが実を結んだ学校法人小泉学園
学校法人小泉学園は、東京いずみ幼稚園を経営する学校法人です。小泉学園はかつて園児の集客に苦しんでいましたが、いくつかの独自のプログラムを組むことで今やキャンセル待ちが出るほどの人気幼稚園です。ここからはその独自のプログラムについて詳しく説明します。
石井式国語教育
石井式国語教育とは教育学博士である石井勲氏の指導法で、幼児期の子どもの素晴らしい能力を発見し、「幼児期からの漢字教育」の普及を目指したものです。漢字絵本やカードなどを用いて読書好きな子に育て、集中力を高め、使う言葉が豊富になり、情操豊かな心情が育まれる、とされている教育法です。
教育法が明確にされているため、どの保育者でも簡単に取り組むことができます。
このプログラムを取り入れることで小泉学園は、幼稚園として保育の質における正確な基準と方向性ができ、他の幼稚園との差別化ができました。
ミュージックステップ
幼児期の脳は聴覚に敏感であるということに着目し、始めたのがミュージックステップです。ミュージックステップは絶対音感の定着を誰にでも可能にするものです。
脳の発達段階に応じて、ピアノの音の変化に合わせ「走る・座る・横になる」をリズムに合わせて表現する「リトミック」やCDから聞こえる単音を答える「聴音」、先生のピアノに合わせて発声する「聴唱と聴奏」、合唱や楽器を使った合奏などを行います。
これらを通して集中力を高めていき、絶対音感が身につくことで左脳が大きく発達することが期待できます。音を考えるのではなく感じることで自然と絶対音感が身に付くことも利点の一つです。
保護者に子どもの成長、子育ての楽しみを形に変え伝えていく工夫
小泉学園の人気の理由には、保護者が楽しめる演出にもあります。例えば園児たちの合唱団を結成し、コンサートの開催、フェスティバルやコンテストにも積極的に出場することで、保護者も子どもの成長を楽しむことができます。
さらに東京ヴォーカルアンサンブルコンテストでは金賞や特別賞を連続受賞し、テレビへ出演もしました。ポーランドでの演奏旅行も行うなど、園内での発表会だけでは終わらせず、子どもも保育士も保護者も楽しめる演出を多く実施しています。
卒園後も希望者に対しては、国語・算数・アイデアマラソン・体育・合唱を中心に思考力・発想力・表現力等を養える教室を開いており、IQの測定も行っています。
保育園の手軽な集客方法3選
小泉学園はさまざまなプログラムを取り組むことで人気幼稚園にすることに成功しました。しかしすべての幼稚園・保育園が資金面の問題などで、すぐにこれらのプログラムを取り入れることができるわけではありません。そこでより手軽に行える集客方法を3つ紹介します。
1. チラシやDM
まずは保育園のことを近隣住民に知ってもらうことが大切です。
保育園に通える圏内で、就学前の子どもがいそうな家庭の郵便受けに、チラシを入れる、新聞の折り込みや、地域で配布されている小冊子などに、宣伝広告を掲載する、小さな子どもがいる家庭に、郵便やダイレクトメールでチラシを送る、など方法はさまざまです。
2. ホームページや地元紹介サイト
インターネット上のサイトで宣伝することも効果的です。
保育園で運営しているホームページやブログで入園希望者募集の告知をしたり、地域の情報サイトに掲載協力をしてもらう方法などがあります。
保育園で運営しているホームページでは、園についての料金、アクセスだけではなく、園での子ども達の生活の様子や、年中行事、施設の案内などを充実させておくことが大切です。さらにこまめに更新することで、保護者たちの目をひくことができます。
3. お母さんネットワークの口コミ
保育園集客を成功させるには経営がうまくいっている幼稚園から学ぶ必要があります。前に取り上げた小泉学園は子どもも保護者も楽しめる演出を行っています。それによりその口コミが園児の保護者から別の保護者に伝わることで、新規客を獲得できるチャンスができます。
ある口コミサイトでは保護者の口コミが投稿・閲覧でき、先生の評価、教育内容、アクセス、セキュリティ、理念などに対する評価もでき、保護者の方からの忌憚ない意見をうかがい知ることができます。
保育園のホームページを作る上での注意点3つ
実際にホームページを作って宣伝を行う場合、注意しなければいけない点がいくつかあります。
次はそれらを解説していきます。
1. 保育園の概要や料金など必要な情報を記載する
ホームページには具体的な料金はもちろん、園の概要といった基礎的な情報は必ずいれる必要があります。加えて明確にした自身の園の強みや、実際に利用している保護者の声などを掲載し、閲覧した人に安心感を持ってもらえるような内容にすることも有効です。
保護者がホームページを見たときに必ずしも問い合わせまで至るとは限りません。なので気軽に問い合わせができたり、問い合わせを獲得できるようなWeb上の導線を確立する必要があります。
2. MEO
MEOとはMap Engine Optimization（マップエンジン最適化）といい、Google マップ向けの地図エンジンでの最適化（あるサイトについて検索結果画面でのより多い露出を図ること）を指します。
具体的な方法として、エリア名に合わせたキーワードを設定する、上位に表示されるためにはキーワードとエリアの間に余分な文字を極力含ませないように、近接させながら設定する、などの工夫が必要です。
保育園を検索したときに上位に表示される方がより見てもらいやすくなります。
[blogcard url="https://media.kutikomi.com/news/2019/06/18/whatismeo/"]
3. Web広告や口コミサイトに広告をだし導線にする
Web広告や口コミサイトに広告を出すことで、園や事業所へ子どもを預けたいユーザーに絞って広告を表示させることができるため効果的です。
検索エンジンで特定のキーワードの検索結果ページの上部に広告を出すこともできます。
これにより「必要なサービスを提供している近隣の園や事業所を検索する」=「育児・託児・家事代行サービスの利用を検討しており、利用や選び方に関するページを読んでいる人、情報収集している人」に対して、の園や事業所の広告を表示させることができます。
保育園の集客には引きつける魅力と工夫
学校法人小泉学園は独自の教育プログラムや、保護者でも楽しめる演出をすることで人気の幼稚園を作り出すことに成功しました。少子化が進んでいく日本ですが、同時に女性の社会進出も進み共働きの家庭も増え、現在は保育園への需要が増えています。
保育園の集客の成功には、独自のプログラムなど保護者を引きつける魅力を持ち、さらにそれを保護者に伝えるホームページづくりや、宣伝などが必要です。
しかし経営者は安易に成功している幼稚園を真似するだけではなく、しっかりとした教育理念、方針を持ち、現場の教育者、保護者ベースではなく、子どものことを第一に考えなければなりません。
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